Da-iCE「ノンフィクションズ」は「熱闘甲子園」テーマソング
Da-iCEの『ノンフィクションズ』は、2025年7月16日に配信リリースされた楽曲です。テレビ朝日系「熱闘甲子園」のテーマソングであり「2025夏の高校野球応援ソング」として高校野球関連番組で使用されます。
『ノンフィクションズ』の歌詞は、巧みに野球用語を織り交ぜ野球ファンを唸らせます。
しかし、その言葉遊びは、野球を全く知らない人にとっても、普通の言葉として聴ける点が魅力。
高校球児と重なり合う歌詞は、聴く人それぞれが自分の人生と重ね合わせることができ、多くの共感を呼ぶでしょう。
本記事では、詳しく『ノンフィクションズ』の歌詞の意味を考察していきます。
野球用語を絡めた人生の普遍的なストーリー

Da-iCEの『ノンフィクションズ』は、野球用語を絡めた歌詞が秀逸です。
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滑り込んでキャッチしたチケットを
握りしめて 見上げた空はブルー
ペンシルで描いたアウトラインは
ぼんやりからこんなにも 現実味帯びてる
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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「滑り込んでキャッチしたチケット」は夢への切符。
きっとギリギリで掴んだもの。
「滑り込んで」の歌詞は野球のスライディングを思わせ、チャンスを掴むシーンが浮かびます。
「見上げた空はブルー」は、まさに青春の象徴。ぼんやりと描いていた夢がまさに現実となる。
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吸って吐いて 外殻破り捨ててみて
下手打っても投げないで
他が為にサイレンは鳴る
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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「外殻」は、野球用語で言うなら「外角」。
外角とはバッターの体の外側に来る球のこと。
自分の外側の球は打ちにくい。
でも、手を伸ばして打ち破る、アウトになってもあきらめない。
緊張を振り解き自分の力を発揮する。
甲子園の試合開始のサイレンと掛け合わせ、自分を鼓舞する瞬間です。
人生の主人公はいつだって自分。
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さぁ 100%出し切る時だろ
研ぎ澄まして 煌めいて
ここで今を愛そう
あと少しだけ のばしてく
想いの延長線
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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100%全力を出しきる瞬間が訪れた。
「ここ」とは球児にとっては甲子園。
ここで、今のこの瞬間全力で戦う、その姿に胸が熱くなります。
「ここ」は聴く人にとって、さまざまなシーンを想像させます。
人それぞれの場所で全力を出しきろう、という力強いメッセージです。
「延長線」は、野球ならば「延長戦」。夢のために想いをあきらめない姿勢が描かれたシーンです。

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得意 不得意 当たり前でしょ
任せるが勝ち シフト変えてカバー
バッテリーは常にオーバーワーク気味でも
確実な抜け道は インコースギリギリ
夢見て追っかけて 内核固めちゃえば
打たれ強く投げ出さない
君にだけ微笑む女神
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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人には得意不得意があり、適材適所を設けるのが重要。
それは、野球でも実生活でも同じこと。
得意なポジションを与え、シフトを組む。
そしてカバーしあう。
チームプレーの精神を描いた歌詞は、仕事や家庭生活でも通ずるものがあります。
野球では投手と捕手の組み合わせをバッテリーと呼び、試合を組み立てていきます。
通常、バッテリーとは充電式電池のことを指し、疲れた時にバッテリーが無くなったという言い方をすることも。
このダブルミーニングで、バッテリーが困難な状況でもがんばっている様子を描いています。
野球のインコースとは、バッターの体の内側に来る球のこと。
ストライクゾーンギリギリに来るインコースは打ちにくい。
そこに投げるにはピッチャーに正確なコントロールが求められる。
バッテリーの必死な攻防が描かれ、ピンチの状況でも投げ出さずに立ち向かうことの大切さを描いています。
「内核」とはインコース、そして自分の深い内面のことでもある。
自分の心をしっかり持っていれば、強くなれるという意味でしょう。
きっと勝利は訪れる。
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イレギュラーばかりの日々でも
結びつけて解かないで 生きてこう
くだらない日も 励まし合った日も
どれも全部宝物 涙ごと全て
声に出そう愛を
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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イレギュラーとは、不規則で何が起こるかわからないものを指します。
野球では、バウンドが変化する難しい球のことをイレギュラーと言い、野手のエラーにつながることも。
「結びつけて解かないで」には、チームで結束してがんばっていこうという意味があると思います。
そして、球児の靴紐のことでもあるかもしれません。
靴紐をしっかりと結び、仲間と結束して全力で野球をする。
そんなシーンが浮かびます。そんな風に仲間と過ごした日々が愛おしい。
実生活でも、イレギュラーなことは日々起こっていくもの。
そんな日々も、愛して生きていこうというメッセージを感じます。
ノンフィクションはフィクションを越える

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フィクションを超えてく
ノンフィクションにドラマがあるのさ
1人じゃないさ
ここからだろ 大逆転
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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どんなに苦しい展開でも逆転することはできる。
大逆転を信じて心を鼓舞します。
フィクションにはないドラマがノンフィクションにはある。
野球はグラウンドに立つ9人だけでするものではない。
控えのチームメイト、応援団、友人、家族、たくさんの人が仲間です。
「一人じゃない」ことを信じる強さ。
それが勇気につながります。
野球でも人生でもそれは同じことではないでしょうか。
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フィクションを超えてく
ノンフィクションにドラマがあるのさ
きっとまた会える
その時まで 駆け抜けて
≪ノンフィクションズ 歌詞より抜粋≫
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繰り返しサビで強調されるのは、作られたドラマ=フィクションよりも、現実=ノンフィクションにこそドラマがあるのだということ。
人がノンフィクションに感動するのは、きっと嘘がないから。
現実で起こる出来事に必死で向き合うその姿に、感動が沸き起こるのではないでしょうか。
ドラマでは起こり得ない展開、そんな戦いが繰り広げられる甲子園。
だからこそ、球児たちに声援を送りたくなるのでしょう。
「きっとまた会える」は、甲子園で敗れた球児かも知れない。
でも、次の大会を目指して戦う。
ここに戻ると信じて。
高校球児に限らず、全ての人にまたチャンスがあることを描いています。
自分の人生は自分が主人公。
『ノンフィクションズ』は、自分だけのストーリーを描いていくことの大切さを感じる楽曲です。
「ノンフィクションズ」は2025年真夏を彩る応援歌

Da-iCEの『ノンフィクションズ』は、歌詞に野球用語を絡めながらも、誰もが共感できる普遍的なメッセージが込められた楽曲です。
「熱闘甲子園」のテーマソングは、困難に立ち向かう勇気や、自分の人生を生きることの大切さを感じさせます。
聴く人すべてに希望を与える、2025年真夏の甲子園を彩る応援歌です。