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平手友梨奈が歌う大人の恋「ALL l WANT」の歌詞の意味とは?2人が夜を「重ねるように」越したわけを考察

多彩な才能で注目を集める現在23歳の平手友梨奈が歌う大人の恋を彷彿とさせる楽曲『ALLIWANT』。圧倒的な表現力で、どのような大人な恋を歌ったのか歌詞の意味を考察していきます。

平手友梨奈の左手

2024年9月に平手友梨奈は、歌い手・Adoらが所属するクラウドナインに移籍し、10月16日にデジタルシングル『bleeding love』をリリースしました。

その後、二ヶ月後に第二弾のデジタルシングル『ALL I WANT』をリリースします。

MVでは平手友梨奈がマフィア役を演じ、現在YouTubeの再生回数は400万回を超えています

▲平手友梨奈-ALL I WANT【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

今作は、変態紳士クラブとしての活動や、様々なプロデュースワークをはじめ、各所で多彩な活躍を見せる音楽プロデューサー・GeGによるプロデュース楽曲で、エモーショナルなトラックが、大人の恋を彷彿とさせる歌詞を引き立てています。

前作の『bleeding love』と今作の『ALL I WANT』のジャケットは平手友梨奈の左手のビジュアルとなっています。

「目は口ほどにものを言う」といいますが、手もまた目や口ほどに多くを語るのだとジャケットを並べてみると分かります。

とくに今作『ALL I WANT』の歌詞には「触れる」ことが重要な意味を持っています。

どのように大人な恋と「触れる」が関わってくるか、歌詞の意味を考察していきましょう。

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2人は友達だけどさ
他には何も言えなくて
あの2人きりの夜から
ずっと君に触れてたくて
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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不服そうな始まりです。

「友達だけどさ」の、この「だけど」の続きは「何も言え」ません。

ただ、理由は分かっています。

「あの2人きりの夜から」「君に触れてたく」なってしまったんです。

続く歌詞で、それは「心から恋をし」たからだと自覚しています。

恋をしたけれど、関係性は友達で「他には何も言え」ません。

その理由が次の歌詞でほのめかされます。

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世間の目がまた悩ましいね Anyway
Hey I keep falling down
君を照らす月明かりが Mood
I'm still in love
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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「世間の目がまた悩ましいね」と言っているため、「2人は友達だけどさ」の続きを言えない理由には「世間の目」が関わっているようです。

とはいえ、「Anyway(ともかく)」と続いていますので、本人は世間の目より「君」を優先したがっていることが伝わってきます。

その後に「Hey I keep falling down(ねえ、私は落ち続ける)」「I'm still in love(私はまだ恋をしている)」と英語で自分の恋する状態を表現します。

『ALL I WANT』の歌詞はまっすぐ伝えるには躊躇してしまう気持ちを英語にして秘してしまうところがあります。

子供なら無邪気に言えたことが、大人になると躊躇してしまう。

英語の歌詞を読み解くことで見えてくるものは、まだ子供の部分を残した歌詞の語り手の心持ちです。

不服そうな「友達だけどさ」


大人になりきれていない心の持ちようをとくに表現しているのがサビのフレーズです。

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子供には真似は出来ない君との恋をして
不純だらけ不成立だけどさ君にさ触れたくて
All I want u all I need u
Show me now baby your love
All I want u all I need u
Yeah I'm still deep in your love
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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「子供には真似は出来ない」は過去の自分のことでしょう。

