全員が同じ方向を向いている
──前回UtaTenに出演していただいてから大きな変化があったと思います。メンバーの卒業を経て、現在の8人となり、名前の表記やビジュアルも一新されました。まずは、TSUBASAさんに円神時代の総括をしていただこうかと思います。TSUBASA:前体制では、3年半ほど活動をしていましたが、各々の個性を活かした曲やパフォーマンスをやらせていただけていたので、そこに関しては僕らの色を確立することができたんじゃないかなと思っています。僕たちはゼロからのスタートだったので、ゼロからイチを生み出すことは出来たと思うし、それが大きな結果かなと思っています。
──なるほど。
TSUBASA:熊澤歩哉が卒業してしまったけど、それまで誰ひとり欠けることなく9人で作り上げることが出来たのはいいことだなと自分は思ったので。それぞれのお仕事だったりとか、個人のキャラクター、グループの立ち位置はどうなのか、そういうものはメンバー全員で理解し合えたので、そこは大きな一歩だったのかなと思います。
──グループとしてとてもいい期間を過ごせたんですね。
TSUBASA:そうですね!
──そうやって言えることはとてもいいことですね。そして、グループはダンス&ボーカルグループとして新たな歩みをスタートさせました。新リーダーのTOYさん、今後はどんなグループになっていくんでしょうか。
TOY:今までは、1人1人が個性を活かしたお仕事、例えば舞台やファッションといったフィールドで輝くことをテーマにやってきていたんですけど、これからはより一層グループとして、大きなステージを目指してやってきたいという意味を込めてダンス&ボーカルグループになりました。表記がローマ字になったのもこれからはもっとグローバルに活動していきたいなという思いを込めて「ENJIN」という表記にしたので、日本だけでなく世界で通用するようなグループになっていきたいです。
──いいですね!本作を聴いて殻を破ったように感じましたし、クールさを兼ね備えつつあるなと。純粋にカッコいいと思ったし、変わったなと思ったんですが、改めてENJINの強みってどんなところでしょうか。
TOY:今までの楽曲は、爽やかでポップで可愛らしいというのが多かったんですけど、今回のアルバムに収録される新曲3つは、今まで見たことのないENJINを見ることができる、“大人セクシー”で強い楽曲だと思うんです。そのステージと普段のギャップをもっともっと魅せていけたら、それも一つの武器になると思っています。
──SOLさんはいかがですか?
SOL:最近はダンスやボーカルだけでなく、ラップや英語の発音、表情管理というのを結構レッスンしているんですけど、そこで養われた表現力というものが今までとは全然違う武器になるんじゃないかと思っています。
──TAIGAさんはどうですか?
TAIGA:SOLが言ったことが全てなんですけど、例えばダンスレッスンやボイトレにしてもこれまでは個々で行ったりとかだったんですけど、この半年間は全員でレッスンをやったり。今まで結構バラバラだったという印象があったけど、この半年間は全員で過ごす時間が圧倒的に増えた。ともに成長していくというか、成長段階で「自分成長していないな」と思ったらメンバーからも指摘されたりして、もっと頑張ろうって思えるようになりました。この半年間でライバル意識とか高め合う意識が芽生えて、そんな時間は今までなかったからとても貴重だったなと思います。その期間があったことでスキルが上がったし、ビジュアルも客観的に見ていいと思えるものに仕上げてもらっているし、全てが変わった。変われていないところがあったら、指摘してもらいながら変わっていきたいです。今までのENJINも大切だけど、変わっていかないとグローバルな活動はできないから、もっともっと変化をつけていけたらいいなと思っています。
──明確に団結したきっかけはどこだったんだろう。
TOY:今までは、目標がざっくりしてたんですよね。それぞれ思うことはあっただろうけど。そんな状況から、矢印が同じ方向に向いたというか。新体制になって、グローバルに活動したい、こういう会場でやりたいという意志のベクトルが同じ方向を向いた。新生ENJINになったことが大きなきっかけですよね。
──8人の共通認識が明確になったんですね。
TAIGA:実際、明確になったことでぶつかることも減ったというか。同じ方向を向いているからこそ、同じ意見になっていく。結果として、明らかに喧嘩が減ったというのはすごくいい方向に向かっているのかなと思います。
──なんだか全員大人になりましたね…。前回とは全然違う!
