「フェイクショー」は「DOCTOR PRICE」の書下ろし主題歌
Omoinotakeの『フェイクショー』は、2025年7月13日にリリースされた配信限定シングルです。岩田剛典主演、7月期の読売テレビ・日本テレビ系日曜ドラマ「DOCTOR PRICE」の主題歌に起用されています。
ドラマのテーマは、医療業界の闇に迫る痛快医療サスペンス。
この曲は、疾走感あふれるサウンドに、ボーカル藤井怜央のハイトーンボイスが冴えわたるロックナンバーです。
自分にとって何が本当なのか正義なのかを問いかけ、SNSやメディアに踊らされずに、自分の真実を求めていくという力強い楽曲になっています。
ドラマとリンクする歌詞にも注目しながら聴いてみて下さい。『フェイクショー』の歌詞の意味を考察します。
嘘で彩られた世界に立ち向かう

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次から次へ 幕開ける フェイクショー
嘘も誠も あなた好みの テイスト
あれがいいや これもいいな テーブルの シロとクロ
混ぜ合わさないで 飲み干して どっちかを
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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現代社会で繰り広げられる嘘と真実が混在した世界。
何が嘘で何が真実なのかを自分で見極めていく必要があります。
特に嘘で彩られた世界は面白可笑しくやってくる。
絶え間なく訪れる情報は、もしかして自分が引き寄せている?
人は、欲しい情報しか見ないと言われています。
ネット上に現われる「おすすめ」は、その人にピッタリの物を提供するアルゴリズムです。
「嘘も誠もあなた好みのテイスト」の歌詞は、自分に都合の良い情報だけを受け入れる、ネット社会への疑問を投げかけていると感じます。
「シロとクロ混ぜ合わさないで」は、白(真実)と黒(嘘)どちらか1つを選択してという意味でしょう。
そして、1つを選択することの重要性と共に、その難しさも感じさせます。
白とグレーは混ぜるとグレーに。「混ぜ合わさないで」と言うのは、きっと世の中にグレーが存在するから。
グレーは作られた嘘・作られた真実と言っていいかもしれません。
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どうやら人は 無味無臭の ファクトよりも
スパイス効いた 紛い物を 選ぶの
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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ファクトは事実で紛い物(まがいもの)は偽物の意味。
人は無味無臭な物より、スパイスの効いたものを好むという指摘。
正しくて良いことよりも、センセーショナルで刺激的なことがメディアやSNSでは拡散されがち。そんな世の中の様子を描いていると言えます。

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それでいいの? それがいいの? 胸にふっと 浮かぶ問いも
掻き消されてく マジョリティの 足音に
サヨナラしなくちゃ 不確かな世界で
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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「本当にそれでいいの?」という自分への問いかけも、マジョリティ(大多数)の声に搔き消されてしまう。
でもそんな世界にサヨナラしよう。
自分の価値観を大切にしようという決意が感じられます。
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サヨナラしなくちゃ 不確かな世界で
ねぇ 何が正解って 疑心暗鬼の 真夜中
それでも僕らは 閉ざされた未来へ
ノックし続けて 在るはずの 答えに 手を伸ばす
僕を信じてやれるのは この心だけだから
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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「不確かな世界」「疑心暗鬼の真夜中」という歌詞は、世界が黒に包まれている様子を感じさせます。
白の物でも黒に染まってしまうかもしれない。
でも、そんな世界でも「閉ざされた未来へノックし続けて」真実を追い求めるあきらめない姿勢。
「在るはずの答えに手を伸ばす」の歌詞は『フェイクショー』の主人公と、医療過誤の真相を追求するドラマ「DOCTOR PRICE」の主人公とが重なる部分です。
自分が自分を信じてあげないでどうする?自分の心を信じフェイクに立ち向かい、真実に突き進もうとする姿に勇気をもらえます。
「フェイクショー」にサヨナラ!

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次から次へ ターゲットをまた セレクト
心忘れた 棘だらけの テキスト
とびきりの 指切りも 不意にふっと アウトキャスト
裏切られては 消えていく 居場所を
いま打ち壊して 僕らの痛みの
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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SNSで起こる”いわゆる炎上”を皮肉っている歌詞だと考察します。
攻撃しやすい人や物を探してはターゲットにして攻撃する。
それは自分のストレス解消のため?
「心忘れた棘だらけのテキスト」は、思いやりのない攻撃的な言葉やコンテンツを指しているのでしょう。
簡単に仲良くなって簡単に裏切って・・・ネット上の希薄なコミュニケーションを「不意にふっとアウトキャスト」という言葉で表しています。
裏切られて無くなった自分の居場所への喪失感と共に、それを壊して立ち向かうという強さも表現されていると感じます。
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いま打ち壊して 僕らの痛みの
引き攣った笑みの その上に 建ってる
「理想郷=幻想」を
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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偽りの世界を壊して、本当の理想郷を見つけようというメッセージではないでしょうか。
この部分の歌詞では、理想郷=幻想だと表現されています。
では、理想郷は存在しないのでしょうか?
きっと本当の理想郷はある、それは自ら見つけるものだという意味に感じます。
傷つき痛みを感じながらも、無理に笑顔を作っていた世界。
そんな偽りの世界の上に立っているのは理想郷ではない。
自分で真実の世界を見つけるのだ、それが本当の理想郷なのだ、という意味だと感じます。
この部分の歌詞の後に流れるサックスソロが、とても気持ちを高ぶらせていきます。

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ダンスフロア 世界中 踊ってるつもりで
踊らされてる かもしれない
「フェイクショー」
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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「踊っているつもりで踊らされているかもしれない」皮肉を込めた歌詞です。
無意識のうちに、あるいはわかっていながらメディアや社会の声や偽りに流されてしまう。
自分の価値観を持っている?きっとみんな本当は気づいているんだろ?
それは「フェイクショー」だと。気づきながらも流されている方が手に負えない。
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サヨナラしようか もう これでいいやって
安心の境界線 怯え引いた 弱さに
何度も僕らは 閉ざされた未来へ
ノックし続けて ひとひらの 答えに 手を伸ばす
僕を信じてやれるのは この心だけだから
いつか僕だけの「大切」を 抱き締めるため
≪フェイクショー 歌詞より抜粋≫
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そんな偽りの世界に、変えること変わることに怯え、安心という境界線を引いていた自分にサヨナラしようという決意。
もうフェイクに踊らされないという強い気持ち。
閉ざされた未来でも、何度も手を伸ばし挑み続ける勇気。
それは自分だけの「大切」を「大切」にするため。
『フェイクショー』は、決して嘘に踊らされずに、自分の意志で未来へ突き進んでいく、という力強い決意で締めくくられます。
「フェイクショー」はOmoinotakeが問いかける力強いメッセージ曲

Omoinotakeの『フェイクショー』は、偽りの世界に踊らされずに真実の世界を自分で見つけていこうという楽曲です。
ドラマ「DOCTOR PRICE」のために書き下ろされた『フェイクショー』。巨悪な闇の中、真実に立ち向かう主人公と重なる歌詞の世界にも注目。
フェイクに踊らされず、真実に目を向けたい。疾走感あふれるロックナンバーは、聴いた後にきっと気持ちがスッキリするはずです。
Omoinotake 島根県出身。中学からの同級生同士が2012年に東京で結成した藤井怜央 / レオ(Vo,&Key.)、福島智朗 / エモアキ(Ba.)、冨田洋之進 / ドラゲ(Dr.)の3人からなるピアノ・トリオバンド。 繊細ながらも情感を揺さぶるヴォーカルと歌詞が、「踊れて泣ける」グルーヴを生み出し、幅広い世···
