21世紀生まれの天才アーティスト
TikTokやYouTubeで数々のヒット曲を生み出した、新進気鋭ソロアーティスト・WurtS。素顔がわからないミステリアスな雰囲気、独創的な曲づくりなどが話題となり、TikTokやYouTubeで数々のヒットソングを生み出しました。
音楽活動が大学生活の一環なのも珍しく、魅力を感じるファンが多いのも特徴です。
『マイティーマイノリティ』は、2020年にリリースされたアルバム『資本主義の椅子』に収録されています。
同曲は、積極的な発言をしない一般大衆「サイレントマジョリティー」に向けて歌ったことで話題を集めました。
それではさっそく、歌詞にどのような秘密が隠されているか、紐解いていきましょう。
現代社会の生きづらさを具現化
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最近はどう
かなりストレート
溜まるストレスと
闘うクラスメイト
外見がどう
浮かぶイマジネーション
ただ付くんだ一生
次世代フラストレーション
誰かに負けない様にと
築き上げた感性
≪マイティーマイノリティ 歌詞より抜粋≫
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このフレーズでは、ルッキズムやスクールカーストなど、学生特有の悩みについて友人と語り合っているシーンが浮かびます。
さらに、同曲がリリースされた2020年はコロナ禍の真っ只中でもあり、我慢を強いられることが多く、思い描いていた生活とのギャップを強く感じることも多いでしょう。
未来に対して不安を感じながらも、懸命に生きる姿に心打たれます。
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舞台の袖で笑って
もう神様だけに縋りたくて
それでも冷めた手を伸ばしたら
それでも冷めた手を伸ばしたら
頭の中真白で
≪マイティーマイノリティ 歌詞より抜粋≫
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神様の存在を信じ、辛い自分を救ってほしい。
しかし、現実はそう甘くないことを悟り、あまりの虚しさに心と身体が冷えてしまう様子を比喩表現で表しています。
誰かのためじゃない、自分のため
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夢は自分で掴むもの
それは知っているんだろ
誰かに負けない様にと
築き上げた感性
誰かの価値観で
何にも出来ない僕らは
交わる人間スクランブル
≪マイティーマイノリティ 歌詞より抜粋≫
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このフレーズでは、助けてほしいのにそれすらも難しい状況を作ってしまったのは大人達の責任だと訴えかけ、さまざまな想いが行き交う様子を人間スクランブルと表現しています。
理不尽なことや強い言葉をかけられると、自信をなくしてしまい、それがトラウマにもなる可能性もあるでしょう。
そうならないためにも、やさしく寄り添う心が大切です。
多様性の時代と呼ばれるようになった令和でも、日本で定着している価値観や世間体によって、本来の自分を出し切れず苦しんでいる人は少なくありません。
自分の人生は自分で決める。
少しずつ自分の人生を思い描き、できることから始められると、実現できる日もそう遠くないでしょう。
激しさの中にある繊細さがエモい
『マイティーマイノリティ』は、激しい感情が歌詞に込められつつ、その中にある繊細な心情に共感したひともいるのではないでしょうか。現代人の生きづらさや魂の叫び声がひしひしと伝わってきます。
心理描写や時代の背景を歌詞で表現したWurtSの巧みな表現力。
まさに令和の時代にふさわしいアーティストですね。
人生何が起きるか分かりません。
「本当にやりたいことは何か」、「自分らしさはどういうものか」など、模索してみてはいかがでしょうか。
少しでも読者のみなさまの心に届きますように。