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TENBLANK「旋律と結晶」歌詞の意味を考察!Netflixシリーズ「グラスハート」の代表曲を解説

Netflixシリーズ『グラスハート』の劇中バンド・TENBLANKが歌う、幻想的な美しさと儚さを感じる楽曲『旋律と結晶』。琴線に触れるフレーズが詰まった歌詞の意味を考察します。

世界は計り知れない美しさに満ちている

佐藤健による企画・主演で話題のNetflixシリーズ『グラスハート』の劇中バンド・TENBLANKがドラマ配信と同時にリリースしたデビューアルバム『Glass Heart』

その収録曲で、先行配信されたシングル『旋律と結晶』は作詞をRADWIMPS野田洋次郎が、作曲を飛内将大が手がけた楽曲です。

▲TENBLANK – 旋律と結晶 / Crystalline Echo [Official Music Video]

YouTubeで公開されたMVには、ドラマ本編にも登場する雨のシーンと、バンドメンバーが球体の中で演奏する幻想的なシーンが織り交ぜられ、ドラマの世界観とリンクする映像美に引き込まれます

バンドの代表曲ともいえるこの楽曲にどのような想いが込められているのか、さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

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まだ夢の中なのか
たしかに触れたはずなのに
「夢」か「現」 仕分け作業
そもそもどれだけの意味があんだっけ?
雨粒たちが 僕らの理解などはるか
ゆうゆうと超える旋律で この命を祝してる
≪旋律と結晶 歌詞より抜粋≫
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思い描いていた夢が実現したとき、現実味のない浮遊感を覚えることがあるでしょう。

「まだ夢の中なのか」というフレーズは、その夢とも現実とも判断のつかない曖昧な心の状態を表していると考えられます。

また「確かに触れたはずなのに」とあることから、感覚が曖昧だからこそ本当はまだ夢を見ているだけなのではないかという不安も拭えない様子を表しているように感じます。

不安を払拭したいから、人は「夢」か「現」の「仕分け作業」をして、曖昧さをなくそうとするのかもしれません。

しかし、ここでは「そもそもどれだけの意味があんだっけ?」と問いかけてきます。

雨が降って植物を潤し育てる仕組みは、人間の理解を遥かに越えています。

つまり、雨は生の営みの象徴といえるでしょう。

世界は自分の理解を超えるものであふれているのに、いま見ている景色が夢か現実かを定義することに何の意味があるのでしょうか?

雨音はまるで命を祝福する美しい旋律のようで、儚く不確かだからこそ美しい命や世界の素晴らしさを証明するものとして描かれているようです。

本当の優しさや強さとは?


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もしかしたって もしかしなくたって
月は太陽に見つかる
そんな二人が僕と君だなんて
君に言えるはずなくて

君の傘の持ち方で 優しさの意味のすべてを知った
僕はただ見よう見まねがバレぬよう 下を向いて泣いた
≪旋律と結晶 歌詞より抜粋≫
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主人公は切っても切れない月と太陽の関係のように、自分と大切な人は必ず出会う運命だったのだと確信しています。

その「君」には、愛する人や仲間など様々な関係性の人が重ねられるでしょう。

しかし、大切ですぐ近くにいるゆえに想いをなかなか伝えられません。

複雑な感情や状況が邪魔をして、素直になれないことは誰にでもあるものです。

とはいえ、主人公は言葉ではなく行動で気持ちを示す方法があることを学びます。

雨の日に自分に傘を差し出してくれた「君の傘の持ち方」から、純粋な心の優しさを見ることができたからです。

向けられた優しさに胸を打たれ、思わず涙があふれた主人公の心情が伝わってきますね。

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「怖くない」と 言えること
「怖い」と 口に出せること
どちらがほんとの強さか はじめて知ってしまった僕たちは
君の眼が 僕の眼に はじめてピントを合わせた
瞬間の 音が今もこだましてる
≪旋律と結晶 歌詞より抜粋≫
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「怖くないと言えること」は、一見強い人ができることのように思えます。

しかし、内心で怖がっていても強がって「怖くない」と言うこともできるでしょう。

一方、「怖い」と口に出す人は弱く見えるかもしれません。

しかし、実際は恐れや不安など自分の弱さをさらけ出せる人こそ、本当の強さを持っている人なのではないでしょうか。

そのことを知ったときにはじめて、ありのままの自分で人と向き合えるはずです。

「君の眼が 僕の眼に はじめてピントを合わせた瞬間の音」という表現は、カメラのシャッター音を連想させます。

シャッターを切ってその瞬間を記録するように、目が合った瞬間に感じる出会いの喜びや衝撃が心に深く残っていることを感じさせます。

その尊い感情は、時を経ても鮮明に心に残り続けるでしょう。

正しさよりも大切なこと


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何回はぐれ 掻きまわされたって
歌は恋に見つかんだ
迷子になった ちゃちなメロディーが
息を吹き返す魔法
≪旋律と結晶 歌詞より抜粋≫
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人はみな器用には生きられないから、愛する人との間でもすれ違いや仲違いが起こってしまいます。

それでも誰かを愛さずにはいられないのも現実です。

だから世の中には恋を歌うラブソングがあふれているのかもしれません。

「歌は恋に見つかんだ」とあるように歌と恋は密接に関わっていて、ここでは歌そのものを恋の象徴として登場させています

「迷子になった ちゃちなメロディー」は、自分自身の人生のことと解釈できるでしょう。

未完成のメロディーが新しい一音を加えるだけでより魅力的になるように、何度迷って諦めかけても湧き上がる愛が人を成長させ、人生を輝かせてくれることを表していると感じます。

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君の肩の 震え方で 悔しさの本当の意味を知った
僕は正しさも忘れ 無我夢中で君を抱き寄せた
≪旋律と結晶 歌詞より抜粋≫
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人の心は見えませんが、肩が震えるのを見れば悔しさを堪えていることが伝わってくるものです。

言葉が常に本心を表すわけではないことを心に留めておかなくてはなりません。

そして、自分の立場や常識といった「正しさ」が本当の正しさとは限らないことも受け止める必要があります。

人との関係は複雑で、そうした「正しさ」だけでうまくいくものではないからです。

時には感情に突き動かされて無我夢中で抱き寄せるように、衝動的な行動を取ることがあってもいいのです。

音楽も行動も、人の奥底にある本心を伝えます。

経験や努力、挫折や迷いが積み重なってできた結晶のように美しい心を臆せず表現することで、人と人は繋がっていくのではないでしょうか。

TENBLANKの心を震わせる音楽に浸ろう!


TENBLANKの『旋律と結晶』は、心の強さと弱さの両面に焦点を当てて人や世界の美しさを表現した楽曲といえるでしょう。

誰でも覚えのある感情の揺れとかすかな期待が垣間見える歌詞が心に響きます。

ぜひドラマのストーリーとの繋がりも感じながら、じっくりとこの楽曲を噛み締めてください。

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