誰もが人生の主人公であり脇役
SUPER BEAVERの『主人公』は、2025年7月2日にリリースされたシングル曲。フジテレビ系の朝の情報番組「めざましテレビ」のテーマソングで、自分が人生の主人公なのだというメッセージが込められた楽曲です。
それと同時に、誰もが脇役であるということにもスポットが当てられています。
自分の人生では自分が主人公、誰かの人生では自分は脇役。
互いを認め合うことの大切さを感じます。
日常の中の救い

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優しさでも くだらなさでも おいしいものでも メロディでも
心がふと笑えるような 救いのある日々を願った歌
知らない場所 知らない人 誰しも脇役で 主人公
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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日常の中の救いが描かれています。
日常には辛いことも悲しいことも起こるけれど、小さな喜びや楽しみが人生を豊かにする、というメッセージを感じます。
誰もが人生の主人公。
誰かの人生では、自分は脇役なのだと認識できます。
だからこそ、人それぞれが自分と他者を大切にすることの重要性を感じる歌詞です。
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待ち侘びたのか 眠れぬまま迎えたのか 白む空
雨 風 晴れ 窓の外 どう見るのか きっとみんな違うな
めぐりあって 好くなった 未来のイメージがあったり
急に居なくなったり それでも僕らの 腹は鳴ってしまう
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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人それぞれ感じ方は違うのだと認識することで、他者を受け入れることができるのではないでしょうか。
自分にとっての正解が他者にとっての正解とは限らない。
朝は誰にも訪れるけれど、同じ朝でも感じ方は人それぞれ違うもの。
天気ひとつとっても自分の好きが他者の好きとは限らない。
正解はひとつではないことを示しているのだと思います。
人生において、良いことも悪いことも巡って日々は続いていく。
どんな時でもお腹がすいてしまうのは生きている証拠。
そんな毎日の繰り返しで人生は進んでいくのでしょう。
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「それはそれ、これはこれ」
等しくて だから 難しいよ
どん底 退屈 有頂天も 同じ朝に暮らす
銘々 ゆえに 想いたいな
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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この部分の歌詞では、現実と夢や希望とのギャップを描いていると感じます。
人生には不条理なこと、受け入れがたいことが多いもの。
簡単に現実を受け入れられればいいのだけれど、納得できない自分がいる。
誰もが抱えるそんな気持ちを「等しくて だから 難しいよ」と歌うことで、聴く人の心に寄りそってくれている、と感じます。
楽しい気持ちの人も、どん底気分の人も、みんな同じ朝を迎える。
人それぞれが、少し他者に思いやりを持つことで、世界が上手く回っていくのかもしれません。
「想いたいな」には、そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。
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優しさでも くだらなさでも おいしいものでも メロディでも
心がちゃんと泣けるような 救いのある日々を願った歌
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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冒頭のサビでは「心がふと笑えるような 救いのある日々を願った歌」が、1番のサビでは「心がちゃんと泣けるような 救いのある日々を願った歌」となっています。
泣いたり笑ったりできることの大切さを描いた部分であり、そんな「歌」にSUPER BEAVERがなりたい、というメッセージでもあると感じます。
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森ではなく 木を見るように 人を見たい ひとりとひとり
隠すように沈めた気持ち 掬い上げたくて この今を選んでいる
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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大きな森を形成しているのは1本1本の木々。
そんな風に、大きな集団ではなく、1人1人の人間を見たいという歌詞。
大きな集団では見えなかったことも、1人の人間にスポットを当てると見えてくることがある。
SUPER BEAVERの歌詞では、人とのつながりの大切さや、自分や他者を大切にすることの重要性を訴える歌詞が多くあります。
きちんと人と向き合うことで、より良い関係が築けると伝えたいのではないでしょうか。
主人公が選んだ「この今」は、希望に向かって進んでいる道だと感じます。
沈めた気持ちを掬いあげたくて選んだ「今」なのだから。
自分の気持ちに正直に進むことで、人生に意味を見出せるのかもしれない、と思わせてくれる歌詞です。
互いを認めあいそれぞれの人生を生きる

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働く その背中 原付の音 コーヒーの匂い
「綺麗」を司る 灯り一つ一つにも営み
行く人 帰る人 建て直す前の あの駅を想う
何だかんだ まあ 元気してるよ
会えないから 会いたい なんて
ああ、生きてるわ
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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日常にありふれた風景を切り取った歌詞。
この街にはこんなにたくさんの人がいて、それぞれの人生を過ごしている。
例えばサラリーマン、バイクに乗った配達員、コーヒーショップの店員。
なんだか、その人の人生を想像しただけでグッと込み上げるものがありませんか?
街を彩る灯りはとても綺麗で、その灯りの1つ1つにそれぞれの営みがある。
「森ではなく 木を見るように」と同じく、個々にスポットを当てた歌詞です。
今は立て直されて綺麗になった駅。
あの頃の駅で共に過ごしたあの人。
ふと、会いたい、と思う気持ち。
昔を思い出したり、あの人に会いたいと思ったり、生きている実感を素直に表現した歌詞は誰しもが共感できるのではないでしょうか。
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「それはそれ、今は今」
勤しもう 愛したいぜ 今日を
人の振りより まず我が振り
そして共に暮らす
銘々 ゆえに 想えるんだ
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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今を、今日を生きようという強いメッセージを感じます。
過去や未来を悔やみ心配するよりも、今が大切なのだという想い。
今に勤しみ、今を愛す。
それが明日へとつながる。
人のことをあれこれ言うよりも、まずわが身を振り返ることの重要性。
自分だけが正しいわけではない。
他者と共存するためには自己中心ではなく、他者を思いやることも大切。
共に暮らすとはそういうことかもしれません。
SUPER BEAVERの歌詞に一貫してある、人とのつながりが表れた部分ではないでしょうか。
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知らない場所 知らない人 誰しも脇役で 主人公
知っているかい?
世界の中心は 何時だって自分だよ
僕で、君で、あの人だ
≪主人公 歌詞より抜粋≫
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誰もが脇役であり主人公。
『主人公』で描かれるテーマです。
世界の中心はいつだって自分であり、他者から見れば脇役なのだということの重要性。
自分も他者も大切にしながら生きていく、というメッセージが込められていると感じます。
自分が主人公という楽曲は多くありますが、自分が他者から見れば脇役である、ということにもスポットを当てた楽曲はあまりないのかもしれません。
一貫して人とのつながりを描くSUPER BEAVERらしい楽曲と言えるでしょう。
「主人公」は朝に聴きたい前向きになれる楽曲
SUPER BEAVERの『主人公』は、誰もが自分の人生の主役であるというメッセージが込められた楽曲です。また、自分は誰かの人生においては脇役だ、ということにもスポットを当てています。
自分は主人公であり、誰かの人生の脇役である。
それを理解できれば、他者に思いやりを持って接することができます。
『主人公』は、互いを認め合い、それぞれの人生を生きることの大切さを歌っているのではないでしょうか。
『主人公』は「めざましテレビ」のテーマソング。
朝聴けば、きっと1日を前向きに過ごせるはずです。
SUPER BEAVER(スーパービーバー)。 渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“35才”広明(Dr)の4人によって2005年に東京で結成された。 2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビュー。 2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、···