全員:あはは(笑)。
KYO:大人セクシーがテーマですからね!
──そうですね。KYOさんはどうですか、今のENJINの雰囲気について。
KYO:実はこの取材の前にも撮影があったのですが、メイクが終わったらみんなイケメン!と思いました(笑)。もともとの素材は良かったんですけどね(笑)。
TAIGA:やかましいわ!
KYO:いやいや!磨きがかかったと思う。大人の色気というか、そういうものが出ていますし、みんないいオーラが出ているなと思います。自分もそこに食らいついていかないといけない、もっとカッコよくならないといけないなと。
TAIGA:いや、カッコいいよ!
KYO:ありがとうございます。
──いいですね! RYONOさんはどうですか?
RYONO:さっきTAIGAが言ったように、半年間ダンスやビジュアル面もそうですし、ジムにもみんなで通ったりして、スタッフさんも一新して、内側からENJINが変わったと思います。SNSについてやビジュアル、ダンスなどを指摘してくださる方も周りにいて。その方達のおかげで、実際にInstagramのフォロワーが1ヶ月で10万人増えたりとか、本当にENJINが新しい方向に向かっているなと数字を見ても実感出来ますし、パフォーマンス面を見ても実感できますし、いよいよ来たなというワクワク感がありますね。
各々の成長を感じる2枚目のアルバム
──そんな良い環境の中で、2枚目のアルバムがリリースされます。2年ぶりのアルバムでバラエティに富んだアルバムを完成させたなと思います。新たなENJINを提示する上でも大事なアルバムになると思いますが、どんな作品に仕上がりましたか?SOL:これはフリなんだけど、HYUGAが言ってた言葉で「新しい引き出しが増えた」、「テーマパークで言えば新しいエリアが出来た」と言ってたけど、それがいい表現だなと思ったんですよね。
HYUGA:ぱっと見のビジュアルとか曲を聴いたらENJINが変わったように感じると思うんです。でも、自分の中では変わったというよりも、今まで可愛いとか爽やかとかポップな作品があったことにプラスして、カッコいいやセクシーといった面が付け加わったという風に感じていて。今回のアルバムもこの1年間の曲とさらに3曲、今までになかった曲が加わって、ENJINの引き出しが増えたんじゃないかなって。聴いているといろんなENJINの表情が見える。可愛い面やカッコいい面、セクシーな面がこの1枚で伝わるんじゃないかなと思います。
──本当に新しい名刺というかね。A.rikさんはどうですか?
A.rik:新体制になって磨いてきたものをドンっと世に出す作品なので、レベルアップした僕たちを一気に魅せることができる作品でもありつつ、今までのENJINの爽やかさや可愛さといった親近感のある僕たちも魅せることができる作品。だから、今まで応援してくれていた人も楽しめるし、新しく僕たちに興味を持ってくれた人にも刺さる曲が詰まっているんじゃないかなと思います。
──久々のアルバム制作はいかがでしたか?特に新曲の3つは新しい一面を魅せるためのものにもなったと思うけれど。
TOY:今までの楽曲より、英詞が増えて。それこそグローバルという目標が根本にはあるんですけど、それもあって英語の発音を練習したり、英語の意味を理解して気持ちを乗せることに注力したり。今までの楽曲以上に意識してレコーディングすることが出来たのかなと思います。これからもどんどん英語や他の国の言語にも挑戦していきたいなと思うし、たくさんの人にENJINの思いや歌詞を知っていただけたらと思います。
TSUBASA:表題曲の『Major』という曲の冒頭部分に、僕が〈Hey〉と言う歌詞が元々あったんですけど、そこで殻を破りたいなと考えたんです。本当にENJINが変わったぞと一発目から魅せたいなという想いで、僕からトラックメーカーの方に巻き舌で歌うことを提案してそれが採用されて。表題曲の頭の部分から意思表示をすることが出来たのがよかったなと思います。
──新しさは存分に発揮されていると思います。でも正直ここまで多くのダンス&ボーカルグループがいる中で、方向転換をして、そのフィールドで戦っていくってチャレンジだと思うんですよ。
TOY:そうですよね。そもそも僕たちは逆だったんですよ。その分野で活躍されてるアーティストが多いからこそ別の方向で攻めていたんですけど、逆にど真ん中で行こうぜって。そこで勝てないと世界にはいけないよなって。だからより覚悟が決まったというのが正しい表現かもしれない。
──世界へ行くという目標はみんなで話し合った結果?
