宇多田ヒカル×椎名林檎との夢のコラボ
数々の名曲を世に送り出してきた、シンガーソングライター・宇多田ヒカル。時代を超えて、さまざまな音楽シーンで活躍しています。
2016年にリリースされた「二時間だけのバカンス feat.椎名林檎」が、2024年4月13日に放送された『with MUSIC』で放送され、再び話題を呼びました。
同曲は、宇多田の6枚目のアルバム「Fantôme」に収録されています。
実はふたりとも同じ年に同じレコード会社からデビューを果たした同期です。
親交が深いアーティストとしても挙げられていて、お互いにとって特別な曲というのが伝わってきますね。
いったいどのような歌詞が込められているのか、フレーズごとに紐解きましょう。
日常と非日常が入り混じった不思議な雰囲気
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クローゼットの奥で眠るドレス
履かれる日を待つハイヒール
物語の脇役になって大分月日が経つ
忙しいからこそ たまに
息抜きしましょうよ いっそ派手に
≪二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎 歌詞より抜粋≫
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「クローゼットの奥で眠るドレス」「履かれる日を待つハイヒール」といった表現に注目してみると、おそらく主人公は女性でしょう。
そこに「物語の脇役になって大分月日が経つ」というフレーズが重なっています。
過去の主人公は煌びやかな世界で過ごしていたのでしょうか。
仕事や育児、家事に追われる毎日。
ふと、クローゼットの中を見て過去の栄光を思い出し「昔のようにまた思い切り遊びたい」「華を咲かせたい」と、解釈しました。
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朝昼晩とがんばる 私たちのエスケープ
思い立ったが吉日 今すぐに連れて行って
二時間だけのバカンス 渚の手前でランデブー
足りないくらいでいいんです
楽しみは少しずつ
お伽話の続きなんて誰も聞きたくない
≪二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎 歌詞より抜粋≫
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エスケープは「逃げる、脱出する」という意味があります。
朝昼晩とがんばる私。
その生活から現実逃避したいという気持ちが込められているのが読み取れます。
ランデブーは「（男女が）時間と場所をきめておいて出会うこと」を意味しており、主人公と男性が二時間という短い時間の中でデートを楽しんでいるのだと解釈しました。
最近では「渚の手前でランデブー」をする人をあまり見かけないので、どことなくノスタルジックやロマンを感じます。
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優しい日常愛してるけれど
スリルが私を求める
≪二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎 歌詞より抜粋≫
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このフレーズでは、優しくて心地よい日常が大切なことを頭で分かっているものの、刺激が足りずスリルを味わいたい欲望が垣間見れます。
現状が幸せにも関わらず、怖いもの見たさで危ない道に走ろうとする。
なかなか実行に移すのは難しいですが、きっと一度は頭の中で思い描いた方もいるのではないでしょうか？
主人公が思う「スリル」について、深堀りしていきます。
情熱と切なさのマリアージュ
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家族の為にがんばる 君を盗んでドライヴ
全ては僕のせいです わがままにつき合って
二時間だけのバカンス いつもいいとこで終わる
欲張りは身を滅ぼす 教えてよ、次はいつ？
≪二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎 歌詞より抜粋≫
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主人公と相手の関係性に、ただならぬものを感じます。
そこにやましい気持ちがあるのか「欲張りは身を滅ぼす」というネガティブな感情が出ている反面「教えてよ、次はいつ？」と、相手との関係性を終わらせたくない様子がうかがえますね。
いわゆる不倫なのか？それともまた違った関係性なのか？
誰かを傷つけてしまう関係性は許されることではないですが、相手を想う気持ちが強く切ない感情が伝わり、きっとこれが主人公の考える「スリル」でしょう。
どう解釈するかはあなた次第、曲の世界へワープしてみよう！
『二時間だけのバカンス feat.椎名林檎』は、男性との関係性を描いたように思いつつ、もしかしたら別の人へのメッセージを表現した曲かもしれません。解釈の仕方はその人それぞれなので、違った視点から考えるのも楽しいですね。
ぜひ一度、歌詞と照らし合わせながら聴いてみてはいかがでしょうか。
