アイドルを目指した、7つの理由

――まずは皆さんがアイドルを目指した理由から教えてください。
浅桜はんな(以下、浅桜):私はありきたりだと思うんですけど、元々アイドルが好きで。自分がしんどい時期にアイドルさんの存在や歌に救われてきた人生でした。誰かを救うことって簡単なことではないからこそ、自分も誰かの生きる意味になってみたいなと思ったのでアイドルを目指しました。
藍瀬なぎさ(以下、藍瀬):私は、アイドルが好きで、いろんなアイドルさんを見ていて漠然とステージに立ってみたいと思い始めたんですけど……、実家が厳しくて、門限もあったりして、「アイドルになりたい」となかなか言い出せない状況。そんな時に推しのアイドルの特典会に行って「自分もアイドルになりたい」と言葉にしたんですけど、「今しか出来ないことをやった方がいいよ」、「アイドルにならないともったいないよ」と言葉をかけてもらって! そこから独学でダンスや歌を練習し始めて、オーディションを受けることを決意しました。
――親御さんの説得は大変だったのでは?
藍瀬:オーディションを受ける前にボソッと「アイドルのオーディションに行ってくる」という感じで反応を聞かずに家を出て(笑)。帰った時に、「応援するよ」と背中を教えてくれて。今でも味方でいてくれています。
――それは嬉しいですね! 森羅さんはどうですか?
森羅あんり(以下、森羅):私は物心ついた時からアイドルになりたくて。アイドル以外にやりたいものがなかったんです。なので、真っ直ぐに何も考えずここまで来たんですけど。いちばん影響を受けたアイドルさんが、ももいろクローバーZさんでパフォーマンスからもすごく元気をもらえるんですけど、本人たちがすごく笑顔で楽しそうにパフォーマンスされている姿に感動して、私も絶対にアイドルになりたいと思うようになりました。
――なんで物心ついた時点でアイドルだったんだろう?
森羅:保育園の時に将来の夢の絵を描きましょうというのがあって。アイドルの絵を描いた覚えがあるので、潜在的にアイドルになりたいという気持ちがあったのかなと……!
――じゃあ天職ですね! 星宮さんはどうですか?
星宮るな(以下、星宮):今しか出来ないことだったり、今やらなくて後悔することってなんだろうと考えた時に出てきたのが、アイドル。そこから今の事務所のオーディションを受けて、アイドルになったんですけど、元々アイドルは好きだけどダンスがすごく苦手なので
なろうという考えがなくて……。憧れの存在だったんですけど、後悔したくないなと思って目指しました。
――苦手なダンスは克服できました?
星宮:いや、いまだに苦手です(笑)。本当に大変ですけど、頑張ってます!
――みくるさんはどうですか?
来々みくる(以下、来々):あまりアイドルに興味はなくて、TVでも観ないしライブにも行ったことがなかったんです。なので、絶対に自分がアイドルになるとは思ってなかったんですけど、友達にアイドルのライブに連れて行ってもらって、その時「みくるは多分ここに立つんだ!」と閃いちゃって! そこからアイドルって何だろう?というところから入って、可愛いな〜、みくるもなる!という感じでアイドルになりました!
――実際にやってみてどうですか?
来々:こんなにキラキラした世界があったのか!と思いました。
――アイドルになると閃くまでは何になろうと思っていたんですか?
来々:管理栄養士です!
――おお! 思いっきり舵を切った感じですね(笑)。皐月さんはどうですか?
皐月きき(以下、皐月):私は、バンドが好きで、フェスやライブにたくさん行っていて、その中にBiSHさんがいて。BiSHさんを観て、可愛いだけじゃなくてカッコいいし、強さの中に弱さもある表現に惹かれて。コピーバンドをやっていたことがあったんですけど、ステージに立った時、全く知らない人が「すごくカッコよかった、心を動かされた」と声をかけてもらえて、もしかしたら私はアイドルの世界でかませるかもしれないと思ったんですよ。だから、かましてやろうと思ってアイドルになりました!
――バンド好きそうだもんね(笑)。何のコピバンをしていたんですか?
皐月:Hump Backです。ボーカルをしていました!
――いいね! 白發さんはどうですか?
