RYOKIが主演映画主題歌の作詞を担当!
BE:FIRSTのRYOKIとしても活躍する俳優・三山凌輝と、演技力が高く評価されている乃木坂46の久保史緒里がW主演を務める映画『誰よりもつよく抱きしめて』。『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が新堂冬樹の同名恋愛小説を映画化したもので、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』のイ・ナウォンが脚本を担当しています。
強迫性障害による潔癖症のために同棲する恋人にすら触れることができない絵本作家の水島良城と、良城の病気に理解を示しながらも複雑な思いに揺れる恋人で書店員の桐本月菜との関係を中心に、触れ合うことがままならない男女の恋心が交錯するさまを描いたラブストーリーです。
その主題歌には、BE:FIRSTの書き下ろし楽曲『誰よりも』が起用されています。
BE:FIRSTの楽曲史上初となる日本語タイトルとなっており、RYOKIとSKY-HIがタッグを組んで作詞を手がけています。
強い愛と自身の不甲斐なさによる葛藤がストレートな言葉で綴られた珠玉のバラードソングです。
どのように想いを表現しているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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二人の運命の先は
どこに消えてゆくのだろう
さざ波や 海の景色さえも
瞳に映す余裕すらもない
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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1番では触れ合えないという事実が重くのしかかり、自分たちの未来を不安視していることが読み取れます。
互いに愛しているから関係が末永く続いてほしいのに、運命の先がどこかに消えていくように感じてしまいます。
「さざ波や 海の景色」のような美しく壮大な情景さえ「瞳に映す余裕すらもない」ほど、自分のことで精一杯です。
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もう少しだけ強ければ
何気なく笑いあった日も
向き合って 泣き怒った過去に戻れるかな?
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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パートナーとの関係がうまくいかないとき、「もう少しだけ強ければ」と自分を責める気持ちが生じることもあります。
自分の抱えている病気や不器用さが影響している場合には特にそうでしょう。
今では「何気なく笑いあった日」の穏やかな時間が懐かしく思えているようです。
「向き合って泣き怒った過去」も素直に感情をぶつけ合えたという証拠だと思うと、そうした時間の価値が身に染みて分かってきます。
弱さをさらけ出したときに心の距離は近づく

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気付いてた いつの日からだろう
心の城崩さぬように
怖いんでしょう? それだけでも言えたら
地平線は近づくのかな
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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2番では、自分の弱さを正直に告白しています。
「心の城」とは自分の心を守るために築く壁のことでしょう。
誰もが心を痛みや傷から守るために「心の城」を持っているものです。
しかし、それが壊れることに臆病になりすぎるとその城の中に自分を閉じ込め、他人を遠ざけて孤独になってしまいます。
それこそが自分の弱さだと本当は気づいていたのに認められず、解決を後回しにしたせいで愛する人との距離も遠くなっています。
「怖いんでしょう?」と自分自身に問いかけられる強さがあれば、「地平線」のように手が届かないほど遠く見える心の距離も近づくのかもしれません。
そうしたいのに一歩踏み出せず葛藤する気持ちが感じられます。
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遠のいてくその距離に
間に合うかは もう分からないけど
どうしようも無い、溢れる感情が僕をただ...
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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触れ合うことはできなくても心では繋がっていたはずなのに、今やその心の距離も明らかに遠のいています。
これから行動を起こしても「間に合うかはもう分からない」状態です。
それでも心の中には変わらない愛情があります。
「どうしようも無い、溢れる感情が僕をただ...」という言葉から、たとえ心の城が壊れて傷を負うことになるとしても自分の正直な想いを伝えようと立ち上がる様子が見えてきますね。
はぐれないように手を繋いでいよう

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抱きしめたい
君だけ
触れられない
痛みすらも
生きている意味 ただ一つさえ
君がくれるの 遠く見えても
消えない
願いや
守りたい
想いが もう
この広い世界 広い空 はぐれない様に
手を繋いでいよう
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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サビでは「抱きしめたい 君だけ」とストレートに告げられています。
愛しているから触れたいと思い、誰もが当たり前にするように抱きしめて気持ちを伝えたいと願います。
しかし「触れられない」から、相手の「痛みすらも」理解してあげられないもどかしさを感じるのでしょう。
愛は複雑で、伝わらないからといって愛がないわけではありません。
心の中では「生きている意味 ただ一つさえ君がくれるの」と思っています。
君がいてくれるからつらくても生きていけるんだという強い愛が伝わってきます。
日々の忙しさや自分の弱さのために、「消えない願いや守りたい想い」を見失ってしまうこともあるでしょう。
何かを成し遂げて「この広い世界 広い空」に羽ばたいたとしても、大切な人や想いとはぐれてしまっては無意味です。
だからこれからははぐれないように「手を繋いでいよう」と伝えています。
自分にできる方法で開いた距離を埋め、隣り合って一緒に未来へ進んでいきたい気持ちが表現されていますね。
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この広い世界 広い空 はぐれない様に
二人で始めよう
≪誰よりも 歌詞より抜粋≫
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楽曲のラストでは「二人で始めよう」と歌われています。
愛しているからこそすれ違ったりぶつかったりして問題が生じますが、二人の未来のためにここから新たに始めたいと前向きに決意していることが読み取れるでしょう。
自分自身や相手の弱さを受け止めつつ「抱きしめたい」という真っ直ぐな気持ちで向き合うとき、二人の未来はきっと良い方向へ進んでいくはずです。
BE:FIRSTが織り成すハーモニーが心に沁みる
BE:FIRSTの『誰よりも』は、ほかの誰よりも大切な人への強い愛情が込められた楽曲です。腕を広げて相手を抱きしめるように、心を開いて自分と相手を受け入れることの大切さを教えてくれます。
映画『誰よりもつよく抱きしめて』の繊細な世界観とのマッチにも注目しながら、歌詞に表現されている等身大の想いと心のこもったハーモニーを感じてください。