過去の失敗を受け止めてくれる仲間の存在
BE:FIRSTが2024年11月4日にリリースした『Sailing』は、TVアニメ「SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』 魚人島編」のエンディング主題歌として書き下ろされました。プロデューサーにChaki Zuluを招き、Jazzin’parkの栗原暁やキーボードプレイヤーの井上惇志、SKY-HIのコライトによって制作されました。
また、メンバーの中でも熱狂的なONE PIECEファンのSOTA・SHUNTO・RYUHEIが作詞に参加しています。
明るくダンサブルなメロディに、ONE PIECEの物語と自分たちの歩みを照らし合わせた歌詞がポジティブな気持ちを引き出してくれる楽曲となっています。
どのようなメッセージが込められているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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ねぇどこから来たの?
どこに行くの?
どんな涙を泳いでるの?
もう大丈夫
こっちにおいでよ
同じ海に愛されてるから
Oooh, Oooh
隣にいたいな
Oooh, Oooh
Forever family
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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1番冒頭の歌詞は、過去の歩みやその中で感じてきた苦しみや後悔について優しく問いかけています。
さらにその上で、どのような過去があろうと「もう大丈夫」と認めてくれてもいます。
「同じ海に愛されてる」者同士、繋がった縁は簡単には切れないからいつも一緒にいようと招く温かさが感じられますね。
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傷つけて傷つけられて
抱えた過去を僕に持たせて
すれ違って 振り翳した手
何度でもまた握り合うまで
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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大切な人であっても、「傷つけて傷つけられて抱えた過去」を共に背負おうとするのは覚悟がいることです。
皆それぞれもがきながら「すれ違って」、感情に任せて「振り翳した手」に自らショックを受けることもあるでしょう。
そんな風に失敗ばかりでも、諦めず「何度でもまた握り合うまで」手を差し伸べ続けると約束しています。
何があってもそばにいて支えてくれる仲間の存在の心強さを感じられるのではないでしょうか。
“3D2Y”の約束
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太陽に乗っかった 3Days
いつだって Don't lie 2Yourself
なりたい自分 会いたい君が待ってる
手に負えない痛みも寄り添うよずっと
君らしい大袈裟な夢だから
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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ここで出てくる「3days」と「2yourself」は、ルフィの腕に記された“3D2Y”の暗号を連想させます。
これは麦わらの一味が魚人島へ出発するためにシャボンディ諸島で集合する予定を、3日後(3Days)から2年後(2Years)に変更することを表す暗号です。
マリンフォード頂上戦争で自らの無力を知ったルフィが仲間を守る力をつけてから再会を誓う約束であり、魚人島編の始まりをも示します。
「don’t lie 2yourself」は「自分自身に嘘をつくな」という意味があります。
当初の予定通りに物事が進まなくても、いつも自分自身に正直でいれば「なりたい自分 会いたい君」に必ずなれると励ます言葉に力づけられますね。
さらに、自分では「手に負えない痛み」を感じるときにも「ずっと」寄り添うと歌っています。
手が届くかわからない「大袈裟な夢」でも、それが「君らしい」ものならそばで支えたいと言ってくれているように感じます。
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Oooh, Oooh
間違いなんてないさ
Oooh, Oooh
We're never giving up
Oooh, Oooh
俯かないでいいんだ
踏み鳴らそう Every time
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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2番にあるように、厳しい現実にぶつかると自分がした選択は間違いだったのではないかと感じることもあるでしょう。
しかし、ここでは「間違いなんてないさ」とはっきりと否定しています。
どのような状況にあっても「俯かないでいいんだ」、自分の歩みに自信を持って進んで行こうと語りかけてきます。
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生憎の空模様
神様ゴールはどこ?
失敗もご愛嬌
やり直そう何度も
荒波に乗っかってハイチーズ
隠れんぼ太陽はどっち?
舵を取るんだ 賭けてきた未来へ向かって
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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「空模様」も人生も、良いときばかりではありません。
先の見えない不安な現状に、「神様ゴールはどこ?」と嘆きたくなる瞬間さえあるものです。
しかしそんなときこそ「失敗もご愛嬌」と受け止めて、成功するまで何度でもやり直せばいいと教えてくれています。
人生の「荒波」にもポジティブに立ち向かい、まだ見えない明るい未来を探して前進していく大切さが伝わってきます。
嵐も追い風にして前進する
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手にしても 手にしても 失ってしまうけど
心を覗けば家族 仲間がいてくれると知った
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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形あるものは、どれほど手にしても気づけば失ってしまうものばかりです。
それでも全てを失ってしまったように感じたときでさえ、心の中には家族や仲間といった大切な存在がいてくれます。
決して独りじゃないということを知っていれば、問題に直面していても前向きでいられるはずです。
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Sailing Sailing
もっと上に Sailing
今日も明日も君と唄うのさ
Sailing Sailing
Sailing Sailing
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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ここからは印象的なサビの歌詞を見ていきましょう。
タイトルでもありサビで繰り返される「Sailing」は、「航海」を表す単語です。
同じ名前を持つセーリングという競技は風の力を使い、風上に向けて進んでいきます。
嵐のような厳しい状況も、見方を変えれば力強い「追い風」になるでしょう。
「もっと上に」と先を目指し、日々夢を追いかける素晴らしさが感じられます。
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Dan-dan-dance with me
最高を Cherish
海も空も
目を覚ますほど
Dan-dan-dance with me
最高を Cherish
どれだけ泣いたっていいんだ
≪Sailing 歌詞より抜粋≫
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「cherish」は愛情を込めて「大事にする」という意味がある動詞です。
大切な人と楽しむ「最高」の瞬間を大事にしたい想いが表れています。
また「どれだけ泣いたっていいんだ」という言葉が、失敗ばかりで悩む心も肯定してくれています。
暗くどんよりとしていた「海も空も目を覚ますほど」、明るく楽しむ気持ちを忘れないでいたいですね。
ONE PIECEとBE:FIRSTの歩みがリンクするエールソング!
BE:FIRSTの『Sailing』は、どのような過去を抱えていようともポジティブな気持ちで人生を歩んでいくよう力づけてくれる楽曲です。困難を力に変えて進み続ける決意と覚悟は、ONE PIECEとBE:FIRSTの共通点といえるでしょう。
つらい現実に気分が落ち込むときや過去の失敗に苦しむとき、きっと彼らの歌声が背中を押してくれますよ。