大学敷地の開けた中心部に設置された野外ステージにオープニングSEが流れると、学園祭に訪れた来場者たちも続々とステージ前へと集まりだした。
秋らしく茶色の衣装で登場したlolがこの日のライブの1発目に選んだのは挑発的なメロディーとhonoka・小見山のヴォーカルインタージェクションで一気にlolの世界へ引き込む『Light A Flame』。
1番のサビを終え一瞬の静けさを見せた後にやってくる『Light A Flame』の魅せ場、honokaのラップパートではその圧倒的なスキルにただ脱帽であった。
そして耳にのこる「fire fire」のフレーズを口ずさむ会場後方のちびっ子たち。ライブ会場に来られないちびっ子たちもライブを楽しめることが学園祭ライブステージの醍醐味のひとつでもある。
言うまでもなく洗練されたlolのダンスヴォーカルのスキルで、初っ端から曲名の通り炎の光が目に浮かぶようなアツいパフォーマンスを繰り広げた。
間髪入れず『RAISE ME UP』へ移行すると早速佐藤が高音ロングトーンで圧倒的な歌唱力を見せつける。そして会場のボルテージを上げていくlol。
疾走感溢れるステージに置いていかれるまいとしがみつくオーディエンスに向けて、時に長い髪を掻き上げながら”これでもついて来れる？”と言わんばかりに緩急のあるキレッキレなダンスで魅了するhibiki。
メンバーの表情も熱を帯びはじめ、サビのユニゾンでは女性の声帯を持ってしても高度な高音のメロディーを小見山と佐藤も熱く歌い上げた。
ラストサビへ向かうスネアドラムの挑発が徐々に近づく中、honokaの最高に艶やかな「Uh」の一言に胸を掴まれる。
模擬店を楽しむ来場客も次第にステージ前へ足を運ぶ中、真のダンスヴォーカルとはこれだ！と思わずにはいられないパッション溢れるステージはさらに勢いを増す...。
続く『trigger』では「まだまだ盛り上がっていこう！」と佐藤の煽りに答えるオーディエンスに向けて”引き金”になぞられたクールな振り付けを投下。
さらにBPMを上げ振り落とされそうになっているところに華麗なmocaのヴォーカルが手を差し伸べる。
そして踊りながら歌っているのを忘れるほどの体幹の強さに改めて驚いていると、2番のBメロでは小見山がハイトーンヴォイスで「数えきれない悲しさを越え 繋いだ願い 抑えきれない夢を見るのさ」と、あのガンダムやONE PIECEの主題歌も務めたBACK-ONが書き下ろしたアツい歌詞を届けた。
ダブステップのパートを経てhibikiの請け負う最後のBメロでは、切なさの混じった妖艶な歌声に釣られるように最後のサビへと向かう。
『trigger』では、ルーツを日本以外の国に持つオーディエンスがサビの振りを一緒に踊っていたのも印象的であった。
ここでMCパートへ移るとhonokaは久しぶりの学園祭出演への喜びを語った後、川越の澄んだ空気を「めっちゃ気持ちい〜！」と満喫。そして木々に囲まれた尚美学園大学のステージに漂うスモークマシンのスモークを霧と勘違いする小見山にメンバーは総ツッコミ(笑)。
自己紹介を経てオーディエンスの中にチュロスの模擬店看板を持った学生を見つけたhibikiは「チュロス美味しかった！2本も食べちゃった！」と学園祭を満喫したことも語った。
唐揚げの模擬店看板を持った学生を見つけた小見山はターゲットに決めたようで...(後半MCへ続く)
アップテンポなダンスナンバーで固めてきたlolだが、ここで冬の始まりを感じさせるようなバラード『アイタイキモチ』を披露。
honokaのハスキーボイスで歌われる可愛らしい歌詞でガッチリ虜になった会場は続くmocaの愛らしく美しい歌声にメロメロ。
ライブではパートを担当するメンバーに目が行きがちだが、lolのライブの場合はパートを担当していないメンバーまでしっかり目を配らせて頂きたい。”表情で歌う”という表現が筆者の中で生まれたほど、lolのライブではパート外のメンバーの表情に曲の背景を感じることができた。
しっとりバラードでも1ミリたりとも妥協のない振りを見せるhonokaのアイソレーション。筋肉を活かしキレのある緩急を見せるhibiki、一寸の狂いもない見事な振りでグループのバランスをとるmoca、女性メンバーの割合が多い中で引けず劣らず繊細でしなやかなダンスを見せ、踊りながらだと上振りやすい低音パートも狂いなくこなす小見山・佐藤。
指先や髪の毛の1本1本までに神経が...と、たまにそんな評価を受けるダンサーがいるが、まさにこれがそうなんだと見れば見るほどlolの虜になっていく。
続く『愛のFlavor』は佐藤とhibiki作詞のラテン調なラブソング。Hotな歌詞をセクシーに歌い上げるhonokaと、MCでの陽気な雰囲気とは全く別人のような大人の色気で惹きつける小見山。会場の温度もあげたところで再びMCへと移ると「バラードが始まると冬を感じますね」と話すhonokaの横で「暑っ...」と可愛らしい本音を小声で挟むmoca。
1度目のMCで目をつけた唐揚げ模擬店の学生に再び絡みに行った小見山はライブを見にきた学生たちに向けて「環境が整っているから、やりたいことたくさんできるよね！勉強も遊ぶことも全力でやったら良い時間を過ごせますよね！」と人生の先輩として激励を送った。
そんな学生たちのエネルギーを受けてパフォーマンスできることに感謝を述べたhonokaは、11月の頭にも学園祭への出演があることを報告し、ステージはラストスパートへ...。
軽やかなメロディーの『チグハグLOVE』ではここまでの5曲でまだ見たことのない表情を見せてくれるlol。
男女ペアのメンバーでタイトルの通りチグハグなハートを作るサビの振りは相手がいれば真似したいほど可愛らしくキュンとした。
そして同じく真似をしたくなる振り付けで会場を巻き込んだ『Magic of A Laugh』はリズミカルなビートとキャッチーなメロディーが特徴的なダンスポップ。
舞踏会でテンションの上がった学生が二次会へ向かうシーンが浮かぶような、陽気でいて大人の世界に片足を踏み入れた世界観を感じるこの『Magic of A Laugh』では先ほどまで陽気に学生に絡みまくっていた小見山がサビ前の１フレーズで大人ビブラートをかましてたたみかける。
lolのステージメイクを支えるhonokaのヴォーカルインタージェクションで、あまりにもナチュラルでクールに「Karaage！」「Churros！」と投下されたことにオーディエンスも気が付いただろうか....！？
息吐く暇もないほど見所たっぷりのステージはまだまだ呼吸をさせてくれないようだ。あっという間に本ステージ最後の楽曲『just go!!』へ。ちょうど6年前にリリースされた同曲は長い間この前向きな歌詞とメロディーが愛されてきた1曲だ。
hibikiの早口言葉のような高速パートの後に見せる、やり切った笑顔も見逃さずにいたい。
ステージを縦横無尽に駆け回ったlol、honokaのラップパートでカチッとスイッチが入ったようにラストに向けてまだまだ観客の集まる観覧エリアへ”This is the lol”これがlol -エルオーエル- だと届けたのであった。
ライブを終えたlolは事前配布チケットを取得した来場者へ向けてのプレゼント企画を敢行した。
初めてlolのライブを見たという来場者にもサイン入りチェキが当たるなど学園祭ならではの貴重な雰囲気を味わい、とびきりの笑顔でステージを去っていった。
Photo:メトロ。
Text:愛香
セットリスト
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