白發ちゅん(以下、白發):私は誰かの頑張る理由になりたかったというのが大きい理由なんです。原体験としては、私もバンドが好きで、私の好きなバンドは必死に生きているバンドだったんです。アーティストって頑張っているところを見せないというイメージがあったんですけど、好きなバンドはめちゃくちゃ病んでいたし、SNSも常に荒れてたし。必死0い生きて歌っている姿、届けたいものを届ける姿を見て、私も自分が必死に生きることで、誰かの生きる理由になれたらいいなと思って、私にできることはアイドルだなと思いました。
――なんでアイドルだったんですか? バンドでもよかったのでは?
白發:軽音部にも実際に入っていたんですけど、しっくりこなくて……。自分の生まれ持ったものが、バンドで楽器を弾いて届けるより、自分の生まれ持ったものがアイドルで歌って踊って届ける方が、楽器を弾いて届けるより、向いているなと思いました。アイドルもバンドも同じ音y楽というフィールドだし、届けられるものは変わらない。私はアイドルで頑張りたいなと思いました。
フェルソノは個性が大渋滞?!

――それでは、ルシフェルの園。について教えてください。フェルソノはどんなグループですか?
星宮:まず魅力は、ルシフェルの園。はロックアイドルとして活動しているんですけど、みんな可愛いんですよ。見た目が可愛いので王道アイドルグループと間違えられるんですけど、それぞれが熱い思いを持っているんです。ライブではその熱い思いをファンの皆さんにぶつけるロックなアイドルグループ。そういう部分が魅力だと思います。
――なるほど。コンセプトもあるんですか?
星宮:コンセプトは、“主題歌ticロックサウンド”を武器に、誰かのではなく私の、そしてあなたの主題歌を歌うグループとして活動していて! 曲の雰囲気はアニメの主題歌をイメージすると分かりやすいかなと思います。ロックサウンドが武器なので、カッコいい曲はもちろんなんですけど、可愛い曲もあります。それぞれの曲に強いメッセージ性を込めているので、歌詞もしっかり読んで、聴いていただけたらライブでも感情移入することができて、盛り上がれると思います!
――素晴らしい! 分かりやすい説明!
星宮:ありがとうございます(笑)。
――みくるさんが感じるフェルソノの魅力はありますか?
来々:個性が強すぎて、ずっと一緒にいても飽きないくらい、1人1人がちゃんと色を持っているところが魅力ですね。
――個性が渋滞しているんだ!
来々:そうです! みんな違ってみんないいんです。話が尽きない、どんどん盛り上がっていくんですよね(笑)。
――仲良しということですね! 藍瀬さんはどうですか?
藍瀬:まだデビューしてから4ヶ月なんですけど、新人のフレッシュさというか、必死にライブやイベントに挑んでいる感じが魅力だと思います。
デビューから数ヶ月、充実感と確かな成長
――皆さんは藍瀬さんが言うようにまだデビューして4ヶ月しか経ってないんですよね。ちなみにインタビューは何回目ですか?浅桜:初めてです!
――記念すべき初インタビューなんですね! でも皆さんお話が上手! この4ヶ月間、どんな時間でした?
白發:毎日成長を感じているんですけど、毎月のように新しい曲が生まれ、振りを覚えたり、歌詞を覚えるというアイドルとして当たり前の作業を行う中、ビラ配りなどの広報活動もあって。普通に生きているよりやることが多いんです。サボっちゃうことも出来ると思うけど、サボらずにやることでアイドルとして、そして人として成長しているなと思うんです。“頑張る”の基準値がどんどん上がっているなと思います。あとはライブ本数も多い中で毎回全力で取り込むことでクオリティが上がっていることも実感出来るし、人生でいちばん充実しているなと既に感じています。
――KABUKIMONO'DOGsには努力家の先輩たちが多くいるし、負けてられない部分もありますよね。浅桜さんはどうですか?
浅桜:月に30本ライブをやっていると、本当にグループのことしか考えてないんですよ。今までは、雑念ばかりだったし、自分の時間もたくさんあった。でも、今は、どうすればもっとパフォーマンスが良くなるのか、ライブ映像を何度も見返したりするし、自主練も頑張ってる。いい意味で、1日の時間が長く感じます。充実しすぎています! ただ毎日必死です! 汗水垂らして、本気でやっています。
――濃密な時間になっているんですね。森羅さんはどうですか?
森羅:先月、TIFの全国選抜ライブの決勝や関ケ原唄姫合戦の予選会に出場したり。短い期間の中で二つの勝負事に挑ませていただいて。今回はどちらも敗退だったんですけど、挑戦を通してメンバーとパフォーマンスについて話し合ったり、メンバーの活動に対する思いを聞く機会が増えたんです。いい感じで士気が高まってきていて、すごく成長できた4ヶ月間だったなと思います。
――ちなみに森羅さんは勝負事が好きなタイプですか?
