実写映画化する『秒速5センチメートル』
劇場用実写映画『秒速5センチメートル』は、新海誠の代表作として知られるアニメ映画を原作とした、実写版映画です。初恋の記憶を軸に、時間と距離に引き裂かれていく少年・貴樹と少女・明里のすれ違いを、繊細な映像美と心情描写で描き出します。
実写版では、90年代から現代へと流れる時間の中で、変わりゆく風景と変わらない想いがリアルに描かれ、恋愛と喪失をめぐる物語が観る者の心に静かに語りかけてきます。
米津玄師が手がける主題歌「1991」の歌詞の一部が明らかに
米津玄師が手がける主題歌「1991」の歌詞の一部が、YouTubeチャンネル『東宝MOVIEチャンネル』にて主題歌入り映画予告映像が公開されています。主題歌入り予告
歌詞
君の声が聞こえたような気がして
僕は振り向いた
1991 僕は生まれた
靴ばかり見つめて生きていた
ねえ こんなに簡単なことに
気付けなかったんだ
優しくなんてなかった
僕らはいつまでも
君と居たかった
雪のようにひらりひらり落ちる桜
君の居ない人生を耐えられるだろうか
1991年は、『秒速5センチメートル』のストーリーの始まりの年です。そして米津玄師と監督の奥山由之の生まれ年でもあり、個人的な原点を思わせる象徴的な数字です。
そこに物語の時間軸が重ねられることで、より深い共鳴が生まれています。
「君の声が聞こえたような気がして 僕は振り向いた」は、失われた誰かへの未練や、すれ違った過去への想いを表しており、まさに『秒速5センチメートル』のテーマと直結しています。
「靴ばかり見つめて生きていた」という一節は、下を向いていた人生、自信のなさや過去への後悔を暗示しているようにも受け取れます。
そして「君と居たかった」「雪のようにひらりひらり落ちる桜」などのイメージは、初恋の儚さと、季節の移ろいによって流されていく時間を詩的に表現しています。
また、「優しくなんてなかった 僕ら」という部分は、思春期の不器用さや、愛することの難しさをリアルに描いており、成長と喪失を同時に描く米津らしい視点がにじみ出ています。
映画の持つ静謐で叙情的な世界観に、米津玄師の言葉とメロディが完璧に重なり、観る者・聴く者それぞれの“1991”を呼び起こしてくれるような一曲です。
米津玄師「1991」が描く、記憶と再生のラブソング
米津玄師「1991」は、記憶、喪失、そして再生といった『秒速5センチメートル』の核心を、美しくも痛切な言葉で描いたラブソングです。静かに響くメロディに、取り戻せない時間への悔いと、それでも生きていく決意が織り込まれています。
映画本編と「1991」のフル音源の公開が、今から楽しみですね。
楽曲がリリースされ次第、さらに深い考察もお届けする予定ですので、ぜひご期待ください。