信念を持って進むBE:FIRSTの情熱
2025年2月5日にリリースされたBE:FIRSTの新曲『Spacecraft(読み方:スペースクラフト)』。今作は、TVアニメ・SPECIAL EDITED VERSION『ONE PIECE』魚人島編のエンディング主題歌に起用されている『Sailing』との両A面シングルとなっています。
2024年12月21日開催の自身初のドームツアー「BE:FIRST DOME TOUR 2024-2025 “2:BE”」のために書き下ろされ、初日の愛知・バンテリンドーム ナゴヤ公演で初披露されました。
BE:FIRSTの楽曲には欠かせないINIMIのLOARとSKY-HI、楽曲制作を自ら熱望し今回が初参加となったINIMIのSASによるコライトで制作された楽曲です。
作詞にはメンバーのSHUNTOが参加。
また、コレオグラフはSOTAが担当しており、グループの勢いとクリエイティビティが詰まったアグレッシブなダンスチューンとなっています。
タイトルでもある「Spacecraft」は、宇宙船を意味する英語です。
楽曲とどのように繋がるのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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それは闇の中
蠢き笑う星が七つ
WW:BE 始まる Now is the time
瞬きのシルエット 君を呼ぶ声
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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冒頭に出てくる七つの「星」は、BE:FIRSTのメンバーを指していると解釈できます。
何も見えない「闇の中」は未知の世界ですが、彼らはそこに何かを見つけようと希望を持って行動していることが読み取れるでしょう。
次の「WW:BE」は、2025年4月から全15都市を回る自身初のワールドツアーを開催することから「World Wide BE:FIRST」を意味していると考えられます。
かねてより世界進出の夢を掲げていた彼らがついに迎えるワールドツアーを前に、「始まる Now is the time(今がその時だ)」と意気込んでいる様子が感じられますね。
応援してくれる世界のファンに向け、彼らの「君を呼ぶ声」が聴こえてくるかのようです。
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簡単だって God calls my name
これ誰の Game?
It's my turn 待った無しだ
Pain がくれた Gain 全部有難い
運命ごと書き換えた Way
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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「God calls my name(神が俺の名前を呼ぶ)」という表現は、自分の心にある信念や情熱に突き動かされていることを示しているのかもしれません。
「これ誰の Game? It's my turn 待った無しだ」の問答からも、自分の人生は自分が決めるもので、常に熱い意志を持って躊躇わず行動するのだという覚悟と決意が見えてきます。
続く部分には「Pain(痛み)がくれたGain(利益)」ともあります。
どれほど真剣に考えて決定し行動しても、全てがうまくいくとは限りません。
失敗して痛みや苦しみを背負うこともあるでしょう。
しかしこのフレーズでは、その痛みによって得られるものがあることを示しています。
「全部有難い」と受け止めて自ら道を切り開こうとするポジティブで力強い想いに勇気づけられます。
現在の選択が過去と未来を塗り替える

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Baby, I chosen one
ステージは宇宙全体
You must be crazy
過去最高が Basic
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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「I chosen one」は「俺は選ばれし者」と訳せるでしょう。
彼らの目指すところは地球の枠に収まらず、「ステージは宇宙全体」です。
「You must be crazy」は直訳すると「君はきっと狂っている」となりますが、これは常識に囚われず行動するよう促しているように思えます。
「過去最高が Basic」とあるように、常に過去の自分を塗り替えてもっと高みを目指していく姿勢が見えますね。
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Time paradox この地球ごと全部
どっちがいい? Eeny, meeny, miny, heaven
Oh now you fade to black
Spacecraft's watching you
ひっくり返す常識ごと全部
こっちに来い We "invisible seven"
Oh now you fade to black
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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サビにある「Time paradox(タイムパラドックス)」は、タイムトラベルで過去の歴史を改変することによって生じる逆説のこと。
誰しも“あの時違う選択をしていたらどうなっていただろう”と考えたことがあるはずです。
しかしいくら考えても実際に過去に戻ることはできず、すでにした決定を覆すこともできません。
しかし、現在の決定によって未来は選択できます。
それが過去の苦しみを塗り替えることすらあるでしょう。
だから過去の失敗や苦難に囚われず、「この地球ごと全部」書き換えるような強い想いで行動するよう語りかけてきます。
