5作連続リリース、TIFを経て加速する進化
──まずはメンバー1のしっかり者、ALLYさんに伺いたいです。厳しいオーディションをくぐり抜けて昨年10月に結成されたWHITE SCORPIONですが、デビューから半年以上を経て、どんなところに11人の進化を感じていますか。ALLY:進歩はたくさん感じます。その中でも私たちはダンスを特に強みにしているので、やはりパフォーマンス力がすごく成長してきていると思います。
以前までに比べて練習でもしっかり意見を出し合う良い雰囲気に変わってきましたし、イベントに「生のパフォーマンスが見たくて来てみた」と言ってくださるファンの方が増えてきたこともその実感につながっています。
──8月3日にはお台場で開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL」に初出演されました。思い出や刺激になったことはありますか。
AOI:デビュー1年目から日本一大きなアイドルフェスに出演できるのは当たり前のことではないですし、すごくありがたいことなので、WHITE SCORPIONの魅力をたくさんの人に知ってもらえるよう、ずっと前から力を入れてきました。
これまでは身内のイベントが多くて、他の方々と共演する機会が少なかったのですが、移動中などに先輩グループのパフォーマンスで会場が盛り上がっている様子を横目に見て、私たちもまだまだ現状で満足できないという思いを強くしました。
ACE:今年は初の経験で余裕がなかったんですけど、メンバーが憧れているグループも多数出演されていたので、来年以降また出演させていただくことがあったら、他の方々と交流する機会を持ちたいです。
──「ずっと前から力を入れてきた」とのことですが、TIFに向けてグループの中で合言葉にしてきたことなどはありますか?
AOI:これはTIFの時だけじゃなく、いつもやっていることではあるのですが、WHITE SCORPIONはイベント前に円陣を組む時に、一人ひとりがアイドルをやっていく上で大事にしたいことを一言ずつ言うんです。
デビューシングルの『眼差しsniper』の振り入れの時に振り付けのTAKAHIRO先生からアイドルの心得を教わる機会があって、その時に出た言葉を円陣でも言おうと始まったことで、私は「客観視」という言葉を言っています。
──他の皆さんはどんな言葉を言っているんですか?
ACE:私は「努力」です。
HANNA:私は「感謝」です。
ALLY:私は、本当は長〜い意味があるんですけど、まるっと一言にまとめて「意識」です(笑)。
──5か月連続のデジタルシングルリリースの後、現在は数々のイベントに出演して大忙しだと思いますが、夏の思い出を作ることはできていますか?
ACE:私はWHITE SCORPION初の遠征で鈴鹿8耐のライブステージに立ったことが忘れられません。
会場ではロードレースをというものを初めて生で見て、映像で見るのとはまったく違う迫力を感じましたし、ものすごく暑い日だったんですけど、今年初めての花火をメンバーみんなで見られたことがいい思い出になりました。
ALLY:私は今日着ている夏衣装で初めて立った日のイベントが印象に残っています。いつもはアーティスト写真が先に出てからファンの方が衣装を知っている状態でイベントをするんですが、今回はイベントに出演するまで衣装は非公開にしていたんです。
ファンの皆さんがすごく喜んで迎えてくださったのが嬉しかったです。
初のCDリリース「Caution」の聴きどころは?
