無邪気な表情の下に隠した危険な自分
BMSGとちゃんみなによるガールズグループオーディション「No No Girls(通称:ノノガ)」から誕生した7人組ガールズグループ・HANAが、2025年4月2日配信リリースの『ROSE』で待望のメジャーデビューを果たしました。2025年3月31日~4月2日に集計されたBillboard JAPANダウンロード・ソングによると、わずか1日で7,420ダウンロードを売り上げて首位を独走するという華々しい結果を残しています。
鋭いトゲを持つバラの花は高貴な佇まいと色鮮やかな美しさにより人々を魅了する一方で、危険で近づきがたいイメージも感じさせる花です。
そのバラをタイトルに冠したメジャーデビュー曲でどのような想いを伝えようとしているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。
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I'm playing all my cards I keep them close to my chest
It don't phase me when they all think I'm so innocent yeah
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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冒頭の英語詞では「私は全てのカードを使いこなし、胸に密かに抱えている」、「みんなが私を無邪気だと思っても全く動じない」と宣言しています。
これは戦略的に行動する姿勢を表しているのでしょう。
多くの魅力を持っていても、それをいつも全てさらけ出していては強みが弱みに変わってしまうことがあります。
だから自分の各カードを最も効果的な瞬間に出せるように、タイミングを狙います。
それによって周囲が自分のことを無邪気な少女と誤解するとしても、その程度のことでは動揺しません。
本当の自分は、自分自身が分かっているからです。
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I'm looking sweet but I'm all dynamite
Don't believe me when I say that I bite
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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この部分は「かわいく見えても内にはダイナマイトを秘めている」、「私が噛むって言っても信じないでしょ」と訳せます。
誰でも見た目には現れない複雑な本心を抱えているものです。
HANAのメンバーはみんな若くかわいらしい表情を見せますが、その心の中は過去の傷に痛み、その反骨精神からいつ爆発するか分からないダイナマイトのような危険を帯びています。
いつでも噛みつける準備はできていると言っているかのようです。
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Go ahead and try boy try your best
知られてる通り I'm dangerous
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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ここでも「さあ試してみなよ、ベストを尽くして」と挑発します。
「I'm dangerous(私は危険)」だと知られているのに、それでも挑みたいなら受けて立つつもりだという強気の姿勢が見て取れますね。
トゲは心を守って輝くための武器

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危ないの私は
But you know that the choice is yours
Oh you might regret if you take that step
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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この歌詞では、挑むかどうかを「選ぶのはあなた次第」だと語っています。
これは自分を受け入れない人に対する挑戦であるだけでなく、自分自身の本心と向き合う自信が持てない人への力強いエールにも感じられます。
「その一歩を踏み出せば後悔するかもしれない」と現実の厳しさを伝えつつも、後悔するほど全力で挑まなければ状況は変えられないと告げているかのようです。
周囲から“No”を突きつけられながらも自分を表現することを諦めず、オーディションに挑みデビューを勝ち取った彼女たちだからこそ伝えられるエールなのではないでしょうか。
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Just like a rose
トゲだらけの
My heart ain't yours
醜い世界でも
咲いた 花 泥だらけでも
I can't hide no more
with my beautiful thorns
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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バラのように「トゲだらけ」の心は、ほかの誰のものでもありません。
トゲは弱く脆い自分を守るためのものであり、自分らしくあるための武器です。
「醜い世界でも咲いた花」として自分の美しさを認めているので、そのトゲが一般社会に受け入れられないとしても構いません。
人を傷つけることは怖いですが、用い方を知っていればトゲも魅力に変わります。
「beautiful thorns(美しいトゲ)」と共に歩んでいくことを決めた彼女たちは、新しい強さを身に着けて堂々と進んでいきます。
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Yeah いつでも人は過ぎ去った
かれこれ時はだいぶ経った
え、あいつ咲いた? いや多分死んだ
このbaddestトゲは自分に刺してた
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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自分に見向きもせずに過ぎ去った人たち。
彼らのトゲのような言葉に何度も傷ついてきた過去があります。
しかし、人に投げつける言葉はやがて本人に刺さり、致命傷を負う結果になるでしょう。
だから周囲からの悪意ある言葉を気にする必要はないのです。
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If you wanna get closer you can't resist
Then baby move in get closer can you handle it
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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彼女たちは「もしもっと近づきたいならもう抗えない。もっと近くにおいでよ、耐えられる?」と人々に語りかけます。
自分たちの魅力に気づいて近づき始めたらもう抗えなくなる、と自信満々です。
自分自身を肯定する気持ちがその人を輝かせることが伝わってきます。
バラのように強く美しく咲き誇れ

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人らはしるよしもない
私のトゲを飲んで
起き上がれない今日も
生きてる事を憎んで
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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この部分からは、人生や心の複雑さが表現されています。
人を傷つければ自分も傷つき、起き上がることさえつらい毎日の中では「生きてる事を憎んで」しまいたくなるような瞬間もあるでしょう。
自分でも気づかないまま、そうした苦悩に苛まれてしまっている人もいるはずです。
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朝日は昇って but I can't see it
また眠りにつくこの現実に
汗や涙も枯れてきた頃に
まだ立ち上がる私を疑い
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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「朝日は昇って」朝が来ますが、起き上がれない自分には希望の象徴のような眩しい朝日を見ることができません。
多くの努力と挫折を経験し「汗や涙も枯れてきた頃」には、全てを諦めたくなるものです。
しかし、それでも彼女たちはまだ立ち上がります。
その不可解なほどの強さを人々は疑い、いつしか魅了されていきます。
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まだまだでもすくんだ足に
命がまだあるらしい
I can't give up まだこの世界に
ありがたいと思いたいらしい
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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足がすくんで動けなくなっても、命がある限りできることがまだあるはずです。
様々な苦悩の中にあっても「まだこの世界にありがたいと思いたい」という気持ちがあるから、彼女たちは決して諦めないと宣言しています。
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誰もいないなら私が fly high
多少の傷ならもう I'm alright
今から行くから心配いらない
I'm alive now like bloom bloom bloom bloom
≪ROSE 歌詞より抜粋≫
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ここでは「誰もいないなら私が fly high(高く飛ぶ)」と決意を言い表しています。
「多少の傷」くらいでは、彼女たちは止められません。
バラは誰も足を止めて自分を見てくれないとしても、そこで咲き誇り続けます。
それは誰かに注目されることではなく、咲き誇ることそのものが生きる理由だからなのでしょう。
彼女たちも「I'm alive now like bloom bloom bloom bloom(今、咲き誇るように生きている)」と語っています。
周囲が自分を受け入れてくれる人ばかりでなくても、自分で自分を認めて肯定し前向きに輝こうとする強い想いに力づけられますね。
HANAのパワフルな宣誓に注目!
HANAのメジャーデビュー曲『ROSE』は、自分自身をバラのような気高さと美しさを持つ存在として表現するパワフルな楽曲です。どのような過去を持っていても、諦めずに行動を続けていれば自分の人生を胸を張って誇れるでしょう。
彼女たちのこれからのアーティスト人生に向けた宣誓を聴きながら、一緒に自己肯定感を高めてくださいね。