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米津玄師「BOW AND ARROW」歌詞の意味は?夢を追う人の背中を押すアニメ「メダリスト」OP主題歌を考察!

TVアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌として書き下ろされた米津玄師の『BOW AND ARROW』。コーチと生徒の関係を弓と矢に例えた力強い歌詞の意味を考察します。

米津玄師が直談判して書き下ろしたアニメOP主題歌を徹底解釈!

2025年1月7日に配信リリースされた米津玄師の『BOW AND ARROW』は、TVアニメ『メダリスト』のオープニング主題歌に起用されています。

▲米津玄師-BOW AND ARROW【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

『メダリスト』はスケーターとして挫折した青年・明浦路司がフィギュアスケートの世界に憧れる少女・結束いのりと出会い、自らコーチを引き受けて共に成長していく物語。

もともと原作漫画のファンだった米津自身が、アニメ化の情報を聞きつけて主題歌制作を打診して制作したそうです。

それほど思い入れの強い楽曲のためか、アニメ尺とフル尺ではアレンジが異なっているのも特徴で、それぞれの違いを楽しめます。

▲米津玄師-BOW AND ARROW(TVアニメ「メダリスト」ノンクレジットオープニング映像)【TVアニメ『メダリスト』公式チャンネル】

タイトルの「BOW AND ARROW」は「弓と矢」を意味しています。

『メダリスト』のストーリーと重ねると、共に高みを目指していくコーチの司と生徒のいのりの関係性がイメージできますね。

2つで1つというだけでは片づけられない弓と矢の関係からどのようなメッセージを伝えているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

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気づけば靴は汚れ 錆びついた諸刃を伝う雨
憧れはそのままで 夢から目醒めた先には夢
聞こえたその泣き声 消えいる手前の咽ぶソワレ
憧れのその先へ 蹲る君を見つける為
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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冒頭で登場する汚れた「靴」や「錆びついた諸刃」は、過去の努力を表しているのでしょう。

しかし諸刃の「錆びついた」という表現やそこに雨が伝っている情景から、多くの努力を積み重ねる中で傷や挫折を経験する様子が見えてきます。

素晴らしい結果を出しても「憧れはそのままで」、憧れに追いつくことはできません。

「夢から目醒めた先には夢」とあるように1つの夢が叶ったり終わったりするとまた次の夢が生まれ、際限なく「憧れ」が進み続けるからです。

続く歌詞にあるように、夢を叶えようと必死で努力する間、悔しさややるせなさで涙することは少なくないでしょう。

「ソワレ」がフランス語で「夜会」を意味していることから、懸命ないのりの演技からそのようなあふれる感情を感じ取ったと解釈できます。

このとき司の夢は形を変え、「蹲る君を見つける為」に動き始めます。

自分を信じて突き進め


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行け 行け 追いつけない速度で 飛べ インパルス加速して
行け きっとこの時を感じる為に生まれてきたんだ
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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この部分は、成長していくいのりを鼓舞する力強い歌詞となっていますね。

「インパルス」は「衝動・衝撃」を表す英語です。

一度は挫折しそうになり立ち止まりかけた足を動かし、再加速するようにと背中を押す気持ちが伝わってきます。

また、これは司が自分自身に向けた言葉でもあるのかもしれません。

この出会いを通じて共に成長を実感し、自分たちは2人とも「きっとこの時を感じる為に生まれてきたんだ」と胸を張って語ります。

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未来を掴んで 期待値を超えて 額に吹き刺す風
今に見なよ きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう
相応しい声で 視線追い越して 虚空を超えて行け
見違えていく君の指から今 手を放す
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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誰しも、自分自身や周囲からの期待の中にいます。

時にはその期待を意識するあまり、行く手を阻むような「額に吹き刺す風」に耐えられず思うように行動できないときもあるでしょう。

だから「期待値を超えて」、ありのままの自分の心をさらけ出して行動できるかどうかが重要です。

「今に見なよ きっと君の眩しさに誰もが気づくだろう」とあるように、心のままに行動して初めてその人自身が持つ魅力はいっそう輝きます。

自分に「相応しい声」は自分のものだけで、ほかの誰も代わりは務まりません。

自分を信じて進む人は先の見えない「虚空」さえ超えて行き、以前とは見違えた姿に変貌していきます。

コーチが生徒を支え成長させていく行程は、矢を遠くに飛ばすために弓を引き絞ることに似ています。

弦を限界まで引くと、矢は目にも留まらぬ速さで飛んでいくでしょう。

しかし、そのためには手を離して矢を放つことが必要です。

同じようにコーチも生徒を手元で守るだけでなく、自立して高みへ飛んで行けるように手を離し送り出すことが重要であるというイメージが伝わってきます。

痛みも煌めきも全て君のもの


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気づけば謎は解かれ 木目ごと見慣れた板の上
あの頃焦がれたような大人になれたかな
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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2番冒頭では「気づけば謎は解かれ」たと歌っています。

「木目ごと見慣れた板の上」とは、毎日使う机のことと考えられるでしょう。

子どもの頃と今とでは、追いかけている夢は異なるものになっています。

しかし、夢は違っても夢を叶えるために突き進む情熱は同じです。

新しい夢の実現に近づいている今の自分を、子どもの頃の自分はきっと誇りに思ってくれるでしょう。

最適解を見つけることで問題が解けるように、自分にとって本当に進むべき道を見つけたという意味で“謎は解かれた”と感じたのではないでしょうか。

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そう君の苦悩は君が自分で選んだ痛みだ
そして掴んだあの煌めきも全て君のものだ
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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夢を追いかける途中で味わう「苦悩」は「自分で選んだ痛み」です。

その夢を追いかけなければ味わう必要のなかったものともいえるでしょう。

しかし、苦悩を乗り越えて「掴んだあの煌めきも全て君のもの」。

華々しい成功や感動は、その苦悩を味わわなければ得られなかったものです。

だから成功も失敗も自分のものとして受け止め、前に進むことが大切だというメッセージが読み取れます。

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僕は弓になって 君の白んだ掌をとって強く引いた
今君は決して風に流れない矢になって
行け 決して振り向かないで もう届かない場所へ
行け 行け 君はいつだって輝いていた!
≪BOW AND ARROW 歌詞より抜粋≫
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司は「弓」としていのりの手を取り、いのりは「矢」として「決して風に流れない」強さを身に着けました。

解き放たれた矢のように過去は「決して振り向かないで」、夢へ向かってひたすら「行け」と背中を押しています。

「君はいつだって輝いていた!」のフレーズから、良いときも悪いときも夢を追う君の存在そのものは輝き続けているという肯定の気持ちが感じられます。

自分以上に自分を信じてくれる人からの力強い言葉は、どのような場面でもきっと支えとなり力を与えてくれるはずです。

夢への道のりを支えてくれる応援歌

米津玄師の『BOW AND ARROW』は、夢を追う人全てに勇気を与える楽曲です。

1つの夢を叶えるまでには喜びも苦悩もありますが、常に自分や自分を支えてくれる人を信じて突き進むことの価値を教えてくれます

ぜひ歌詞とアニメのストーリーとのリンクを楽しみながら、自分自身を強める糧にしてくださいね。

ハチ名義でボカロシーンを席巻し、2012年本名の米津玄師としての活動を開始。 2018年、TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として「Lemon」を書き下ろし“ミリオン”セールスを記録。 「第96回ドラマアカデミー賞」にて最優秀ドラマソング賞を受賞。日本レコード協会にて史上最速の300万DL···

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