──9月11日にリリースされる1stミニアルバム「Caution」は、純真さを持ちながらも強さを持つWHITE SCORPIONのコンセプトに合ったビビッドなタイトルの作品ですね。本作はどんな一枚になっていますか?AOI:「Caution」は直訳すると「注意」とか「警告」という言葉で、「私たちを見逃さないでほしい」だったり「この一枚を聴き逃さないでほしい」といった強い意味が込められていると思います。
初めてのCDでのリリースということもあって、私たちにとって重要なターニングポイントになっていくと思う一枚です。
ACE:もうすぐデビューから一年を迎えますが、オーディションに合格してからすごくレッスンをしたり、初めてのレコーディングを経験したり、その間には本当にたくさんのことがありました。
そんな中で今までリリースした5曲に新曲2曲がプラスされた「Caution」は、ファンの皆さんと一緒に私たちのここまでを振り返る、思い出の詰まった一枚になっています。
このアルバムをきっかけに、よりたくさんの方々に私たちのことを知ってもらって、WHITE SCORPIONがさらに加速できたらいいなと思っています。
ALLY:デビューから約半年間かけて作り上げてきた楽曲が一枚のCDになるのはファンの方にもきっと喜んでもらえることなので、期待以上のものを楽しみにしてほしいです。
あと、私自身が本当にWHITE SCORPIONの曲が大好きなので、まだ私たちのことを知らない方にも、本作を通じて「こんないい曲があるんだ」と発見のあるアルバムになってほしいです。
HANNA:「Caution」は、デビューからここまで歩んできた私たちの物語が感じられる作品になっているので、そういう部分も感じながら聴いてほしいです。
新曲を聴いて、よりレベルアップしたWHITE SCORPIONを感じてほしいですし、小さな子からお年寄りの方まで老若男女の方々に手に取ってもらいたいです。
──まさに老若男女、全国津々浦々の方々に皆さんの楽曲が届いてくれたら私も嬉しいです。『コヨーテが鳴いている』『非常手段』など、5か月連続でリリースされた楽曲は、どの曲もサウンド、ダンス、MVに完成度の“レベチ”感があります。
秋元プロデューサーはじめ制作陣の熱量の高さもものすごく感じるのですが、そのあたりは喜びになっていますか、それともプレッシャーですか?
AOI:アイドルになれてすごく幸せなんですけど、なってみて初めてわかることもあって、どちらかというと大変なことの方が多いかもしれません。それでも毎日が充実しているので楽しいです!
ALLY:私も大変だけど、それ以上の楽しさを感じています。ずっとアイドルに憧れていた中で、今こうして活動できているので。
大変さもWHITE SCORPIONに選ばれなければ経験できなかったことなので、そう考えると幸せでいっぱいですね。
ACE:私もずっとやりたかったことができている環境なので、嬉しい楽しいという感情の方が大きいです。
一曲一曲を積み重ねていく中で「常に前作を超えたい」という気持ちが湧いてきて。本作でも、歌い出しを担当したリード曲の『動く唇』で、同じく歌い出しを担当した『コヨーテが鳴いている』の時よりもグッと成長した姿をファンの方はもちろん、スタッフさんにも見せたいと思ってがんばりました。
プレッシャーはありますが、それに打ち勝っていく楽しさを感じています。
『動く唇』と『心が目を閉じる』で好きな歌詞は?
──ちょうど新曲の話が出たところで4人を代表してHANNAさんに伺いたいです。本作のリードトラック『動く唇』はどんな曲になっていますか?HANNA:『動く唇』は、はっきり物事を伝えられない気持ちだったり、相手に自分の言葉で思いを聞かせてほしいみたいなじれったい感情が描かれた一曲です。私もとても気に入っている曲で、なかでもBメロの〈美しい言葉の羅列を信じてはいないのよ〉という歌詞が好きです。言葉を選んで伝えるのもいいけど、それだとあんまり相手の心には響かない……みたいなメッセージがあるのかなって、すごく深いフレーズだと思いました。
──なるほど、さすが秋元先生の詞は感情表現が深いですね。では、もうひとつの新曲はACEさんに伺いたいのですが、『心が目を閉じる』はどんな曲になっていますか?
ACE:『動く唇』が今までのWHITE SCORPIONらしさを残しながら歌詞のメッセージ性を強めた楽曲であるのに対して、『心が目を閉じる』の方は私たちが初めて挑戦するミディアムバラード調の曲になっています。
私が好きな歌詞は〈向かう苛立ちは この自分自身〉というところと〈しょうがないから もう起き上がろう〉というところで、イントロから葛藤を感じる歌詞が続いた先で、「なんかもうしょうがない」って自分に見切りをつけて成長できている感じがすごく素敵。自分にも重ね合わせながら感情移入してレコーディングができた部分です。
──AOIさん、ALLYさんは、この2曲のどの歌詞がお気に入りですか?
