milet出演「知らないカノジョ」の主題歌
映画『知らないカノジョ』は、中島健人主演、三木孝浩監督による感動的なラブストーリーで、miletが映画初出演を果たし、ヒロインを演じています。その主題歌『I still』は、milet自身が作詞・作曲し、TomoLowが編曲を担当しています。
物語は、大学時代に一目惚れして結婚したリクとミナミのすれ違いから始まります。
リクは人気作家として成功する一方、ミナミは歌手の夢を諦めていました。
ある日、リクが目覚めると世界が一変します。
彼は無名の編集部員となり、ミナミは大人気のシンガーソングライターになっていたのです。
主題歌『I still』は、愛と別れ、そして再生をテーマにした感動的なメロディが特徴ですが、その歌詞はどのように映画とリンクしているのでしょうか。
歌詞を紐解きながら考察していきます。
知らない世界で、あなたの名を呼ぶ

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あなたがいて私がいる
二人だけの世界みたい
名前を呼んでいたいよ
消えちゃいそうな気がしたから
こんな鮮やかに映るよ
あなたがいる世界
魔法みたいだね
いつか解けてしまうかな
≪I still 歌詞より抜粋≫
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歌詞には、あなたのいる世界や二人だけの世界、消えちゃいそうな気がしたなどのフレーズがあり、これはまさに『知らないカノジョ』における主人公の状況と重なります。
リクは元の世界ではミナミと結婚していましたが、別の世界へ飛ばされたことで、彼女は知らないカノジョになってしまいました。
リクにとって、ミナミが存在していた世界はまるで魔法のように儚く、今にも消えてしまいそうなものに感じられたのでしょう。
映画のストーリーでは、リクはミナミと元の関係に戻りたいと願いながらも、ミナミとは別の人生を歩む世界が始まります。
魔法みたいというフレーズは、新たな世界での現実の不思議さや、かつてのミナミとの関係がまるで夢のように感じられることを象徴しているように思えます。
また、いつか解けてしまうかなという一節は、さらに別の世界の存在を示唆しているかのようです。
それすらも儚い夢のようなものなのかもしれません。
リクは別世界で再びミナミに出会い、彼女の人生に関わろうとします。
しかし、その世界のミナミにとって、リクはただの知らない人です。
それでも、リクにとって彼女はミナミであり、彼女の名前を呼び続けたいと願っています。
この想いは、名前を呼んでいたいよという歌詞と深く共鳴するように感じられます。
もう一度、君に出会うために

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当たり前に隣にいた
奇跡はいつの間にか
自分勝手どうして逸らして
霞ませてしまっていた 愛
流されないで 泣いてしまっても
嘘つかないで 笑ったあなたじゃなくても
I loved, I love
今度は離さないでね
≪I still 歌詞より抜粋≫
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当たり前に隣にいた、奇跡はいつの間にかというフレーズは、リクとミナミが本来の世界で共に過ごした時間の尊さを象徴しているかのようです。
しかし、リクの自己中心的な態度が二人の関係を曇らせ、その結果、彼らの世界は失われてしまいました。
この点は、自分勝手 どうして逸らして 霞ませてしまっていた 愛という歌詞に表れているように思えます。
また、流されないで 泣いてしまっても 嘘つかないで 笑ったあなたじゃなくてもという一節は、リクが別世界のミナミと向き合う際の葛藤と重なるようです。
彼女はもはやリクの知るミナミではなく、『知らないカノジョ』になってしまいました。
それでもリクは、彼女をミナミとして求め、偽りのない心で向き合おうとしているのではないでしょうか。
そして、I loved, I love 今度は離さないでねという歌詞は、映画の結末とも深く繋がっているように推測されます。
交差する世界と揺るがぬ愛

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ここにいるよ 何度 さよならをしたって
愛したい 伝えたい 想いが溢れてるのに 今でも
忘れないでね ここにいるから
あなたとずっと
≪I still 歌詞より抜粋≫
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引用した歌詞全体からは、何度も辛い経験やすれ違いをしながらも、相手への愛を思い続ける気持ちが伝わってきます。
ここにいるから、あなたとずっとという表現には、相手とのつながりを信じる想いや、再び巡り合えることを願う心情が表れていると言えるでしょう。
ここにいるよ 何度 さよならをしたってというフレーズは、映画の中でリクが経験する異なる世界でのミナミとの別れを指しているようです。
元の世界では夫婦だったのに、別の世界ではまったく知らない関係になってしまい、リクは何度もミナミとの距離を痛感することになるのです。
そして、愛したい 伝えたい 想いが溢れてるのに 今でもという歌詞は、リクが別の世界のミナミに気持ちを伝えようとする葛藤を表しているように思えます。
たとえ元の関係がなくなっても、彼のミナミへの愛は変わらず、想いを届けたいと願っているのでしょう。
リクはミナミに対し、たとえ別の世界にいても、自分はここにいるや、君のことを想い続けているというメッセージを送り続けているかのようです。
ラストでその願いが叶うのか、ずっと一緒にいられるのかなど、歌詞には、さまざまな希望が込められているように感じられます。
エンディングどう迎える?
映画『知らないカノジョ』は、異なる世界に飛ばされながらも、ミナミへの愛を貫こうとするリクの姿を描いています。歌詞にあるここにいるよという表現は、リクの切なる願いと重なり、どんな状況でもミナミを想い続けていることを示しているように感じられます。
しかし、別世界のミナミにとって、リクは知らない人です。
彼の愛は一方通行のように見えますが、それでも彼は再びミナミと巡り合うことを信じ、物語は結末へと向かっていくのでしょう。
どうやら、単行本も発売されており、映画とは異なる視点で物語を楽しむことができるようです。
主題歌『I still』を聴くことで、さらに違った角度からリクとミナミの関係を感じ取れるかもしれません。