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サザン「桜、ひらり」の歌詞を徹底考察!「柳暗花明」に込められた意味は?

サザンオールスターズ『桜、ひらり』は2025年1月1日にリリースされた新曲です。能登半島地震の復興を願うような歌詞やMVが印象的なこの楽曲。切なさ漂う歌詞や「桜」が意味するものなど、楽曲に込められた想いを徹底考察していきましょう。

復興の年明けに寄り添う「桜、ひらり」


サザンオールスターズ『桜、ひらり』は、2025年1月1日に配信リリースされました。

配信シングルとしては9作目となるこの楽曲は、リリースのタイミングや歌詞の内容、MVからも、去年の元日に発生した能登半島地震や、東日本大震災を連想させます

春らしいタイトルとは相反して、切なさや郷愁漂う歌詞。

メンバーから被災地に向けてのコメントも発表されており、被災地の復興を願う歌としてのメッセージを強く感じました。

春は出会いと別れの季節。

いつもとは違う年明けになった今年、サザンは桜にどのような想いを込めたのでしょうか。

歌詞を掘り下げながら考察していきます。

能登半島地震を彷彿させる歌詞


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どれくらい
眠れぬ夜を越え
止まない雨に打たれ
大人になったろう?
懐かしい友
愛する人は去き
羽ばたくように
時間は流れた
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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冒頭から、希望に満ちた春とはかけ離れた歌詞が並びます。

大切な人、愛する人を失い、一人、現実に取り残される虚しさがにじむような歌詞。

どれほどの夜を越えても消えることのない悲しみとは裏腹に、時間だけは無情に過ぎていきます。

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突然
あれからしばらくは
生まれたこの場所が
嫌いになったよ

帰らぬ日々
麗しい街並みを
切り裂くように
春が途切れた
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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生まれ育った場所、慣れ親しんだ故郷さえも嫌いにさせるほどの大きな悲しみ。

災害というものは、いつも突然、大切なものを奪っていきます。

いつ発生したとしても、人々は為す術なく、絶望感と無力感に襲われることに変わりはないのかもしれません。

それでも、正月という華やかでめでたく、穏やかな日に起こった地震は、より大きな衝撃を人々の心に与えたのではないでしょうか。

いつも通りの日常が突然壊れる恐ろしさ。

「春が途切れた」という歌詞が、その理不尽さと容赦のない現実を見事に表現しています。

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誰か未来へ言葉
うまく伝えて欲しい
ゆらり
忘れえぬ面影
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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日常が壊滅的なダメージを受けても、時は止まりません。

季節は巡り、また春がやって来ます。

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誰か未来へ言葉
うまく伝えて欲しい
ゆらり
忘れえぬ面影
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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とても前向きにはなれない中で、春を告げる桜の花びら。

「誰か未来へ言葉うまく伝えて欲しい」という歌詞に、過去を振り返りながら少しずつ進もうとする、どうにか前を向きたいという想いを感じます。

きっとまだ、気持ちの整理もつかないでしょう。

未来を上手く思い描くことのできない人も多いかもしれません。

あまりに大きな災害を前にして、どんな言葉をかけたらよいのか分からない人もいるでしょう。

どうにか前を向きたい。

何か力になりたい。

けれど、どうしたらよいのか分からない

そんなもどかしさが「言葉うまく伝えて欲しい」という歌詞に現れているようです。

自然の力に翻弄される人々


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柳暗花明
どのくらい
あなたの夢を見て
あなたの名を呼べば
忘れるでしょうか?
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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「柳暗花明」は、春の美しい自然や風景を愛でる言葉です。

そんな美しく輝かしい季節なのに、歌われているのはもの悲しい言葉

夢でしか会えない人。

どれほど名前を呼んでも応えてくれない人。

そんな人のことは、どれほど時が経っても、忘れることなどできないでしょう。

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恵み給う
海が溢れた
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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2番では、海が不穏な空気を漂わせています。

この歌詞で、多くの人が連想するのは東日本大震災ではないでしょうか。

あの日、海の水が町に流れ込む映像が何度もTVで流れました。

その度に、まるで現実のこととは思えない感覚に襲われたものです。

平穏な正月が突然奪われること。

恵みをもたらしてきた海が溢れかえり、押し寄せてくること。

自然災害は予測が難しいと分かっていても、実際に目の当たりにしてみると、現実として受け入れるのには非常に時間がかかります。

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君よ次代に向けて
愛を謳って欲しい
今も君は生きてる

人を敬いながら
いつも守って欲しい
そして
時間は巡り来る
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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しかし、どれほど傷ついても、打ちのめされても、生きていかなくてはなりません

今、生きている「君」に向けたメッセージが、温かくも力強く感じられる歌詞です。

「柳暗花明」という言葉が意味するもの


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でもね
遊びにおいで
待ってます
みんなでここから未来へ
翔ぼうよ!!
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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未曾有の災害により、地元を離れざるを得なかった人も多いことでしょう。

地元に残った人は変わり果てた町に、別の場所で生き始めた人は慣れない生活に、日々心をすり減らしていることと思います。

しかし、一度はバラバラになっても、故郷を忘れないこと、大切にし続けることはできる。

「遊びにおいで」という歌詞には、傷つきながらも元の生活を取り戻そうとする人たちの、生きる力を感じます

「みんな」というのは、地元を離れた人だけでなく。

被災地の復興を願うすべての人に向けられているのではないでしょうか。

明るい未来を信じる「みんな」で肩を組み、力を合わせて、希望ある未来を築いていこうという、強い決意表明のように感じられます。

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桜、希望を与えて
今も匂ってきます
ひらり
花弁が舞ってる

誰か未来へ言葉
うまく伝えて欲しい
ゆらり
忘れえぬ面影
柳暗花明
≪桜、ひらり 歌詞より抜粋≫
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春を象徴する桜の花びらは、希望の光

美しく咲き乱れて儚く散っても、また来年になれば花を咲かせる桜は、まさに人々の希望の光といえます。

季節だけでなく、人々の心の中にも春が訪れるように。

そんな願いが込められているように感じます。

歌を締めくくる「柳暗花明」という言葉に、この先の復興を願わずにはいられません。

能登半島地震から1年が経つ1月1日に『桜、ひらり』をリリースしたサザン。

彼らのような影響力の強いアーティストが、特別な日に特別な想いを込めた歌をリリースすることに、非常に深い意味を感じます。

未曾有の災害に見舞われた時、エンタメの無力さを感じることは多々ありますが、エンタメの力を再認識させてくれるのもアーティストたち。

『桜、ひらり』を聞いていると、エンタメが生きる活力になることを改めて感じさせられます。

▲サザンオールスターズ-桜、ひらり【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

1978年6月25日にシングル『勝手にシンドバッド』でデビュー。 1979年『いとしのエリー』の大ヒットをきっかけに、日本を代表するロックグループとして名実ともに評価を受ける。 以降数々の記録と記憶に残る作品を世に送り続け、時代とともに新たなアプローチで常に音楽界をリードする国民的ロ···

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