AOI:『動く唇』は〈伝わらなけりゃ 始めることもない 開け唇〉というフレーズです。思ったことは自分から相手に言わないと伝わらないですし、何事も有言実行というか、先に口に出してみることで達成につながることもあるので、そういう気持ちの強さを感じられるところがいいなって思っています。『心が目を閉じる』の方は、ACEとちょっとかぶるのですが〈しょうがないから もう起き上がろう〉と〈新たな発見 未体験の世界の涯て〉というところが好きですね。この曲は自分自身との葛藤で、はじめは苦しい歌詞が続くのですが、Bメロからちょっとずつ前向きになってがんばってみよう、自分から動き出してみようって思わせてくれるストーリーになっているので、聴く方にも「私もがんばってみよう」って思えてもらえたら、良い価値のある曲になるのではと思っています。
ALLY:『動く唇』はHANNAと一緒で〈美しい言葉の羅列を信じてはいないのよ〉で始まるパート全体の詞が好きです。詞の言葉通り、綺麗な言葉じゃなくていいから本当の気持ちを伝えること、そして、その言葉を素直に受け止めることが本当の愛なんだなって教えられます。『心が目を閉じる』は〈誰かのせいにできるのなら こんなどん底だって楽なのに〉というところと、ACEと同じ〈本当はわかってる 全部 僕が悪い そう やりたいことも やろうとはしなかった 向かう苛立ちは この自分自身〉という部分が特に響きました。私はIDOL3.0 PROJECTのオーディションを受けるまで、アイドルをやりたい思いはあっても行動に移せていなかったので、その頃の自分とリンクする部分があるんです。レコーディングでもそういう感情を乗せて歌いました。
メンバーの「唇」が動いてほしいと思うことは?
──『心が目を閉じる』は、これまでにない曲調ということで全体がチャレンジになったと思いますが、そのほかにこの2曲の収録を通じて新たにトライした部分はありますか。HANNA:『動く唇』はサビやBメロに早口なところが多くて、私は口があまり上手に回らないので何とか上手に回そうとすごく練習しました。歌う前に自分で考えた口体操をして唇の周りを温めたり。ウィーウィーウィーって。
ALLY:かわいい。
──それは、他のメンバーと一緒にやったりすることもあるんですか?
HANNA:たぶん、やってるところを見せたことがないです。恥ずかしいので。
ACE、AOI、ALLY:ない、ない!(笑)
──ということは、今日はその貴重な一面を見せていただいたということですね。これからはみんなでできるといいですね。
HANNA:そうですね。みんなでやれば怖くない!
ACE、AOI、ALLY:再び、笑い。
ACE:私は『動く唇』ではソロパートだったりHANNAと二人で歌うパートが多いので、今までの曲より自分の声が強く届く分、いつも以上にマイクにしっかり音が乗るよう気を付けています。でも、ダンスも激しい曲なので練習中に歌えなくなってしまうこともあって…。そこは、ここは胸のヒットを抑えようとか、力を入れるところと抜くところを分けようとか、いろいろ試行錯誤を重ねましたね。
──新曲の歌詞に関連した、メンバーのプライベートなお話をお聞かせください!
まず『動く唇』から、「はっきり言えばいいじゃない?」という歌詞があります。すご〜く邪な質問かもしれませんが、メンバー同士で「遠慮せずに思いきって伝えてほしい!」と思うことってありますか?
AOI:うーん。みんな物事をはっきり言う性格なので、メンバー同士でこうしてほしいって思うことはないですね。グループ内で話し合いをする時もそれぞれの意見をガツガツ言い合って、個々の意見に賛成も反対もちゃんと言い合えているので。
──やはり聞いた自分が愚かでしたね(笑)。でもみなさんのチームワークの良さを再確認できました。そうした自己表現と協調性のバランスは、やはり厳しいオーディションがあったからこそ育まれたものなのでしょうか?