次に出てくる「Eeny, meeny, miny, heaven」は、米国の言葉遊びの「Eeny, Meeny, Miny, Moe(どちらにしようかな)」をもじったものと解釈できそうです。
この中に「heaven(天国)」が含まれていることから、何気なく思える選択も運命を変える重要なものだというイメージが伝わってきます。
続く部分では「Oh now you fade to black Spacecraft's watching you(いま君は真っ黒に染まる、宇宙船は君を見ている)」とあります。
自分を縛る目に見えている常識を黒く塗り潰し、新しい次元へ突入しようと踏み出すのを彼らが見てくれているような描写です。
「We "invisible seven"」というフレーズは、世界から見えない存在として生まれいよいよ最高の仲間と共に世界へ羽ばたこうとするBE:FIRSTの姿と、目には見えない内なる意志や情熱が常識をひっくり返すのだという熱いメッセージを表しているように感じます。
輝き続けるために未開拓地へ恐れず進め

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何度もがいても容赦は出来ない
前方要注意
パッと見だけ光った所で
Black hole suck you in
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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必死にもがいているからといって容赦してくれるほど世界は甘くありません。
足元をすくわれないように進む慎重さも必要でしょう。
さらに「パッと見だけ光った所でBlack hole suck you in(ブラックホールが君を飲み込む)」のフレーズから、輝き続けるための努力をしなければすぐに埋もれてしまう現実も明らかにされています。
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感覚の全て この手に集めて
君の目も耳も夢の中へ
過去から未来 染める雫
思うまま Realize ここに記す
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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ここでは、五感を研ぎ澄ませて全力で夢に向かう様子が描かれています。
人生の中で繰り返し流す涙という「雫」は、同じように見えても喜びや悲しみなど感情によって様々な意味を持つものです。
その意味を良いものにできるかどうかは自分次第。
心が「Realize(理解)」したことを思うままに表現する大切さが読み取れるでしょう。
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君にとっての夢が俺にとっての使命さ
遠くに見えたα, β とっくに超えて今 Ω
ほら見上げな We on the spacecraft
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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彼らにとってかつて夢として掲げていたものは、今や自分が果たすべき「使命」とさえ感じるほど心に根ざしています。
小さな目標の達成も遠くに見えていたのに、今となってはそれらをとっくに超えてさらに大きな目標へと手を伸ばしています。
「We on the spacecraft(俺たちは宇宙船に乗っている)」の歌詞からも、広大な宇宙のように可能性は無限に広がっているという考えが伝わってくるでしょう。
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理解したふり 野暮な相槌
やめな 塞がらない開いた口
怖いくらいが良い 躊躇わずに
不安も Sweet 向かう未開拓地
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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ストレートな言葉で表現されているこの部分は、安心感を得るために平凡な日常に浸っているべきではないと警告しているようです。
世界は驚きで満ちていて、リスクを恐れずに挑戦する方が得られるものは大きいでしょう。
先の見えない「未開拓地」への不安な気持ちは、進み始めればきっと高揚感に変わります。
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僕が血迷った様に見えるかい?
普通が何か Only god can judge me, judge you
Time paradox
どっちがいい?ほら Hell or Heaven
≪Spacecraft 歌詞より抜粋≫
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大きな目標に挑戦する人は、無謀で血迷ったように思えるかもしれません。
しかし「Only god can judge me(神だけが俺を裁ける)」と歌っています。
この曲での「神」が自分の信念を表していると考えると、「普通が何か」を決めるのは自分自身だから周囲の目は気にせず心のままに行動するという宣言のように思えます。
「Hell or Heaven(地獄か天国か)」の二択なら、当然天国を選びたいでしょう。
自分を良い方向へ導きたいのであれば、そのための選択を自分でするしかありません。
世間の常識や他人の意見に囚われず、自分の心にある信念や情熱に従って進むという熱い想いを訴えかけてきます。
BE:FIRSTの真骨頂を感じよう!
BE:FIRSTの『Spacecraft』は、常識や過去の自分も飛び越えて世界へ飛び立つ覚悟と決意が込められた楽曲です。着実に目標を達成している彼らが歌うからこそ説得力がある言葉が詰まっていて、聴く人にも勇気や力を与えてくれるメッセージソングとなっています。
高いダンススキルと一体感が窺えるパフォーマンスも合わせ、BE:FIRSTの真骨頂を体感してください。