TOY:スタッフさんも入れて、みんなで話し合った結果です。元々、あったものではあるんですけどね、それがより自分たちの中で具体的になった。意志が芽生えた。
──なるほど。話が少し逸れちゃったけど、制作中、思い出深い曲はありますか?
KYO:『Killa』という曲がありまして、一発目のフリが俺ということもあり、それでいて新体制、どうやってENJINの魅力を伝えようかとすごくプレッシャーがあったし、結構葛藤しました。どうすれば皆さんに届けることができるのか、どのフリがカッコよく見えるのかと自分の中で迷走して、制作段階ではすごく悩んでいて。ただ、みんなからの評判は良かったし、やって良かったと思えた。自分の中で一つステップアップしたと思います。
HYUGA:『Major』でMVを撮影したとき、今まではロケで撮影をする感じだったんですけど、今回はグリーンバックを使ったりステージを作ったりと、ダンスメインで表情管理を活かした撮影があったりして。そういった面でも新しい撮影だったので印象深いですね。メンバーを見ていても吸収できることが多くて、改めてメンバーのことをすごいなと思えたし、それを盗んで撮影に臨んでいたなと。
──それって今までにはなかった感情だった?
HYUGA:そうですね。カメラ前でキメるという撮影は初めてだったから、こういうカッコいい顔ができるんやって新しい発見が多かったですね。
RYONO:MVで言えば、今まではストーリー系が多かったんですよね。今回はストーリーが全くなく、俺ら単体の勝負みたいな感じ。ダンスと表情、パフォーマンスで魅せる感じが新鮮でした。気合いが違うなって思いましたし、早く完成した映像を観たいなと思っています。あと、個人的なことを言うとこの半年間でフリ覚えがだいぶ早くなりました!
──そこも成長ですね。
RYONO:多分、みんな感じていることだと思います!
それぞれの好きな歌詞
──では、UtaTen恒例の質問に行きましょうか。今回は新曲3つから好きなフレーズを選んでいただこうと思います。TOY:僕は、リード曲『Major』から。TSUBASAが歌っている、〈慣れてきていたんでしょ? You donʼt even know まだこれから Showtime〉。やっぱり今までのENJINにみんな慣れていたんでしょうと、でもまだ本当の俺たちの姿は見せてなくてこれからがショータイムだよという歌詞なんですけど、ガラッと変わる体制になってこれがすごく分かりやすいなと思って。今までのENJINとは違うというメッセージが序盤にあって、ここからどんどん行くぜという風になっていくんですけど、これを実際にダンスも含めてライブで魅せて、この歌詞通りに思ってもらえたらすごく嬉しいなと思いますね。これを体現するライブがやりたいし、そういった感想がたくさん届けば、自分たちの勝ちという気がします。
SOL:今回のアルバムの1曲目『Killa』から。〈Yeah, Make way for the new killa in town〉ですね。今回のアルバムを聴く全員が最初に聴くフレーズじゃないですか。このフレーズは「俺たちがお前たちの心を盗みにきたぞ」という意味で、一発目のフレーズから自分たちがどれだけガチか分かる言葉だと思うので、このフレーズが好きです。
A.rik:僕は『Major』の〈If you wanna come 連れてくさ 見たこと無い Paradise〉です!
──その心は?