森羅:いや、私は体育会系ではないので……、あまり得意ではないんですけどフェルソノで初めて勝負事に挑んで、来年は絶対に!という思いが芽生えていて。人生で初めて勝ちたいと思っているかもしれないです。
――なるほど。きっとこの4ヶ月でたくさん成長したと思うんですが、具体的にどのように成長したか、言葉にするなら皐月さんはどうですか?
皐月:私は目立ちたがり屋だから、有名になりたいとずっと思ってたし、「私を見ろよ!」とずっと思ってきてて。でも、今は「見ろよ!」という気持ちだけではなくて、「あなたがいるから頑張れている」と思うようになったし、応援してくれている人のために届けたいと思うし、見てくれている人のことを考えるようになりました。人に届けることが私たちに出来ることだと思うから、そういう意味で成長できたかなと思います。
――みくるさんはどうですか?
来々:二つあるんですけど、一つはメンタルが強くなりました。元々めちゃくちゃ弱くてすぐ泣くし、1日1回は絶対泣いているんじゃないかくらいメンタルは弱くて(笑)。でもアイドルをしていたら今までの生活以上に考えることがたくさんあるし、病んでいる暇がないんですよね。泣いてる暇なんてないし、もっとポジティブにという思考になってから泣かなくなりました! あとは、誰かに感謝する気持ちを持てました。
――それまでは感謝の気持ちはなかった……?
来々:いや! もちろんありましたけど、今まで以上にそう思うというか(笑)。ファンの方、メンバー、皆さんに本当にありがとうという気持ちが溢れています。
――(笑)。藍瀬さんはどうですか?
藍瀬:プレデビューをしたのが、昨年の12月30日だったんですけど、初めてステージの映像を細かく見返していると、自分で恥ずかしくなるくらいのパフォーマンスで。そこから比べるとグループ的にも個人的にもすごく成長している。歌やダンスが目に見えて分かるくらい上達していると思うんです。歌もダンスも未経験だったんですけど、努力を続けることによってこんなにも変わるんだと思ったので、これからも継続していきたいです。
――それはいい原体験ですね。数ヶ月後、さらに成長して今のパフォーマンスを恥ずかしくて見てられなくなるかもしれない。
藍瀬:確かにそうですね! それを目指したいです!
独自性のあるグループに成長したい

――日々成長を続けるフェルソノですが、これからグループとして、個人として、どんなところを伸ばしていきたいですか?
白發:グループとしては私たちにしか出来ない音楽を追求していきたいなと思っていて。独自性みたいなものを持ちたい。グループの魅力にも繋がるんですけど、本当に個性的なメンバーが集まっていると思うんです。そこを磨いて、曲を聴いた時に「フェルソノっぽい曲だね」と言われるような一つのジャンルとして確立していきたいです。個人としては、パフォーマンスをもっと磨いて実力派の仲間入りをしたいです。
藍瀬:グループとしては一体感のあるライブを創造していきたいです。その先には、ツアーや大きい会場でのワンマンライブを目標にやっていきたいです。個人では、Zeppツアーがやりたいと思っていて。私がアイドルになりたいと思ったライブの会場がZepp Shinjukuだったので、これから頑張って私もその舞台に立てたらいいなと思っています。
森羅:ソロでもやっていけそうなくらいみんなが魅力的ではあるんですが、みんなが集まった時にいちばん最強になるグループを目指したいです。個人的には、フェルソノは自分とあなたの主題歌を歌うグループなんですけど、私はまだ楽曲について行っている感覚なので、もっと歌やダンスの経験を積んで、自分の言葉のように曲を表現できるようになりたいです。
――今、“ソロ”という言葉が出たけど、「グループはもちろん、ソロ活動にも力を入れます。好きなことをやってもいいです」と言われたら、何がやりたいですか?
森羅:私は、可愛いものも好きなので、フリフリとかを着て可愛い歌も歌ってみたい…(笑)。ただ、すごく声が低いのでフェルソノが合っているんだなと思いつつ、機会があれば可愛いアイドルな自分も魅せたいです。
――皐月さんはどう?
皐月:え?! 大暴れしたいです! バンドを背負って歌いたいです!
――いいですね! みくるさんはどう?
来々:私はソロで歌うのは下手くそで自信がないので、ダンスをいっぱい踊りたいです!
