「us」はドラマ「誘拐の日」主題歌
yamaの『us』は、2025年7月9日に配信リリースされた楽曲で、テレビ朝日のドラマ『誘拐の日』主題歌です。ドラマのために書き下ろされたこの曲は、作詞作曲編曲家兼プロデューサーの百田留衣氏が担当。
タイトルの『us』は「私たち」と「明日」のダブルミーニングです。
ドラマとリンクした歌詞は、登場人物の内面にフォーカスし、人のぬくもりや過去の痛みに寄り添う世界観が繰り広げられています。
歌詞のテーマは普遍的なストーリーで、ドラマを知らない人にとっても、共感できる部分が多々あると感じます。
本記事では『us』の歌詞の意味を詳しく考察していきます。
悲しみと希望の混在する歌詞

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何気ない日々は
もう二度とは来ないの
閉ざされたままの心は途絶えた
≪us 歌詞より抜粋≫
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何気ない日常が壊れていく悲しみが描かれています。
当たり前のように訪れていた平穏な日々が崩れ、もう二度とは来ない。
取り戻せない日々への悲しみはとても大きい。
一瞬にして崩れてしまう幸せ。
その悲しみや恐怖は、誰もが想像できることでしょう。
ドラマ『誘拐の日』で、予想外の誘拐事件に巻き込まれてしまった、主人公と少女の心を表しているとも解釈できます。
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私は此処だよ
約束したはずじゃない
僅かでも
優しさで包んで欲しいだけなの
≪us 歌詞より抜粋≫
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自分の存在に気づいてほしいという叫びを感じます。
「約束したはず」という言葉は、それが今、叶っていない状態を指しており、必死に訴えている状態です。
人の優しさ、愛を求めており、歌の主人公が孤独な様子だと感じます。
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どうして どうして 傍にいてよ
ありふれた願いでしょ
何度何度 叫んでも
叶わない現実に
ずっとずっと想っては
儚く消えてく
二人でただ 笑ってたい
≪us 歌詞より抜粋≫
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ただ傍にいてほしいだけ。
そんなありふれた願いさえも叶わない。
「どうして」という言葉に、行き場のない悲しみを感じます。
どんなに叫んでも願っても、それが叶わない現実を突きつけられる。
ただ傍にいてほしいだけ、そんな願いは儚く消えて届かない。
2人でただ笑っていたいだけなのに。
当たり前のような関係は儚く崩れていきます。

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バッドエンドばかり
想像してしまう性格なら
少し落ち着いたよ
優しさで照らして欲しいだけなの
≪us 歌詞より抜粋≫
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歌詞の1番では、悲しい現実ばかりがフィーチャーされています。
願いが叶わない世界にいた主人公だから、悪い結末ばかりを想像していたのでしょう。
しかし、2番では、そんな悲しい世界から徐々に離れようとする姿が感じ取れます。
何かのきっかけで悲観的な性格を少し変えることができるようになったのでは。
それはきっと、信頼できる誰かの存在があったからではないでしょうか。
優しさによって、人は救われる。
ドラマ『誘拐の日』では、誘拐する主人公と誘拐される少女との不思議な関係、特別な絆が描かれています。
そんな2人の関係と重なる部分も感じとることができます。
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どんな未来であったとしても
君となら描ける
後悔 失望 抱えても
飾らないままで
二人でなら信じたい
≪us 歌詞より抜粋≫
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希望にあふれている歌詞です。
未来は良いことも悪いことも、何が起こるかはわからない。
たとえ何が起こる未来であっても、君となら生きていける。
それほど君という存在は自分にとって大きくかけがえの無い大切なもの。
ありのままの自分をさらけ出せる大切な存在。
困難な事があっても2人なら信じて未来へと歩んでいきたい。
信頼関係を築いた相手との絆を感じる歌詞は、ドラマの中の逃避行とも重なる部分です。
タイトル「us」ダブルミーニングに込められたメッセージ

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どうして どうして 見えないの
涙で滲んでく
そんな感情は今でも
数えきれなくて
どうか どうか 傍にいてよ
ありふれた願いでしょ
二人でなら信じたい
二人でただ笑ってたい
≪us 歌詞より抜粋≫
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「どうして」と訴えていた悲しい想い。
涙で滲んだ想い。
それが、今は浄化されつつあるのではと感じます。
自分の中に悲しみの感情だけしかなければ「そんな感情は今も数えきれなくて」とならないのではないでしょうか。
今も悲しみはあるけれど、大切な人の存在が自分を支えている。
「二人でなら信じたい」「二人でただ笑ってたい」の言葉は、主人公だけの願いではなく、2人の共通の願いと捉えることができるのではないでしょうか。
2人の絆を感じさせ、ドラマの世界とも重なる部分です。
しかし、ありふれた願いこそ叶えるのが難しいという意味も感じます。
ドラマでは誘拐する側、される側の不思議な2人の逃避行が描かれています。
果たして2人の結末は?
どんなに困難でも2人でいれば、大切な存在がいれば、明日への希望を持つことができる。
それこそが『us』のタイトル、「私たち=2人」「明日」というダブルミーニングが伝えたいメッセージなのではないでしょうか。
「us」は私たちが描く明日への希望の歌

悲しみを抱え、ただ2人でいたいという、シンプルでありふれた願いさえ叶わない主人公。
前半部分では悲しみにフィーチャーした歌詞が特徴です。
しかし、後半は悲しみを抱えながらも明日への希望を見出そうとする姿が描かれています。
信頼できる大切な人と共に、君とならどんな未来も描くことができる。
yamaの『us』は、私たち2人が生きる明日への希望の歌。
ドラマの世界とリンクする歌詞は、普遍的なメッセージでもあり、聴く人の共感を呼ぶことでしょう。