AOI:そうかもしれません。オーディションの期間も長かったですし、審査の中にはSNS審査のように自発的に動かなければならない場面も多かったので。意志が強くなければ残っていけないという側面があって、そういう中で鍛えられた強さが今の関係性に繋がっていると思います。
──では続いては『心が目を閉じる』の歌詞からの質問です。最近暑い夏が続きますが冒頭のフレーズのように寝苦しい夜ってありますか?
HANNA:私は掛布団がないと寝られない体質で、暑い時期も何かしら一枚かぶって寝ないと落ち着かないんです。でも、寝相があまり良くないので、途中で目が覚めると布団がどこかに飛んでいってしまっていることがあって…。この前は、そういうことが同じ日に二度あって寝られなかったんです。
AOI:足も布団の中に隠すでしょ?
HANNA:そう、足を引っ張られる気がして不安だし、寒気を感じちゃう。
──怖がりなんですね!?
HANNA:そうなんです。
ACE:HANNAは、雷が鳴ったらメンバーのグループLINEにすぐ「カミナリ、怖い」って送ってくるんですよ。
AOI:そういうところ、すごくかわいい。
──そういうLINEに、他の皆さんは何て返事するんですか?
AOI:「早く帰っておいで~」って(笑)。
ACE:そういう時じゃなくても、普段からグループLINEの数がすごいよね。通知がヤバい(笑)。
ALLY:お仕事以外の話もするよね。ポコポコポコポコ送られてくる(笑)。
──ほっこりする話が飛び出して、こちらも穏やかな気分になりました。そろそろ締めに入っていきます。WHITE SCORPIONといえば、5thシングルの『Satisfaction graffiti』のMVがYouTubeで500万再生を突破するなどMVにも注目が集まっています。現在話せる範囲で今作のダンスの見どころなどを教えてください。
ALLY:『動く唇』は歌詞の中にも「眼差し」という言葉が登場するようにデビュー曲の『眼差しsniper』にリンクする部分があって、振り付けの中にも“sniper”を意識したフリが入っています。デビューからのストーリーを感じてもらえる部分だと思うので、ぜひ注目してもらいたいです。
──そのほかジャケットや特典の注目ポイントは?
ALLY:デジタルシングルのジャケットはすべてイラストだったので、メンバーの姿が写っているジャケットには私たちも特別感を感じています。あと、メーカー特典のオリジナルトレカも私たち初のトレカになるので、ぜひ推しメンのカードを手に入れて持ち運んでもらえたら嬉しいです。
──ありがとうございます。本作発売直前の9月8日には初のワンマンライブも控えていますね。最後に改めてHANNAさんからUtaTen読者にメッセージをお願いします。
HANNA:CDを発売すると今までのファンの方だけじゃなくて、他のアイドルグループを応援されている方々の目にも私たちの姿が届くと思うので、いろんな方々にWHITE SCORPIONの沼にハマっていただきたいです。そして私たちはこれからもっともっと上を目指していきます。スコピスト(ファンの総称)の方々と一緒に突き進みながら、その感謝の気持ちとしてワンマンライブ、そしてさらに大きな舞台で期待以上のものをお返ししていくので楽しみにしていてください。
まとめ
4人それぞれの個性が光るトークになった今回のインタビュー。なお、本作にはIDOL3.0 PROJECTで最終審査に残った17名のFINALISTによる楽曲『命しか捧げるものがない』も収録される。WHITE SCORPIONの1stミニアルバムにして初のCD「Caution(コーション)」は9月11日リリース。成長を続ける彼女たちの初々しい軌跡をお見逃しなく。プレゼント応募について
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— 歌詞・音楽情報メディアUtaTen(うたてん) (@utaten) September 11, 2024
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©OVERSE 2023年4月からスタートし約半年間にわたり行われてきた、秋元康氏が手がけるIDOL3.0 PROJECTオーディション。約1万人の応募者の中から各種審査を経て選ばれた候補者114名が8月5日にお披露目され、合宿審査を含むオーディションFinal Stageがスタート。Final Stag:1stで114名が45名に絞り···