映画「はたらく細胞」の主題歌
Official髭男dismの『50%』(フィフティパーセント)は2024年12月13日にリリースされた楽曲で、同日公開の映画「はたらく細胞」の主題歌でもあります。映画の内容は擬人化したヒトの細胞が、体内で起こる不調を解決するため奮闘するというもの。
細胞たちが自分の役割を果たそうと頑張る姿が印象的ですが、頑張っているのは私たちも同じ。
『50%』はそんな頑張りすぎてしまう人たちに向けて「無理しないで生きていこう」と伝えてくれるメッセージソングです。
どのような歌詞なのかさっそく見ていきましょう。
全力で生きる辛さ、休んで気付く幸せ
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後悔のないように 誰かに誇れるように 生きてみようだなんて 奮い立つのは良いけど
ストレスがあっても 耐え抜く事こそが美学だなんて言うなら ここでひと息つこう
競争の義務はない リングもコースもない
だからこそ手にする幸せもあるんだろう
≪50% 歌詞より抜粋≫
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歌の冒頭では生き方について言及しています。
誰かに誇れるような人生には憧れがあり、そのように生きてみたいと思うこともあるでしょう。
ですがもし、憧れを叶えようとしてストレスを抱える生き方になってしまったら?
理想の生き方をしようと頑張りすぎて、ついに耐えられなくなったとしたら?
きっと理想とは程遠い、苦しい思いをするのではないでしょうか。
「耐え抜く事こそが美学だなんて言うならここでひと息つこう」とあるように、もし無理を感じているのなら、肩の力を落として休むよう伝えています。
もし「休んじゃいけない」と思っているならば、それは思い込みです。
この世に「競争の義務はない」し、決められた「リングもコース」もありません。
「働き続けろ」「動き続けろ」と命令するものは、どこにも存在しないはず。
もし休むことを覚えれば、人生はもっと生きやすくなるのではないでしょうか。
また「だからこそ手にする幸せもあるんだろう」と歌っているように、休むことで気付く幸せもあるはずです。
人生に勝ち負けなんてない
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泡と消えたスローライフ 滑り込んだ休日に 誰かの輝いてる姿に
勝手に焦り悔やみ 現状に苛立ち 眠れぬまま朝になる 昼夜逆転が癖になる
立ち止まってる場合じゃないと重い腰を動かし 身の丈に合わない速度のトレッドミルに乗っかり
転び 風邪ひき 自己管理も出来ない自分に何を成し遂げられると言うのだろう?
≪50% 歌詞より抜粋≫
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上記の歌詞からは理想と現実の生き方にギャップが生じ、焦っている様子が伝わってきます。
焦りや苛立ちをなんとかしようと無理をした結果、体調を崩し自分の不甲斐なさを責めているようにも感じられますね。
「トレッドミル」はスポーツジムなどにあるランニングマシンのことで、「身の丈に合わない速度のトレッドミル」は、自分のペースに合っていない生活を指していると思われます。
例えば本当はゆったり生きたいのに「もっと頑張らなきゃ」「もっと色々やらなくちゃ」と抱えすぎてパンクする、などがありそうです。
もしかしたらそんな自分が情けなくて嫌になることもあるでしょう。
ですが下記の歌詞にあるように、「あまり病まないように」と気遣うメッセージを送っています。
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なんて言わない! あまり病まないように よーいドン!もゴールもない 記録もない人生も愛したい
とはいえ現代社会しゃあない 生きてくためにやらないわけにいかない時はせめて
[80]パーくらいを上限にしよう もう負けとかどうでもいいよ 自分のやりたい事だけ永く続けたい!
≪50% 歌詞より抜粋≫
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目標を持って生きることは人生を充実させる上で大切ですが、「記録もない人生も愛したい」とあるように、人生すべてに目標を掲げる必要はないのかもしれません。
「どれも目標通りにならないと気が済まないし、自分を許せない」というのは、行き過ぎた完璧主義と言えそうです。
人生は誰かと勝ち負けを競うものではなく、より自分らしく生きることが大切ではないでしょうか。
競争して成果を出すよりも、勝ち負けを気にせず自分の本当にやりたいことをした方が充実した人生を送れるはず。
また「[80]パーくらいを上限にしよう」とあるように、なんでも100%の力でやり切る必要はないとも歌っています。
余裕を残して勝ち負けにこだわらない生き方にシフトした時、人生はもっと自由で生きやすいものになるのかもしれません。
身体への問いかけ、忘れてない?
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ってかきっと背負い込み過ぎていない? でも下ろしたいわけじゃない?
自分の身体への問いかけを忘れてはいけない そう言う事みたい 心の肩こりを緩めたならさあ Oh
改めて今日から俺らは50%定位置で!
ホルモン腸脳関係 ジャンク疲れの自律神経 労って熱いハグで 全体気をつけんで
休んで備えて ここぞでだけで 放って君の[100]%!!!
≪50% 歌詞より抜粋≫
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「自分の身体への問いかけを忘れてはいけない」という歌詞は、Official髭男dismのある出来事が元になっています。
2023年、ボーカル兼ピアノの藤原聡に声帯ポリープが見つかり、ライブの出演を見合わせる事態となりました。
このような経験から、体調を気遣う歌詞や『50%』の曲そのものが生まれたと考えられます。
自分の体調に気付けるのは自分だけです。
もし無理しすぎていると感じているのなら、自分で自分をハグして普段の自分の頑張りや、疲れたら休んでもいいということを認めてあげてはどうでしょうか。
大事な場面で全力が出せるように、いつもは50%の力で生きる。
『50%』をきっかけに、そのような生き方がこれからますます増えていくのかもしれませんね。
50%で生きるくらいがちょうどいい
私達は社会の常識やネット上の誰かの言葉の通りに生きて、いつの間にか疲れを抱えているのではないでしょうか。Official髭男dismの『50%』は、そんな生きづらい社会を生きる人々に向けた、労りの歌なのだと感じました。
今、見えない何かに追われて焦っていませんか?
毎日疲れていませんか?
『50%』を聴いていつの間にか重くなっている肩の荷物を、少しでも下ろしてみてくださいね。
Official髭男dism (オフィシャルヒゲダンディズム) 山陰発4人組ピアノPOPバンド。2012年6月7日結成、島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は《ヒゲダン》。このバンド名には髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が···