Vaundyが描く 人生を「ミックスナッツ」に例えた世界
Vaundyの『人生はミックスナッツの組み合わせ』は、2025年3月26日に配信限定シングルとしてリリースされた楽曲です。CD化することにこだわっていないVaundy。
『人生はミックスナッツの組み合わせ』も各配信サービスで聴くことができます。
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人とはそれぞれの悲しいとこ
を詰め合わせたミックスナッツ
おすすめは 少しの塩とレーズンの
食べ合わせさ
ミックスナッツ
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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『人生はミックスナッツの組み合わせ』は、人生をミックスナッツに例えて表現しています。
ミックスナッツには、アーモンドやクルミ、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツなど、さまざまなナッツが入っています。
アクセントにレーズンや小豆が入っているものもあります。
素材を活かした素焼きのものや、塩で味付けしたものなど、メーカーによって味や中身は多種多様。
塩やはちみつ、チーズなどでアレンジする人もいますね。
Vaundyは、多種多様なミックスナッツを、それぞれの人生に例えて歌詞の世界を描いたのだと思います。
人生は、いろいろな経験や感情により構築され、うれしさ、悲しさ、楽しさ、辛さなどさまざまな感情がある。
それを甘さやしょっぱさ、硬さややわらかさの違いがあるミックスナッツに例えているのだと考察します。
主人公のおすすめは「少しの塩とレーズン」。
人によってこのおすすめは異なる、だからこそ人それぞれの人生なのだと言えるのでしょう。
「人生=ミックスナッツ×人間関係」

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家に着く頃には
さよならが恋しくなって
気がついた時には
僕に電話してくるさ
部屋に着く頃には
言いたいことをまとめていて
布団でさあの娘は
きっとウジウジしちゃってんだ
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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別れやすれ違いをイメージさせる1番Aメロの歌詞。
「あの娘はきっと僕に電話をかけてくるさ、うじうじしてるさ」と少し高を括った様子の主人公。
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朝にはあの娘はさ
慌てふためているさ
僕への言い訳を
追記してくるはずさ
でもなんだかそうだな
静かだな
ンー
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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しかし、2番Aメロでは、さよならにあわてふためいてるはずの、言い訳してくるはずのあの娘が何も言ってこない・・・シーンとした様子にとまどう主人公の姿が描かれています。
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でも 人とは それぞれの悲しいとこ
を詰め合わせたミックスナッツ
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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そして登場するミックスナッツ。
「それぞれの悲しいとこ」を詰め合わせて人生ができていることを、ミックスナッツに例えて表現しています。
そして、それぞれの人生=ミックスナッツを組み合わせる事で人間関係が構築される。
数式で言えば「人生=ミックスナッツ×人間関係」と表現してもいいかもしれません。
だから『人生はミックスナッツの組み合わせ』というタイトルにつながるのではないかと考察します。
さまざまな感情を「ミックスナッツ」で表現

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Ah 僕の 神がかった自尊心が
わたしの幸せをつくってんです
膨れ上がった謙遜が
膨れ上がった謙遜が
わたくしの心を守ってんです
神がかった静寂が
わたしの幸せをつくってんです
膨れ上がった悪党が
わたくしの心を守っていて
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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複雑に絡み合った感情が表現されています。
自尊心=プライドを持つことはたいせつです。
でもプライドが高すぎると人間関係に支障をきたすことも。
「神がかった自尊心」と表現していることで、主人公はきっと適切なプライドを持っているはず。
「謙遜」という言葉も出てくることから、適度に他人への配慮もできるはず。
でも「悪党」という言葉も出てくる。
表に出す出さないは別として、誰にも「悪」の部分があり、「善」だけでは済まないさまざまな感情を心の中に持っている、という事が描かれていると感じます。
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人生はどうにも
大嫌いなあいつと
いっぱいの変な汁でできている
理屈的にはきっとそう
大好きなあの娘も
いっぱいの変な汁を持っているはず
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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自分の人生は、好きな人嫌いな人含めてさまざまな関りがある。
それによって起こるさまざまな感情を「いっぱいの変な汁」と表現しているのではないでしょうか。
その感情によって起こる汗や涙など、物質的な物とのダブルミーニングでもあると考察します。
「大嫌いなあいつ」は、対・人間関係においての大嫌いな人物でしょうか。
それもあるかも知れませんが、主人公の中の醜い部分、悪の部分を描いているのかも、とも思いました。
表に出すか出さないかだけで、誰にもブラックな部分はあるもの。
「大嫌いなあいつは」主人公の中にいるのかも知れません。
そして、それを自尊心と謙遜が制しているのかもしれません。
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この先はもう2度と僕らは会えぬと
ねぇ そんなの理不尽で満ちている
だからもう行くよ あなたのもとへと
Ah いっぱいのミックスナッツと
一緒に
≪人生はミックスナッツの組み合わせ 歌詞より抜粋≫
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かかってこないあの娘からの電話。
もう2度と会えないのは理不尽と、自らあの娘に会いに行く主人公。
複雑に絡み合った感情=ミックスナッツを抱えて、あの娘に会いに行きます。
『人生はミックスナッツの組み合わせ』。
主人公とあの娘のミックスナッツは組み合わさって、この先どんな展開を迎えるでしょうか。
Vaundy「人生はミックスナッツの組み合わせ」は聴き手が自分の人生=ミックスナッツを思い浮かべられる楽曲
Vaundyの『ミックスナッツの組み合わせ』は、人生やさまざまな感情をミックスナッツに例えて描いています。主人公とあの娘の物語から、聴き手がそれぞれの人生や感情を思い浮かべることができるかもしれません。
ミックスナッツという軽やかな言葉で、人生をテーマにし、独自の音楽性で表現した、とても興味深い楽曲です。