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SUPER BEAVER「まなざし」歌詞の意味を考察!「信じる」という強さがつなぐ希望とは

SUPER BEAVERの新曲『まなざし』は、映画『金子差入店』主題歌です。『まなざし』とは一体誰のまなざしなのか。シンプルなテーマでありながら、聞く人の心に深く刺さるのはなぜなのか。歌詞を深掘りしながら、その理由を読み解いていきます。

SUPER BEAVER「まなざし」が見つめるものは

SUPER BEAVER『まなざし』は、2025年5月14日にリリースされた新曲です。

▲SUPER BEAVER-「まなざし」MV (映画『金子差入店』主題歌【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

5月16日に公開された映画『金子差入店』の主題歌に起用されたこの楽曲。

刑務所などへの差し入れ品を代行する『金子差入店』で働く「金子」の目を通して描かれる、罪を犯した人間と被害者。

殺伐としたテーマのように見えて、人との関わりの中で見えてくる温かさを描いた作品のようです。

『まなざし』で歌われるのは、「金子」のまなざしであり、彼を取り巻く人たちのまなざしであり、現代を生きるすべての人のまなざしなのでしょう。

罪を犯していようがいまいが、そこにあるのは人と人とのつながり

「刑務所」「差し入れ」という、難しいテーマを描いた作品の主題歌を飾るこの楽曲が訴えかけるものは何か。

歌詞の意味を徹底解釈しながら、そこに込められた思いを紐解いていきます。

温かみのある歌詞が現代社会を潤す


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朝まで付き合ってくれたことや
泣けるほど嬉しかったこと
ありがとう以外の言葉が
見つからなかったこと
くそみたいだと呟いても
僕は感動も知ってる
好きか嫌いかなら好きだよ
でも 優しさがもっと蔓延って
≪まなざし 歌詞より抜粋≫
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人生には理不尽なことも数多くあります。

「くそみたいだ」と吐き出したくなる日々があっても、この世のすべてを嫌いになれないのは、そっと寄り添って話を聞いてくれる誰かがいるから

自分の話に朝まで付き合ってくれたり、ただ黙って話を聞いてくれたり。

そこにいてくれるだけで心が救われることは、数多くあります。

「ありがとう以外の言葉が見つからなかった」その日は、かけがえのない宝物になるでしょう。

生きることに嫌気が差す日も、人を信じられなくなりそうな日も、「ありがとう」が溢れるその一瞬で報われるのです。

それでも「優しさがもっと蔓延って」と願ってしまうほどに、世の中には圧倒的に優しさが足りないのでしょう。

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折り合いつかない憤りを
割り切らないで真っ当に
悩んで踠くから笑える
継なぎたいのは心意気だ
≪まなざし 歌詞より抜粋≫
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折り合いがつかないことなど、生きていればいくらでもあること。

その一つ一つに真剣に向き合うことは大変です。

大半の人は、仕方のないこととして受け流してしまうかもしれません。

そうはできない不器用さがあるから、もがいて、苦しむ

そんな生きにくさも、まっすぐに生きようとするからこそです。

不器用だと切り捨てるのではなく、その心意気を褒め称えるような歌詞が温かいですね。

「信じる」という強さがつなぐ希望


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まなざしよ まなざしよ
騙し絵みたいな今日に
足りていないのは愛だよ
もう 生々しい意味で
まなざしを まなざしを
抱きしめたらわかる
希望になり得るのも
愛を伴う情だって信じたい
信じる以外に希望はない
≪まなざし 歌詞より抜粋≫
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「まなざし」という言葉に、誰かが誰かを見つめる温かさを感じます。

ただ見つめているのではなく、愛を持って見つめる「まなざし」

殺伐とした日々や、乾いた人間関係。

心と心のつながりを感じにくくなっている現代社会にこそ、愛が必要なんだと叫んでいるようです。

人間関係が希薄になればなるほど、信じるということが愚かしいことに思えてきます。

しかし、信じる以外に、この窮屈な世界から抜け出す術はないのでしょう。

息苦しいこの世界から解放してくれるものは、やはり愛であり、「信じる」ことなのです。

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まなざしよ まなざしよ
時代を揶揄する前に
まなざしよ まなざしよ
誰から変わるんだ
ねえ 強く優しくなりたい 強く優しくなりたい
恨みを継ないでもいいことなんて
何一つないだろう なあ
≪まなざし 歌詞より抜粋≫
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希望を見いだしにくい時代だからこそ、信じるよりも先に揶揄 (やゆ)してしまう人は少なくないでしょう。

希望を見いだしても失望することが多いからこそ、揶揄することで正面から向き合うことから逃げているのかもしれません。

信じるという行為は素晴らしいですが、怖いことでもあります。

世間を斜めから見て、揶揄している方が楽だから。

そうやって自分の身を守っている人もいるでしょう。

しかし、勇気を持って優しさを持つことで、人はもっと強くなれるのかもしれません。

強く、優しくあることは簡単なことではないけれど、「強く優しくなりたい」と願うことは素敵なことです。

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継なぎたいのは心意気だ
継なぎたいのは
≪まなざし 歌詞より抜粋≫
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疑うよりも信じること。

優しくそばに寄り添うこと。

この歌に込められたメッセージは非常にシンプルで、強いものです。

優しくあるためには強さが必要で、強く優しい心が、人をつないでいく。

希望の見えにくい世界で、どうにか前を向いて生きていくためには、人と人のつながりが不可欠です。

希薄になってしまったつながりを再生させるものこそが優しさであり、信じることなのだと、まっすぐに歌い上げるSUPER BEAVERの『まなざし』。

温もりのあるボーカルとシンプルな歌詞が、心に刺さります。

「まなざし」というタイトルに込められた意味

犯罪を犯した人間と向き合う時、人はどうしても拒絶反応を起こしがちです。

罪を犯すことは悪いことですが、それがその人のすべてではありません。

刑務所の中と外で断絶されるのは、距離だけではなく人の心も同じ。

SUPER BEAVERの『まなざし』は、そうやって相手を排除、拒絶するのではなく、心と心で向き合うことの大切さを説いているのではないでしょうか。

日常でも、理解し合えない相手はいます。

そんな時、切り捨てるのではなく向き合おうと努力するだけでも、その人の見え方や関係性が変わってくるかもしれません。

心を開かないと、相手の心も見えてこないもの。

勇気を持って、愛を持って、「信じる」ということをしてみたら、世の中にはまだ、多くの希望が溢れている。

そんな小さな光をくれる楽曲です。

殺伐とした時代だからこそ、自分を守る殻に閉じこもるのではなく、心を開いてみることが大切なのかもしれません。

人は、まだ信じ合うことができる。

そう信じさせてくれる楽曲です。

SUPER BEAVER(スーパービーバー)。 渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“35才”広明(Dr)の4人によって2005年に東京で結成された。 2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。 2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、···

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