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BUMP OF CHICKEN「飴玉の唄」の歌詞が深い!その意味を徹底考察

BUMP OF CHICKEN『飴玉の唄』は、長きにわたり愛される曲の一つです。生と死を思わせる歌詞と、意味深な「飴玉」の存在。「僕」が差し出す「飴玉」とは何か、歌詞を深掘りして読み解きます。

「飴玉の唄」に登場する「飴玉」が意味するものは


BUMP OF CHICKEN『飴玉の唄』は、2007年12月19日に発売された3枚目のメジャーアルバム『orbital period(オービタル・ピリオド)』に収録されています。

ボーカルの藤原基央が手がけるBUMP OF CHICKENの歌詞は、どこか物語的で幻想的な雰囲気。

『飴玉の唄』自体が、壮大な愛の物語のように感じられますし、扱うテーマも「生と死」であり、普遍的かつ答えのないテーマとも言えます。

BUMP OF CHICKENの楽曲には「僕」から「君」に語りかけるものが多く存在しますが、この曲もまさしく、「君」への深い愛と共に、優しく語りかけるような歌声が印象的でした。

「飴玉」という単語から連想するのは、小さい子が好きそうな甘くてキラキラしたキャンディ。

実際、泣いている「君」に飴玉をあげるシーンが登場しますが、この楽曲に登場する「飴玉」はどうも、物理的な飴玉ではないように思えます。

では一体、「僕」が「君」に差し出す「飴玉」とは何なのか。

歌詞を深掘りしながら考察していきましょう。

歌詞を通して漂う「僕」から「君」への圧倒的な信頼感


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僕は君を 信じたから もう裏切られる事はない
だってもし裏切られても それが解らないから
どうか 君じゃなく ならないで
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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『飴玉の唄』の歌詞からは、「君」に対する深い愛情と信頼がにじみ出ています。

相手のことを心から信じてしまえば、裏切りなど存在しない

相手を微塵も疑わなければ、たしかにそれは可能です。

裏切りにも気付かないくらい。

深く相手を信頼する。

なかなかできることではありませんね。

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悲しい時 嬉しい時 どちらにしても ほら泣く
困るでしょうって更に泣く あんまり困らないよ
飴玉あげる
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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泣き虫な「君」に対して困らない「僕」。

大切な人の涙は見たくないものですが、どんな「君」でも受け止められる「僕」にとって、きっと涙すらも愛おしいのでしょう。

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何光年も遥か彼方から やっと届いた飴玉だよ
そういう1ミリを繋いで 君と出会えた 僕がいるよ
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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「僕」が「君」に差し出した飴玉は、ただの飴玉ではありません。

遙か遠くから届いた特別な飴玉。

遙か昔から探し求めていた特別な存在。

「君」に出会えた奇跡。

泣き止まない「君」をそっと包み込む、無償の愛

「僕」が差し出した飴玉はきっと、そういう類いのものなのでしょう。

存在は消えても心の中に生き続ける「君」


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聞けない事 言えない事 上手に話せなくて泣く
出ない言葉 強い気持ち 時間が足りないと言う
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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「君」と「僕」の間にはこんなにも深い愛があるのに、二人の間にはなぜか別れを感じさせる空気が漂っています。

話したい言葉が出てこないもどかしさ。

言語化できないほど強い思いがあるのに、言葉にして伝えるには時間が足りない。

強く想い合っている二人だからこそ、差し迫る別れに怯えているようにも思えます。

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僕は 君と僕の事を ずっと思い出す事はない
だってさよならしないなら 思い出にならないから
さぁ ゆっくり下手な 話をしよう
言葉の要らない 話をしよう
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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僕は 君と僕の事を ずっと思い出す事はない
だって忘れられないなら 思い出に出来ないから
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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時間が足りなくても、言葉が足りなくても、「僕」はちっともかまわないのでしょう。

