移籍は5年目のこれからに向けたステップアップ
──4月に事務所移籍となったばかりですが、移籍の決断にいたった思いや決意はどのようなものがあったのですか?仲川蓮:去年4周年を迎えた後で「4人の学芸大青春」という新体制になりました。「どのようにステップアップして5年目を迎えるか」という話し合いを何度も重ねる中で、アイデアの一つとして「所属事務所移籍」という考えが浮上しました。もちろん所属していたVOYZ ENTERTAINMENTにはすごくお世話になっていたし、とても感謝しています。
ただ、メンバーが5人から4人になることは、学芸大青春にとって非常に大きな事件だったし、自分たちのそれまでの活動に一度区切りをつけて次に進むには、あらゆる環境を変える必要があるのではないかという結論に至りました。次に進むためのポジティブな移籍であり、事務所移籍に対する意見は4人一緒でした。正直、実際に移籍しても自分たちがやることはあんまり変わってないと感じています。
内田将綺:そうですね。新しい会社での会議室予約が難しくなったぐらいですね(笑)。
星野陽介&仲川蓮&相沢勇仁:(笑)。
相沢勇仁:以前は事務所が立派なダンススタジオをいくつか持っていたので、練習したい時はいつでも使えたんです。ただ、新しい事務所では、ダンススタジオは取り合いです(笑)。今までが恵まれすぎていたので、この環境の中でどれだけやれるかっていうのはあると思います。ただ、新しい会社にはオフィスに無料で飲める自動販売機があるので、それは良かったなと(笑)。
内田将綺&星野陽介&仲川蓮:(笑)。
──福利厚生がバッチリということですね(笑)。
<ブサイ句>というパンチワードに込められた思い
──新曲『ブサイ句なLove Song』、甘く切なくて、囁きかけるような歌声とメロディーが心に流れ込んでくるような楽曲という印象なのですが、新曲の魅力や印象は?星野陽介:やっぱり<ブサイ句>という歌詞がパンチワードじゃないですか。そんな言葉を歌詞に入れるなんて蓮も勝負に出たなと思いました。今までの自分たちの曲の世界観とかも引き継ぎつつ、新しい世界観も取り入れているのかなと思って、いい意味で事務所が変わったのも影響しているのかなと思いました。
内田将綺:蓮はメンバーの中でも特に、本や映画などからインプットして、それを言語化するのが得意なメンバーだと思うんです。僕じゃ絶対に出てこない言葉遣いや表現とか、世界観みたいなものがあって、いい感性の持ち主だと思うので、その感覚が存分に詰まった楽曲になっていますね。
相沢勇仁:曲に出てくる男性が性格的にちょっとネガティブな部分があるのかなという思いで僕は歌いました。蓮がネガティブってことではないんですけど、その世界観も蓮らしいなと思う曲調や雰囲気があって、恋愛ソングによくあるキラキラ感だけではない、自分達らしさが出ている楽曲だなと思いました。
仲川蓮:勇仁も言ったように、自分たちは学芸大青春の方向性として、「青春」というコンセプトで活動していますけど、青春は必ずしも楽しい部分だけじゃなくて、葛藤や悩みとかもあるので、僕たちはそういう部分の青春も表現していきたいという思いがあるんです。なので、今回もただ綺麗なラブソングというよりも、ちょっと大人っぽい部分もありつつ、独りよがりな行動とかを<ブサイ句>と表現したようなラブソングにしたかったんです。
──その<ブサイ句>というワードはどのように生まれたのですか?
仲川蓮:世の中にありふれているラブソングの中で一つのワードだけでこの曲だと分かってもらえるようにしたかったんです。なので、最初に奇抜なワードをいろいろ考える中で、“ブサイク”という言葉が出てきて、そこからどんどん連想していきました。この曲のデモを頂いた時に、和風っぽいサウンドが所々であったんです。なので歌詞は、より和を感じるワードを入れたくて、俳句をテーマにして作詞をしました。たまたま“ブサイク”という言葉に“ク”があったので、そこだけ漢字にしたんです。
それと、俳句のルールで「季重なり」という、1つの俳句の中に季語は基本的に1つだけで、2つ以上入れちゃいけないというのがあるんです。そこから歌詞中の「僕」という存在と、その恋愛対象の「君」という存在2つを俳句の季語に見立てた時に、 同じ俳句に入れることができないから一緒にいられないみたいな失恋ソングに持っていきました。
──今回はドラマのタイアップ曲ということで、作詞をする時に今までとは違う感覚はありましたか?
仲川蓮:実はタイアップが決まる前に形として完成していたんですよ。その後でタイアップが決まって、一部分だけ歌詞を変えたんです。その作業時には、ドラマの原作漫画は全部読みましたし、なるべくこの曲によってドラマを彩っていきたいので、リンクする部分を作ろうと意識しましたね。
──その変更した歌詞というのはどこですか?
