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Mrs. GREEN APPLE「道徳と皿」歌詞の意味を考察!ミセスの人生観が詰まった名曲を解説

Mrs. GREEN APPLEのデビュー10周年記念ベストアルバム『10』のダウンロードアルバム限定ボーナストラックとして再収録された『道徳と皿』。人生を生き抜くためのヒントが見えてくる歌詞の意味を考察します。

デビュー10周年で再録された「道徳と皿」

Mrs. GREEN APPLEは、2025年7月8日にデビュー10周年を記念するアニバーサリーベストアルバム『10』を発売しました。

リリース前夜の7月7日にはデジタルアルバムが先行配信され、ダウンロードアルバム限定のボーナストラックとして『道徳と皿 〜2025ver.〜』が収録されています。

『道徳と皿』は、2015年7月8日リリースの3rdミニアルバム『Variety』に収録されました。

▲Mrs. GREEN APPLE -道徳と皿

3部完結の作品のラストを飾る楽曲で、各アルバムのテーマであった「無常観」「対人関係」「娯楽」の全てを包含した作品となっています。

Variety ver.ではやや荒削りなサウンドでエネルギッシュさが出ていましたが、2025 ver.ではアレンジが控えめになっていて、より洗練された音色を楽しめるでしょう。

ボーカルもより言葉を大切に扱っている印象で、歌詞への思い入れを感じます。

タイトルの『道徳と皿』にどのような想いが込められているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。

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空腹勇者のストーリー
傷を癒せるそのアイテムは
こちら道徳の果実

雁字搦めの毎日
「触れた肌も私を嫌うんじゃないか」
「疑いを覚えた」

盛り付けられた
彩りに溢れた
それは華の様な日々だった
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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1番には「道徳」のフレーズと、“”を連想させるフレーズが盛り込まれています。

主人公である「空腹勇者」は、満たされていないと感じる全ての人といえるでしょう。

満たされたくて行動するうちに身に受けてきた「傷を癒せるそのアイテム」が「道徳の果実」です。

皿に盛られた彩り豊かな果実は身も心も満たしてくれるため、それがある日々は美しく、まるで「華の様な日々だった」と振り返っています。

一方で、その日常は「雁字搦めの毎日」でもありました。

「触れた肌も私を嫌うんじゃないか」「疑いを覚えた」とあるように、果実を食べることで周りからの反応に対する不安や批判的な気持ちが生まれたのでしょう。

「道徳」とは、個人や社会が持つべき価値観や行動規範のこと。

つまり、自分が得た道徳観によって満たされることがあるものの、正しさを求めすぎると苦しむ結果になるということを示していると思われます。

苦しいけれど未だ憎めないこんな世界


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こんな世界を未だ憎めないのは何故か
気づいてるよわかっては居るけど
“生き抜くには傷を付けなければ"なの?
どうか「道徳」を今
さぁ お食べ
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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皿は社会、そこに盛られた果実は人々がそれぞれ持っている道徳観です。

誰もが正しくありたいと願いながらも、その道徳観がぶつかり合ってうまくいかない「こんな世界」ですが、良い面を知っているから「未だ憎めない」ことにも気づいています。

しかし、こんな世界から抜け出したいと思うのも事実です。

「“生き抜くには傷を付けなければ"なの?」というフレーズから、自分の正しさを守るために自分や人を傷付ける世界であっていいのかと問いかけられているように感じます。

道徳観を持つ素晴らしさを描きながらも、古い道徳観に縛られる危険を無視してはいけないことをいい表していることがわかるでしょう。

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不景気現世の不条理
皆が惑わされる正体は
実は狼狽の魔術

壊されちゃったかい?誰かに。
裏切られちゃったかい?愛に
生きるとはなんだ
「見返りを覚えた」

意味付けられた
彩りが薄れた
どれが正しいのか教えて
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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世の中は「不景気」や「不条理」が広がっていて、誰もが苦しんでいます。

その正体について、ここでは「狼狽の魔術」と語っています。

打ちのめされそうになっているのは直面する不景気や不条理に戸惑い、動揺する気持ちに振り回されすぎているせいだといえるでしょう。

原因はおそらく道徳観を誰かに壊されたり、愛を裏切られたりした経験があるからです。

しかし、それで完全に絶望すると生きるのがつらくなってしまいます。

主人公は「生きるとはなんだ」と問いかけることにより、自分の人生の本質を見つめ直そうとしているようです。

そうして見返りを得ようとする一種の図太さが、強く生きるためには必要なのかもしれません。

とはいえ、見返りを求め始めると、物事の良し悪しを自分にとっての価値の大きさで判断するようになります。

やがて小さなことでは喜べなくなり、全てが味気なく感じるでしょう。

どちらの道が正しいともいえないため、多くの人が「どれが正しいのか教えて」と切実に答えを求めています。

強く生きるために愛を忘れないで


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こんな世界を未だ憎めないのは何故か
気づいてるよわかっては居るけど
生き抜くには満ち足りすぎているの。
「愛」と呼べる本物を
さぁ 探せ
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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この世界は「生き抜くには満ち足りすぎている」から、どれほど悪い面を見ても手放すことができません。

それでも豊かさに慣れすぎているせいで、人はもっと多くの物を求めて無駄に苦しんでいます。

本当に心を満たしてくれるのは多くの物ではなく、たったひとつの愛です。

だから「愛と呼べる本物」を探すように促しています。

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瞳で触れれた幸せも
形を失うでしょう
避けられない事でしょう
「壊れた。」
それでもまたなにかを信じたいな
光と云うには程遠いが
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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様々な問題にぶつかって心が疲弊すると、目に見える温かな幸せさえも形を失うという現実は避けられないでしょう。

人は、自分の価値観を常に守ることはできません。

とはいえ、そうした世の中でも「それでもまたなにかを信じたいな」という気持ちがあるなら希望はあります。

「光と云うには程遠い」ほんの小さな期待ですが、前向きな気持ちがあればきっと乗り越えていけます。

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こんな世界でずっと、生きてゆこうと思うんだ
温かいモノを忘れないこと。
すれ違う思い泣き合えた「青春」も
そうか。「道徳の果実」を食べて
どうかどうか諦めず
さぁ 笑え
さぁ はじめてみて
≪道徳と皿 歌詞より抜粋≫
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「こんな世界でずっと、生きてゆこう」と思えたら、その気持ちが生きる力になるでしょう。

「温かいモノ」、つまり愛や人との繋がりを忘れないでいることが大切です。

あまりにつらい出来事に直面したとしても、時間が経ち大人になれば「すれ違う思い泣き合えた青春」として穏やかな気持ちで振り返ることがきっとできます。

皿に盛られた「道徳の果実」は食べすぎると体を壊しますが、程々に食べれば喜びや幸福を与えてくれるはずです。

失敗して苦しんだとしても諦めず、強い気持ちを持って再出発するのが勇者でしょう。

自分自身と他者へのを大切にしながら、笑顔で進んでいくように優しく促しています。

ミセスの人生観が詰まった名曲!


Mrs. GREEN APPLEの『道徳と皿』は、誰の心にもある道徳観に対する見方を問いかけ、人生に苦しむ人の背中をそっと押してくれる楽曲でした。

自分の中に正しさを持つことは大切ですが、正しさに固執して自分や他人を傷つけてしまってはいけません。

心が疲れたときには『道徳と皿』を聴いて、気持ちをリフレッシュしてはいかがでしょうか。

【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···

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