「まぼろし」はドラマ「40までにしたい10のこと」のエンディングテーマ
the shes goneの「まぼろし」は、2025年7月11日に配信されたデジタルシングルで、テレビ東京系ドラマ「40までにしたい10のこと」のエンディングテーマです。ドラマのテーマは、40歳を目前にした冴えない会社員と、そのイケメン部下とのオフィスラブストーリー。
年齢や性別を超え、2人で「叶えたいリスト」を行っていく。
2人の関係を包み込むような温かいエンディングテーマが『まぼろし』です。
ボーカル&ギターの兼丸は「大切なものに触れたときの、あの一瞬でふわっと溶けてしまいそうな幸せを描きました」とコメント。
優しいサウンドと温かいボーカルが、ドラマにそっと寄り添います。『まぼろし』の歌詞の意味を考察していきます。
「まぼろし」=限りある幸せな時間

『まぼろし』の歌詞は、とても愛情深い世界が描かれています。
それは、無償の愛と言える普遍的なものだと感じます。
親から子、恋人、夫婦、大切な誰かなど、聴く人によってさまざまな受け取り方ができるのではないでしょうか。
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生まれてきた時のことを覚えてはいない でも
世界は笑顔に包まれていたらしい
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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生まれた瞬間のことを本人は覚えていない。
でも、たくさんの愛情を受け、待ち望まれて生まれたことがわかる歌詞です。
世界が笑顔に包まれる、それほどの幸せな場面です。
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浮かび上がる感情はいつも
君がくれた宝物みたいになって
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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この部分の歌詞だけを見ると「君」は、さまざまな捉え方ができると思います。
主人公にとって、かけがえの無い存在がくれる宝物のような感情。
聴く人によって、いろいろと想像させる部分です。
この歌詞の前に生まれた瞬間のことが描かれているので、親から子どもへ向けた歌詞と捉えてもいいかもしれません。
大切な我が子が生まれ、たくさんの宝物をくれる。
そんな幸せな気持ちが込められた歌詞だと感じます。
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ねえ 幸せなまぼろしでもさ 良いやと思えた
ただ居させて 1秒でも長く その顔を見ていたいんだ
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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まぼろしとは儚く消えていくもの。
でも「幸せなまぼろし」と表現することで、悲しさや寂しさをあまり感じません。
一瞬でも、儚くてもいいと思える「幸せなまぼろし」。
この瞬間がまぼろしでもいい、と思えるほどの幸せな時間の中にいることがわかります。
「1秒でも長くその顔を見ていたい」という願い。
限りある幸せな時間を「まぼろし」と表現しているのではないでしょうか。
儚さと願いとが共存した歌詞です。
親から子への無償の愛

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「自分なんて」思う日も来る時がいつか訪れても
世界が敵でも守ってあげれるよ
舞い上がる ゆめくり返して
泣かないでいいよ そばにいるからね
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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『まぼろし』の歌詞を読むと、親から子どもへの愛情を感じずにはいられません。
「世界が敵でも守ってあげれる」の歌詞は秀逸。
「守ってあげる」ではなく「守ってあげれる」とすることで確かな約束を感じるからです。
どんな時でも「守ってあげれる」と「そばにいるからね」と、そっと見守る姿に、親から子どもへの無償の愛を感じます。
子どもの成長過程で「自分なんて」と思うことや、夢に破れたりすることを描くことで、その姿を見守る親の目線を感じずにはいられないのです。
もちろん、恋人や大切な人への愛情と捉えることもできるでしょう。
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いつの日にか 手に余るほどの大きさになった
わがまますら 愛おしくなった姿を抱きしめよう
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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親から子どもへの歌詞だと考えるには、とてもしっくりくる部分です。
あんなに小さかった我が子が、こんなに大きくなった。わがままを言う姿さえも愛おしい。
終わりのない愛情を感じます。
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止められないで 止められないで
君の行く手を阻むものから
止められないね 止められないね
無垢なまま そのままどうぞ
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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君の行く道が、誰にも阻まれずに進めますようにという願い。
そして、君の行く道を自分が止めることはできない、という思い。
君の行く道が幸せであるようにという願いと、自分の手を離れ自らの道を歩む君への寂しさも感じる歌詞です。
親離れ、子離れの時期は誰しもいつか訪れるもの。
そんなシーンを表現しているのではないでしょうか。
親から子どもへの歌詞だと感じる部分でもあり、恋人など大切な人への思いと捉えることもできます。
「無垢なまま」には、どうか嫌なものは目にせず、純粋なまま進んでほしいという、強い愛情を感じます。
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ねえ 幸せなまぼろしでもさ 良いやと思えた
ただ居させて 1秒でも長く その顔を見ていたい
ただ居させて 1秒でも長く 生きてみたくなったよ
≪まぼろし 歌詞より抜粋≫
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最初に「1秒でも長くその顔を見ていたい」と願った気持ちは「1秒でも長く生きてみたくなったよ」と結ばれます。
愛する人とずっと一緒にいたい、だから1秒でも長く生きていたい。
「君」の存在が、自分の生きる意味であり、自分の人生である。
愛と人生の尊さを表現していると感じます。
「君」を子供として考えると、とてもせつなく愛おしさを感じずにはいられません。
年齢的に、子どもより親の方が残りの人生が短い。
だからこそ、1秒でも長く生きて君のそばにいたい、いさせて。
親から子どもへの深い無償の愛が描かれている気がして涙が溢れます。
『まぼろし』は聴く人によって、さまざまな捉え方ができる楽曲です。
「君」が誰であっても、深い愛情が描かれていることに変わりはありません。
「まぼろし」は普遍の愛が描かれた楽曲

the shes goneの『まぼろし』は「君」に向けた無償の愛が描かれた楽曲です。
愛する人へ向けた普遍の愛は、聴く人によってさまざまな歌詞の捉え方ができるでしょう。
歌詞を考察すればするほど、親から子どもへの深い愛情を感じずにはいられませんでした。
永遠ではない命。
だからこそ、限りある時間をまぼろしとして、いつまでもこの幸せが続くようにと願うのかもしれません。
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