歌詞の冒頭部分にあった「あの2人きりの夜」から、歌詞の語り手は大人になりました。

少なくとも「君との恋」において、自分は大人だと自覚しています。

けれど、気持ちは大人に変わっても、「友達」でいることや「世間の目」は変わりません。

子供の時は純粋だった気持ちが「不純だらけ」になり、同時に完全な大人になれるわけでもないために「不成立だけど」、それでも君に触れたいと語り手は願っています。

ここでも「だけどさ」です。

「友達だけどさ」「不成立だけどさ」。

不服そうです。

友達でいることも、不成立なことも子供みたいに納得できずにいることが歌詞からは伝わってきます。

それでも、語り手は触れたいという欲求には抗えません。

続く英語の歌詞で語り手は

「All I want u all I need u(私が望むのはあなただけ、私が必要とするのはあなただけ)」

「Show me now baby your love(今、あなたの愛を見せて)」

「All I want u all I need u(私が望むのはあなただけ、私が必要とするのはあなただけ)」

「Yeah I'm still deep in your love(ああ、私はまだあなたの愛に深く浸っている)」

と本音をぶちまけます。

私が望むのはあなただけ、私が必要とするのはあなただけ」と。

英語になると、純粋な子供の気持ちに戻っている部分が非常に興味深いです。

また、ここで初めて「今、あなたの愛を見せて」とも言っています。

本音は自分と君だけの世界で、互いの愛の中に浸っているような関係を求めています。

しかし、現実はそう都合よくは行きません。

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知らないフリできないよ
冷たい態度でも触れたいの
上手くは言えないよ
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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世間を前にした時、君は「知らないフリ」をして、「冷たい態度」をとって上手いこと自分との関係性を濁してくれたのでしょう。

本来であれば、歌詞の語り手も「君」に倣うべきです。

しかし、「知らないフリ」もできず、「冷たい態度」も取れず、「上手く」も言えません。

重なり合うように、ではない


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君が隙間を埋めてく好き
次々じゃなくあの日の続き
理想と現実 狭間で君との
残すまた2人だけのイメージ
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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「君」と呼ばれてる人はちゃんと歌詞の語り手のことが好きです。

ただ、それは「隙間を埋めてく好き」であり、勢いをつけて次々と進んでいくようなものではありません

そして、「あの日の続き」とは歌詞の最初にあった「あの2人きりの夜」なのでしょう。

君は結局、歌詞の語り手が「友達だけどさ」と言いたくなるような関係性を引きづっています。

2人は両思いなのに、お互いに望んでいることは異なります。

歌詞の通り「理想と現実」その狭間で「君と」過ごします。

それを歌詞の中では以下のように表現しています。

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重ねるように夜を越して
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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あくまで「重ねるように」です。

重なり合うように、ではないところに上手く行かない恋に対する不服感が現れています。

それでも、2人は夜を越します。

「少し危険で危ない」の「少し」。


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ワザとだと知りながら見落として?
惚けたフリして惚れ込んで
また君と2人きり今夜だけ
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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「ワザとだと知りながら」や「惚けたフリして」と子供っぽい振る舞いをして見せます。

さきほどの「重ねるように」とあったように、歌詞の語り手が君に合わせて冒頭の「友達だけどさ」と思った「あの2人きりの夜」のように、2人は過ごしたのでしょう。

そして、そんな時間に対して、せめてもの抵抗とも言いたげに語り手は「今夜だけ」と付け加えます。

次に過ごす夜には自分の理想通りに過ごすんだ、と思っているのでしょう。

そして、次のような歌詞へと突入します。

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子供には少し危険で危ない恋をして
矛盾ばかりで無茶苦茶だけどさ君がさ恋しくて
≪ALL I WANT 歌詞より抜粋≫
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この恋は子供には「少し危険で危ない」のです。

恋する相手とは言え、夜を共にするのですから、そこには「危険」が潜んでいます。

ただし、「少し」です。

この危険で危ないことになることを語り手は期待してしまっているのでしょう。

だから、続く歌詞は「矛盾ばかりで無茶苦茶だけど」となります。

こんな混乱した感情をどう表現すればいいか、それが「君がさ恋しくて」です。

この混乱も君からの愛があれば、すべて解決するのです。

少なくとも歌詞の語り手はそう思っています。

しかし、歌詞は最後まで本音を秘めて英語で「Yeah I'm still deep in your love(ああ、私はまだあなたの愛に深く浸っている)」と言うのみです。

私が望むことは触れること。

この曲のタイトルは『ALL I WANT』です。

邦訳は「私が望むこと」です。

子供と大人の狭間で、おそらく初めて沸き起こった感情、それが「触れたい」だったのでしょう。

それが望むことなのに、どう振る舞えば「不純」でなく「不成立」でない状態で触れられるのか分からない。

分からないまま、この曲は終わります。

大人の恋がどのようなものか、一言で表せられるものではないでしょう。

ただ、すっきりと分かりやすいものばかりではないことは分かります。

ぜひ、『ALL I WANT』を聞いて大人の恋とは何か思いを馳せてみていただければと思います。

2001年6月25日生まれ。かに座。O型。愛知県出身。 2015年8月、欅坂46の一期生オーディションに合格。 CDデビュー以降センターポジションを務め、2020年1月まで欅坂46の中心メンバーとして活動。 2018年9月公開の映画『響 -HIBIKI-』では映画初出演にして初主演を果たし、「第42回日本アカ···

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