A.rik:これって、聴いてくれる人に向けて歌っている部分があると思うんですけど、自分たちにも言えるなと思ってて。この期間でみんなのそれぞれの良さを再発見できたというか。外に向けても内に向けても、まだ見つけていないメンバーの魅力を見つけていけるようなパラダイスを皆さんに体感させてあげないといけないし、そうやっていきたいなと。
HYUGA:自分も『Major』から。TAIGAのパートで〈初めて会った時のように I wanna make you feel the heat 痺れるような Passion〉ってあるんですけど、意外と人間って初めて会った時の衝撃を超えることってなかなかないじゃないですか。それを自分たちは一新して初めて会った時みたいな衝撃をファンの方に与えたいという気持ちが込められていて、ここは強いメッセージ性があって好きだなと思いました。
TAIGA:みんなが歌詞の意味を言っているので、僕は音の響きからで。『Danger』の〈知らない国のgrooveに〉とあるんですけど、自分のパートで申し訳ないですが、音程がすごく好きなんですよね。一瞬だけ裏に逃げる感じで洋楽っぽい感じが耳馴染みが良くてすごく好きで。イヤホンで聴くと、気持ちいいってなるんです!デモで聴いてる時から歌いたいと思っていたフレーズを歌うことができたので、皆さんにぜひ聴いていただきたいです。
──KYOさんはどうですか?
KYO:僕は『Killa』から。〈迷い捨てて ありのままで 全てを見せたいから I just wanna show you now 覚悟を決めた 今の俺を〉ですね。ここはこれまでの僕たちの背景も含めて覚悟を決めて進んでいく中で、今の俺を見てくれという力強さ、男を感じるんです。ここはTAIGAが歌っているんですけど、〈今の俺を〉の解放している感じがすごく好きで。スーパーサイヤ人になって全部服が脱げた感じというか。
TAIGA:マジでそれドンピシャ! 1番、2番、落ちサビと全部歌っているんですけど、1番と2番は今の俺を見ろというのをベースに置いているんですけど、落ちサビは解放をイメージして、綺麗に歌うのではなくあえてひっくり返して歌っているんですよ。そこを理解してくれて嬉しいですね。
KYO:ここいちばん聴いてます!その変化を感じたんですよ。印象にも残るしメッセージ性としても好きです。
TAIGA:振り付けも解放している感じになっているんですよ。だからちゃんと伝わっていたんだなと。
KYO:伝わりましたよ!
──いいですね。TSUBASAさんはどうですか?
TSUBASA:『Major』の〈Every move we make is Major Major Bigger better We are〉というブリッジの部分でラスサビに向けての部分なんですけど、ここが好きで。誰ひとり置いて行かない姿勢だったり、僕らがここまで積み重ねてきたものをすり替えるのではなく、アップデートしていくというところが自分的には刺さっていて。全員で歌いはじめる大事なフレーズでもあり、見ている人、聴いている人を置いて行かないというメッセージのあるパートだと思うので、ここは好きです。
──最後にRYONOさん。
RYONO:メッセージ性がある歌詞はたくさんあるんですけど、それはみんなが言ったので、僕は印象に残った歌詞ということで、『Danger』の〈明かり一つ無い部屋 咲き乱れたLove〉。ここ、セクシー過ぎないですか?!ぜひ想像してみてほしいです。ここでは、言えないですけど、想像してみてほしい。
TOY:それもう言ってるよ、言っちゃいけないこと!
KYO:でもこれ歌う時、意識しましたよ。吐息混じりというか、いかに想像させるかというのを意識して、かなりのテイクを録りました。
TAIGA:でもその頑張りは聴いていても分かるよ。聴いていてセクシーだった。
──みなさんの好きなフレーズが分かったところで、最後に今後の目標を教えてください。
TOY:リード曲の『Major』というタイトルのようにこれからは俺たちがメジャーの主流になっていくので、まずはこのアルバムを聴いてほしいですし、MVも観ていただきたいです。ここからどんどん大きくなってグローバルに活動していきたいですね。世界各地でいろんなライブができるように大きくなっていきたいです。俺らがメジャーになっていくのでついて来てください。
TEXT 笹谷淳介