この世界が二人を引き裂いたとしても、永遠の別れが訪れたとしても、「僕」が「君」を忘れることはありません。

ずっと心の中に生き続けて忘れないのなら、思い出にもならない。

「君」の存在を思い出にできないくらい、「僕」にとって「君」は大きな存在なのです。

「さよならしない」なら、現実世界がどうであれ、二人の時間は永遠に続いていくのでしょう。

時間さえも二人を引き裂けないくらい、「僕」の中で「君」は永遠に生き続ける存在となっているのだと思います。

「僕」と「君」がたどり着く世界とは?MVにも注目


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僕は君を 信じたけど 君が消えたらどうしよう
考えると止まらないよ 何も解らなくなる
いつか君と 離れるなら いっそ忘れる事にしよう
出来るのかな 無理だろうな 離れたくないな
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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心の中に生き続けるのなら、その人のことを忘れることも失うこともないけれど、それでもいつか訪れる別れに怯える「僕」

かけがえのない「君」の命に終わりが来たら。

その可能性に行き当たった時、強烈な現実感を伴って喪失感に襲われた時、きっと誰しも「僕」のように怖くて震えてしまうのでしょう。

永遠の命などないと知りながらも。

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君は僕を 信じてるの 離れたくないな
見えなければ 死ななければ だけどそんなの君じゃないよ
僕は嫌だよ 君がいいよ 離れたくないな
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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大切な人が死ななければいいのに。

永遠に一緒にいられたらいいのに。

それは、誰しも一度は抱く願いなのかもしれません。

別れは怖いもの。

しかし、もっと怖いのは、「君」が「君」でなくなってしまうこと

死なない「君」なんて「僕」はちっともほしくないのです。

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死なない神様 僕らは祈らない
咳をする君の 熱に触れて 命を知るよ
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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勝てない神様 負けない 祈らない
限りある君の その最期に触れて 全てに勝つよ
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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だから「死なない神様」よりも、生きて、限りある命を全うする「君」と「僕」のままでいいのでしょう。

「限りある君の その最期に触れて 全てに勝つよ」というのは、大切な人の最期を看取って初めて、失う怖さからも悲しみからも解放されるということを意味しているのかもしれません。

人は、生きる限り、死から逃れることはできないのですから。

それならばいっそ、泣いてわめいてもがいて、最期まで共に生きよう

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見えない 死なない 僕らの世界で
その手に触れて 熱に触れて
僕も笑うよ 君と笑うよ
僕は君を 信じたから
≪飴玉の唄 歌詞より抜粋≫
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精神世界では、「僕」も「君」も永遠に生き続けます。

そこには、生も死もありません。

この曲全体に流れている圧倒的な「君」への信頼感はきっと、二人をつなぐ強い絆ゆえ、なのでしょう。

MVでは、温かみのあるアニメーションで物語が展開していきます。

古びたロボットと、それをかわいがる幼い子供。

そして、女の子の姿をしたおもちゃ。

かつて大切にされていたおもちゃが、いずれ忘れ去られる切なさ。

女の子に必死に語りかけるかのようなロボットの、ぎこちない動きが歌詞の世界とリンクし、この曲全体に漂う愛の深さを感じさせます。

心温まるストーリーなのか、切ない別れなのか。

見た人に正解を委ねるような作りも魅力的な『飴玉の唄』のMV。

楽曲はもちろん、映像作品としても楽しめるので、ぜひMVもチェックしてみてくださいね。

果たして、「僕」が「君」に差し出した「飴玉」とは何だったのか。

あなただけの答えを探してみるのも楽しいかもしれません。

一見するとシンプルな曲名ながら、ミステリアスで正解の見えない歌の世界

それこそが、BUMP OF CHICKENの魅力と言えるのではないでしょうか。

▲BUMP OF CHICKEN-飴玉の唄【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

BUMP OF CHICKENは、トイズファクトリーに所属する4人組のロックバンド。独特な世界観とボーカル藤原の圧倒的歌唱力、更にはドラマの他、アニメやゲームとのタイアップ曲も多く、幅広い年齢層から支持を集めている。 幼稚園時代からの幼馴染であり、1994年、当時中学校の同級生であった4人が、文···

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