仲川蓮:それは大人の都合で言えません。(笑) ただ、不倫はいけないことだと思うんですけど、当事者にはいろいろな思いがあって、1人1人の葛藤や苦しみなどが原作漫画にすごく描かれていました。そういうのを汲み取って書き直したことで、結果的にこの曲の世界観も広がって、すごく良かったなと思いますね。
歌詞には仲川蓮のあるこだわりが
──<ブサイ句>という歌詞も目を引きますが、皆さんのお気に入りの歌詞やフレーズはありますか?内田将綺:歌詞が蓮から送られてきた時に、すぐにいいなと思ったのは、<「やる」「やらない」がいつの間にか 「できる」「できない」になっていた>ですね。シンプルなワードなんですけど、今の自分にも当てはまるなと思いました。若い頃に描いた夢や目標を強く持っていたりとか、他人や仲間内ででかいことを豪語している時期もあったんです。でも年を重ねていき、現実を見たり、いろんな世界を知っていく中で、こういうワードを選ぶようになっていました。だから、自分が今そうなっているというのを気づかされたワードだったので、この2行はすごく刺さりましたね。
星野陽介:僕は<猫背のまま背伸びして>というフレーズです。蓮が言っていた、不倫しながらも葛藤しているという部分が矛盾していて、そういう矛盾がリンクしているなとすごく感じたからです。しちゃいけないけど不倫をしてしまう。そこには理屈じゃなくて何か別の感情とかがあるのかなというのを、こういう葛藤で表現しているのかなと感じました。
仲川蓮:僕は<"僕"のいない季節に君が笑ってるなら ねぇ いいだろう それでいいよ>ですね。
相沢勇仁:俺もそこ言おうとしてた!(笑)。
仲川蓮:じゃあ先に(笑)。
相沢勇仁:ありがとう(笑)。そのフレーズは、主人公がここから少し前を向こうとしているのが感じられて、それがすごくいいなと思ったんです。まだ未練があることを、歌っているんですけど、それでも「自分がいない季節がまた訪れた時に、好きだった人が笑っていられるなら、僕はそれでいいよ」という風に前を向こうとしていながら、実は全然まだ前を向けてないけど、でもそれでいいと自分を納得させようとしている、その葛藤みたいなところが見えるのがいいんですよね。
仲川蓮:僕はこだわりの1つでもあるんですけど、このサビの<"僕"のいない季節に君が笑ってるなら>の「僕」には""があるんですけど、最後のサビには<僕のいない季節に君が笑ってるなら>と""がないんですよ。書き忘れではなくて、この曲中で「僕」と「君」という言葉に""の有無があるので、その理由を考えながら聴いてもらえたら楽しいんじゃないかなと思っています。
相沢勇仁:""の有無は知らなかった。
星野陽介:僕も初めて知りました。でも、やっぱり答えが欲しいな(笑)。
本人役でのドラマ出演に心境は複雑!?
──今回、ドラマに登場する時松ミホの『推し活』対象として、学芸大青春が本人役でドラマに出演するそうですが、撮影はどうでしたか?相沢勇仁:そうですね。どの自分で行こうかなと思いました。
内田将綺:めっちゃ演技の引き出しあるやん!(笑)
相沢勇仁:今のはちょっと冗談なんですけど(笑)。テンションが高い時の自分と、落ち着いている時の自分、真面目な時の自分、みたいに多少なりともあるじゃないですか。そのギアをどうしようかと思いつつ、メンバーがどのテンションでいくのか見て、それに合わせようと思えたので、メンバーと一緒にやれてよかったです。
星野陽介:ミホさんの推しメンが僕だったんですが、ドラマ内で僕にある出来事があってミホさんに影響を与えるんですけど、そこは本人役として演じているのですごく複雑でした。現実ではないけどドラマの中では起こっていて、でもこれは自分だというので、すごく難しかったです。
内田将綺:本当に温かい現場で、いつもどおりにやらせていただきました。監督がもうすごく優しくて、「いつもみたいな感じでお願いします。いつもどおりで、本当に皆さん素敵なんで」みたいに空気を作ってくれて(笑)、安心して撮影に臨めました。
仲川蓮:2次元で活動していた時に、VTuberみたいなキャラクターを動かしてのショートドラマは撮ったことがあったんですけど、それ以外に僕は演技の経験なかったんです。だから、セリフを噛んだら怒られるとか、めちゃくちゃ怖いイメージがあったんですよ(笑)。でも、実際に現場に行ってみると、すごく温かい雰囲気だったので、楽しみながらできました。
ご褒美は深夜2時のピザ!
