夜空に輝く星々。
この輝きは、星が爆発したことで発せられる一瞬の輝きと言われている。しかし中には恒星と呼ばれ、人の一生にも及ばない長い長い時を輝き続けている星もある。
ORANGE RANGE通算9枚目のシングル『*~アスタリスク~』は、そんな星の輝きを歌った楽曲である。東京系テレビアニメ「BLEACH」の初代オープニングテーマでもあり、このアニメで起用された楽曲の中では最大の売り上げ記録。「*」という星に似た形をした記号を用いたタイトルとなっているが、元はインディーズ時代からあった楽曲で、その当時のタイトル名は「星」。メンバーの「タイトルが記号って何か面白いんじゃない!?」という思いつきで変更されてしまった過去を持つ楽曲なのだ。
楽曲名は変更されてしまったものの、この楽曲を聴いていると随所に星が埋め込まれていることがわかる。普段、空を眺めない人でも、ふと星に思いを馳せたくなるような内容なのだ。
ちなみにPVは星がよく見える真冬の夜に行われ、あまりの寒さに懐炉を使用しながら行われた。そんな逸話がありながらも寒さを感じさせないカッコイイ内容となっているので、楽曲と一緒に要チェックだ。
ORANGE RANGE「*~アスタリスク~」
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見上げた夜空の星達の光
古の想い願いが時代を超え 色あせるコトなく届く
キラリ瞳に映る誰かの叫び
風に想いを 月に願いを 力ある限り生きていくんだ 今日も
僕らの想いもいつか誰かの胸に 光続けよう あの星のように
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今では流れ星も彗星も、季節によって星座が変わることさえ科学で説明できてしまうが、もともと星は神聖で不思議なもの。星で吉凶を占ったり流れ星に願いを託したりもしてきた。ただし、星は願いを受け止め、見上げる人に想いを届けるのが役目。願いを叶える力は、残念ながらない。では、星に願うと叶うというジンクスはどこから来たのか。そのヒントが、歌詞で次のように語られている。
“放て光 負けずにしっかり今 時を超え 誰かに届くまで”
“栄光の光はこの向こうにキミたちとつくっていくストーリー”
歌詞のヒントによると、人は心の中に星の輝きに負けることのない光を持っている。それは最初、小さい光かもしれないが願い続ければいつか、星のように遠くからでも輝いていることがわかる強い光になる。つまり、願いを叶えるのは空に浮かぶ星ではなく自分自身なのだ。
では何故、星が叶えたと思うのか?それは人が自分が放つ光に気付くことがないからだ。それに対して、星はずっと空で輝き続けている存在。仏様にしても神様にしても、光輝くものに人は願いをこう。遅かれ早かれ、その後に願いが叶ったとしたら見えない力が働いたと思うわけだ。
また、輝き続けるものは人を惹きつけてやまない。人が星を見上げ、願うのは自分自身もそうなりたいという憧れもあるのかもしれない。
あの星のように、光続けたいと。
TEXT:空屋まひろ
沖縄出身の5 人組ロックバンド。 2001 年に結成し、2002 年2 月22 日にアルバム「オレンジボール」でインディーズデビュー。 2003 年シングル「キリキリマイ」でメジャーデビューを果たす。 2021 年に結成20 周年イヤーに突入。 ジャンルにとらわれない自由かつ高い音楽性と、卓越したポピュラ···