はなわの楽曲提供によりハリウリサが歌手デビュー!
ダウンタウン浜田雅功のものまねタレント・ハリウリサが、2024年5月30日リリースのオリジナル曲『ヴィルマ』で歌手デビューしました。元々歌手志望だったハリウは、3月31日放送のフジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』の企画「サビだけカラオケ」で美声を披露し、見事10連チャンを達成。
5月29日放送の『FNS鬼レンチャン歌謡祭』にて『ヴィルマ』をフル尺で生歌唱し、反響を呼びました。
『ヴィルマ』はハリウの母の名前で、2022年にサプライズで贈るためにはなわに作詞作曲を依頼して制作された楽曲です。
歌詞はハリウと母親の実話に基づいており、感謝の気持ちが綴られています。
どのような内容なのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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私の母の名前はヴィルマ
フィリピンから日本へやってきた人
幼い兄弟養うため 言葉も話せない見知らぬ国へ
そんな異国で生まれて初めて 恋に落ち私を産んでくれた
誰よりも深い無限の愛で 貧しくても笑顔で育ててくれた
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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1番冒頭では、母親のことと自分自身との関係が紹介されています。
ハリウの母親はフィリピン人で、「幼い兄弟養うため」に「言葉も話せない見知らぬ国」日本にやって来たそうです。
そして「生まれて初めて恋に落ち」、やがて娘のリサが誕生しました。
「誰よりも深い無限の愛で 貧しくても笑顔で育ててくれた」というフレーズから、温かくて優しい母親の愛情とそれに対する感謝の気持ちが感じ取れます。
いつも変わらない母親の愛

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ヴィルマ でも私は
片言でしか話せない貴方を
同級生がからかう度に
恥ずかしくて恨んでいた
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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しかし、ハリウ自身は母親の愛にいつも応えられていたわけではありませんでした。
日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれ日本で育ったハリウは、「片言でしか話せない」母親のことを同級生にからかわれた経験があるようです。
周囲には海外にルーツのある子どもが珍しく、変わり者のような扱いをされていじめられたため、その度に恥ずかしく感じ母親を「恨んでいた」とさえ歌っています。
母親自身を嫌う気持ちはなくても、周囲から受け入れられないつらさから母親のことを避けてしまうのは仕方ないことかもしれません。
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私にはずっと誰にも言えず 一人悩んでいたことがあった
身体は女 心は男 理解が出来なくて消えたくなった
そんな私を母は知っていて 抱きしめて明るく話してくれた
「愛は自由よ それでいいんだよ 何にも悪いことしてないのだから」
ヴィルマ そう私は
周りと違う貴方を恨んだのに
周りと違う私の側で
味方でいてくれました
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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成長していくにつれ、自分のセクシュアリティについて大きな悩みを抱えるようにもなったそう。
歌詞には「身体は女 心は男」とありますが、性を限定しないXジェンダーが最も近い印象だと話しています。
自分自身でも「理解が出来なくて消えたくなった」ハリウは「ずっと誰にも言えず 一人悩んで」いました。
そんな中、母親はその悩みに気付いていて「愛は自由よ それでいいんだよ 何にも悪いことしてないのだから」と話してくれたようです。
かつて自分は「周りと違う貴方を恨んだのに」、母親は「周りと違う私の側で味方でいて」くれた。
決して変わらない母親の寛大な愛の温もりに感動を覚える様子が伝わってきます。
心を救う「愛してるよ」の言葉

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時に貴方の愛の重さに耐えきれず大喧嘩
Why don't you understand?
My life only once.
普通の幸せ願う母 夢を追いかけたい私
互いに譲れず母から逃げるように 家を出た
一人で生きていく
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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母親の愛が深いゆえに「愛の重さに耐えきれず大喧嘩」することもあります。
将来を決める際、「普通の幸せ願う母」と「夢を追いかけたい私」の間で意見がぶつかったようです。
母親が子どものことを心から想って「普通の幸せ」を願うのは当然のことです。
それでも子どもの側からすると、「Why don't you understand? My life only once.(なぜ分かってくれないの?私の人生は一度きり)」と思うのもまた当然の感情です。
結局「互いに譲れず母から逃げるように 家を出た」ハリウは、「一人で生きていく」と決めました。
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ヴィルマ そうあの日から
ローマ字だらけのライン気付きながら
意地を張って素直になれず
見てない振りしてました
ヴィルマ でも私が
仕事終わり深夜家に帰ると
ドアノブにかかるフィリピン料理
涙が込み上げてきた
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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その日から、母親は「ローマ字だらけのライン」でハリウを気遣い愛を示し続けていました。
ハリウはそれに気付きながらも「意地を張って素直になれず見てない振り」をしていたそうです。
それでも母親が諦めることはありませんでした。
ハリウが仕事を終えて深夜に家に帰ったある日、ドアノブにフィリピン料理がかかっているのを見て「涙が込み上げて」きます。
拒まれても自分のできる方法で愛を表し、決して一人ではないことを示す母親の強い想いが届いた瞬間です。
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数ヶ月ぶりに母への電話
なぜかドキドキしてボタンを押した
母はいつもの明るい声で
言葉が出ない私に一言 「愛してるよ」
≪ヴィルマ 歌詞より抜粋≫
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緊張や感動でドキドキしながら「数ヶ月ぶりに母への電話」をかけることに。
電話に出た母親の気取らない「いつもの明るい声」にどれほど安心感を覚えたことでしょう。
言いたいことはあるのに言葉にならないでいたハリウに、母親はただ「愛してるよ」と言います。
シンプルな言葉ですが、ほかのどんな言葉よりも母親の人柄や想いを真っ直ぐに伝えてきますね。
家族に感謝を伝えたくなる愛の歌
ハリウリサの『ヴィルマ』は、母親が与え続けてくれた大きく深い愛へのあふれる感謝が込められた楽曲です。誰よりも親しい関係だからこそ、気持ちをうまく伝えられなかったりぶつかったりしてしまうこともあります。
それでも無償の愛で包み込んでくれる母親に、あなたもこの曲のように素直に感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。