――演技をやりたいという人はいない?
皐月:やりたい! やりたい!
浅桜:アイドルになる前に、女優を目指していたので、やりたいです!
藍瀬:それこそ、寸劇とか上手いよね?
浅桜:やめて! 恥ずかしい!!
――星宮さんは何かやりたいことはありますか?
星宮:LiSAさんが大好きすぎるので、何をやってもいいと言われたらLiSAさんの曲をカバーしたいです……!
――フェルソノならなんでも出来そう! ぜひ皐月さんには大暴れしてもらって!
皐月:任せてください!!
さまざまなフィールドへ羽ばたく、7人の未来
――ここで恒例の質問をします。これまでリリースした楽曲の中で、推し曲&推しフレーズを教えていただきたいんですが、今日は代表者3名にお聞きしようと思います!白發:「Lucifel」という曲があるんですけど、歌詞の中に〈この歌は僕らにしか歌えない〉というフレーズがあるんです。そこが本当に好きで! 本当の意味でフェルソノにしか歌えない曲をやりたいので、この歌詞は今も未来も大事になってくるフレーズだと思います。有言実行出来るように頑張ります。
皐月:私は、「生きた証」。〈どうしたい?理想次第〉というフレーズがあるんですけど、曲を作ってくれたのは、事務所のHarukiさんという方で、曲について聞いたことがあって。そのときに、Harukiさんがバンドをやっている時に、挫折を経験して、なんとかしてバンドで爪痕を残そうとした時にできた曲だと教えてくれて。私たちもアイドル界に爪痕を残したくてやっている。それを実現するのは、自分次第だし、どう選択するかによると思うんです。私たち自身もこの歌で自分を鼓舞しないといけないし、この曲は背中を押すより、叩く系の曲、強さを魅せる曲なので、メッセージ性的にも好きな曲なんです。
浅桜:私は5月にリリースされた「Lily」という曲。〈正しくなくてもいいから 僕は僕だ〉というフレーズ。まじめな家系だったこともあって、自分の性格的に正しいを選びがちだったんです。やりたいことというより、一般的な人になるためにはどうするかというポイントで物事を取捨選択してた。それが自分にはしっくりこなくてアイドルになったんですけど、とはいえ今模索している道が正しいかは分からないじゃないですか。側から見たら、私が思ってる正解を不正解だと思う人もいるかもしれない。親にもアイドルをすることを反対されていたりもしたので、この歌詞がすごく刺さるんです。自分なりの正義を持って、自分が生きたいように生きさせてくれる、そんなフレーズを歌わせていただいていることが、すごく嬉しいんです。
――ありがとうございます。歌詞を通してそれぞれに強い意志があることが分かりました。最後になりますが、フェルソノの目標と展望を教えてください。
森羅:コンセプトである“主題歌ticロックサウンド”の意味って私たちもまだ模索している部分でもあるんですけど、私個人としては、フェルソノの楽曲を聴いた人が共感をしてくれて、「これは自分の主題歌かもしれない」と思ってもらえて、その上でその曲を私たちが大きな会場やフェスで歌うことでその人の背中を押すことだと思っているんです。なので、アイドル界隈だけでなく、音楽が好きな人や音楽ビギナーの方にも届くように、いろんな界隈に進出していきたいです。
白發:Zeppツアーや大きい箱に立ちたいというのはもちろんあるんですけど、47都道府県ツアーをやりたいんです。アーティストって基本的には「会いに来て」としか言えないじゃないですか。でも、私は会いに行きたい。47つの箱で出来ることって大きな箱でやるよりも価値があるんじゃないかなと思うんです。全部制覇したいです! 全国規模で、その上で世界にも行きたいです!
――初インタビューとは思えないくらいみんなお話が上手でした! 何か言い残したことはない?
浅桜:え?! アニメの主題歌を担当させていただけたらすごく嬉しいです!
皐月:ロックフェスに出たいです! ゴリゴリのバンドがいる中で、かましたいです。山口県出身なので、WILD BUNCH FEST.に出たいです!
藍瀬:テレビに出たい!
来々:バラエティ番組にも出たい! なんでもいいので!
皐月:アメトークで「フェルソノ芸人」をされたいよね!
星宮:声優したいです……(小声で)。
――その夢、全部叶えよ! 期待しています! 今日はありがとうございました!
全員:ありがとうございました!!
Photo 若狭健太郎 (krayG monkey)
Text 笹谷淳介