──ドラマのポスタービジュアルに「素直になって、いいですか?」とあるんですが、最近、「素直になってしまったこと」、または「素直になれなかったこと」はありますか?内田将綺:料理が好きでよく自炊をするんですけど、体作りのことも考えて、材料を買う時は鶏胸肉とかささみにしようと自分に言い聞かせているんです。でもどうしても豚バラに目がいっちゃうんですよ(笑)。昨日も、「明日ドラマの記者会見があるから」と脂質を考えてささみを買ったんですけど、家で豚バラを買えば良かったなと後悔して。だから、豚バラに素直になれなかったです(笑)。
星野陽介:それで言うと僕は素直になっちゃったことなんですけど、ドラマの記者会見の前日深夜2時にピザを頼んでしまいました(笑)。
内田将綺&星野陽介&相沢勇仁:えー!素直だな(笑)。
星野陽介:だから、朝からお風呂入って、顔マッサージして、むくみ取りめっちゃ頑張りました(笑)。ピザに素直になっちゃいましたね(笑)。初めての記者会見が嬉しくて、自分へのご褒美的なね。
内田将綺:ご褒美は記者会見が終わってからにしろよ(笑)。
相沢勇仁:僕も前日に、 お昼ご飯を食べた後にアイスを食べたくなって、翌日が記者会見だからどうしようかと思ったんですけど、昼だからいいやと思って食べちゃったんです。それから夜もまた食べたくなって、1日2個アイス食べちゃったと言おうとしたんですけど、でも夜中2時にピザを食べてる子がいたんで、俺が先に喋ればよかった(笑)。
内田将綺&星野陽介&仲川蓮:(笑)。
相沢勇仁: 1日2回アイス食べることなんてないんです。なのになんで大事な撮影の前日とかに食べたくなっちゃうんだろう。
内田将綺:わかる!多分プレッシャーを感じてるんだよ!明日が大事というのを頭の片隅におきながら生活していると、普段見えない誘惑が見えてくるんです!
星野陽介:わかる!マジでそう!(笑)
内田将綺:「いつも俺の方見ないくせにめっちゃ見てくるじゃん、このアイス!」みたいな(笑)。
相沢勇仁:そう!そういう時に限って食べたくなっちゃう。
星野陽介:だって俺、ピザ2枚食べちゃったもん。しかもMサイズ。
仲川蓮:やば!(笑)
内田将綺:2枚?それはもうLだよ(笑)。ちゃんと次の日の仕事に緊張してるやん!
相沢勇仁:陽介は普段あんまり食べないんですよ!だから本当に緊張してたんだね(笑)。
星野陽介:それな(笑)。
星野陽介&内田将綺:さぁ!この流れで、次は蓮です!
仲川蓮:僕は食べ物の話しじゃないですけど(笑)。
星野陽介:いいよいいよ!むしろそっちの方が(笑)
仲川蓮:僕たちは共同生活を6年間やってきたんですけど、それを春に終えて1人暮らしを始めたんです。僕は広島出身なんですけど、親に手伝ってもらうつもりもなく1人で全部引っ越し作業をやろうとしていたんです。そうしたら、親に電話で「もっと頼りなさい」と怒られたんですよ。
星野陽介&内田将綺:うわ!いい親御さんですね!
仲川蓮:さすがに僕も大人なので、頼むというのも気が引けていたんですけど、そこは素直になれと言われて、素直になりました。
星野陽介:素敵!ちゃんと良いエピソード!
相沢勇仁:素敵ね!俺らピザとかアイスとか言ってるのに(笑)。
内田将綺:ほんとだよ!
相沢勇仁:俺も蓮の親御さんに会いたくなったよ。
仲川蓮:なんでだよ(笑)。
全員:(笑)。
──それでは最後に、インタビューを読んでくださった皆さんへメッセージをお願いします。
相沢勇仁:UtaTenさんはいつも歌詞検索する時とかに使わせていただいているので、今回は本当に光栄に思っています。これからもっと僕たちの楽曲がUtaTenさんにたくさん載るくらい、いろんな音楽を届けていきたいと思うので、僕たちの音楽をたくさん聴いて歌詞を読んで、これから先も僕たちの活動を見届けていただけたら嬉しいです。
仲川蓮:僕たちにしか届けられない音楽があると思うので、そういう音楽をこれからも届けて、皆さんと青春していきたいと思うので、これからもぜひ応援していただきたいです。それと、今年9月に5周年記念ライブがあるんですが、これは新体制になって初のワンマンライブなので、今の僕たちの最大限を出そうと思っています。そちらもぜひ来てくれたら嬉しいです。
星野陽介:まだまだ本当に不甲斐ない部分とか、それこそ“ブサイク”な部分をこれからも見せてしまう瞬間は多々あるかもしれないですけれども、音楽に対して、そしてファンの皆様に対して、真摯にまっすぐ取り組んでいく様をこれからも応援してくれたら嬉しいなと思います。絶対に武道館行きましょう!
内田将綺:UtaTenをご覧の皆様、学芸大青春としては初めましてだと思うんですけども、いつも応援ありがとうございます。僕らの音楽は、蓮が作詞作曲するようになってから、更に自分たちメンバーの思いが近くなった楽曲になっていると思います。今年は特にグループ4人で作り上げる音楽をより全国に広げられたらと思うのと同時に、聴いてくださる皆さんの思い出の一部や、記憶に残る楽曲を歌っていけたらなと思います。
UtaTenを通して、そしてこの夏はドラマ「初恋不倫」のエンディングテーマ『ブサイ句なLove Song』を通して、ぜひ皆さんの思い出の一部になれたらいいなと思いますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。
TEXT 櫻井宏充
PHOTO 井野友樹
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