Mrs.GREEN APPLEが書き下ろしたテーマソング「GOOD DAY」がリリース
Mrs.GREEN APPLEが手がけた「GOOD DAY」は、キリンビールの新ブランド「キリングッドエール」のテーマソングとしてリリースされました。爽快さを持ちながらも、ただ「明るい」「楽しい」だけにとどまらないのがこの曲の魅力です。
社会の不安定さや人間関係の複雑さといった現実を前提としつつ、「それでも手を取り合おう」という力強いメッセージを打ち出しています。
2025年最後の新曲として、バンドにとっても象徴的な楽曲となりました。
ここからは歌詞のひとつひとつを丁寧に考察していきます。
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期待をしていようが
どうにもならない様な浮世も
僕の中にある
小さな優しさで
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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「どうにもならない浮世」という言葉で始まるこのフレーズは、日々の中で感じる無力感を描きながら、それでも「小さな優しさ」で立ち向かおうとする姿勢を示しています。
壮大な理想や夢を掲げるのではなく、自分の中に眠るささやかな温もりを肯定してくれます。
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どうにかなるかな
巡り巡って
どこかの君に
幸せが訪れればいいな
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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すぐに自分が報われなくても、巡り巡って誰かの幸せにつながればいい。
それは自己犠牲ではなく「つながりを信じる姿勢」であり、聴く者に「自分も誰かの幸福の一端を担っているのかもしれない」と感じさせる温かい余韻を残します。
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転がれば
笑って 泣いて
世界は忙しいけど
身軽になって 一息ついて
言おう GOOD
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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日々は笑いと涙の繰り返しで「忙しい」。
しかし、それを否定するのではなく「身軽になって一息つく」ことでリズムを取り戻せるのだと歌います。
ここで繰り返される「GOOD」という言葉は、呪文のように気持ちを切り替える合言葉。飲料のテーマソングとしての爽快さともシンクロし、聴く人の心をふっと軽くします。
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不安定な情勢も
時代と生きれば園?
手を繋いで さぁ輪になって
言おう GOOD
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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「不安定な情勢」という直接的な表現は、現代社会の混沌をそのまま指しています。しかし、そこで「輪になって手を繋ぐ」という描写を加えることで、個人の不安を共同体で和らげようとする姿勢が浮かびます。単なる応援歌ではなく、現実の痛みに触れたうえで希望を示すバランス感覚が、この曲を特別なものにしています。
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誰のせいにしようが
どうにもならない様な常夜は
君の中にある
ちょっとした禍々しさで
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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夜という時間帯は、人の心の奥に潜む負の感情を強調します。人間の二面性を受け止めながら、それをどう折り合っていくかを問いかけています。
爽快さの裏に、こうした「ダークな要素」を織り交ぜるのは、Mrs.GREEN APPLEならではの深さです。
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未来にまで
このカビは広がってしまうと
ここらでちょっくら忠告をした方がいいな
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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「カビ」という日常的でユーモラスな比喩が、不安やストレスの広がりを象徴しています。
ネガティブさを放置すれば未来にまで侵食する。
だからこそ「ちょっくら忠告」という軽妙な言い方で、自分にも他者にも「気をつけよう」と投げかけています。
深刻さとおどけを同時に持つこのバランスが、聴き手に親しみを与えます。
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明るい希望を謳うのはダサいこと?
所詮 流るる時代の海
行き先なんて 今は知らなくて良い
胸が高鳴る方へ 向こうへ
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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「希望を語るのはダサい」という社会風潮への反抗が込められています。
しかしここで大森元貴は、「知らなくて良い」と未来の不確かさを受け入れ、「胸が高鳴る方へ」進めばいいと歌います。
シニカルさと純粋さを同時に抱く彼らしい表現で、「ダサさを恐れずに希望を持つ勇気」を提示しています。
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目が合えば
憎んで 嫌って
世界は騒がしいけど
一人じゃなんも出来ない我ら
カワイイもんね?
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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人間関係の衝突や社会の騒がしさを描きながら、最後には「カワイイもんね?」と茶化す。
ここには人間の弱さや未熟さを認め、それすら愛おしいと笑い飛ばす視点があります。
Mrs.GREEN APPLEが世代を超えて支持される理由は、この「ユーモアをもって弱さを肯定する姿勢」にあると言えるでしょう。
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いつまで経っても
愛すべき茶番だけど
手を繋いで さあ紛らわせて
言おう GOOD
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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世界は「茶番」のように不条理で矛盾に満ちています。
それでも「愛すべき」と付け加えることで、その混沌さえ生きる楽しさに変換しています。
手を繋ぐことで孤独を和らげ、最後は「GOOD」で締めくくる。
この流れは、曲全体の核である「人とつながることで乗り越えられる」というテーマを象徴しています。
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転がれば
転がればいずれ着く
目が合えば
目が合えばいずれ解る
笑い合ったって
憎み合ったって
時間は経つ
ソンナモンダ
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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人生の真理をシンプルに言い表した部分です。「笑い合う」「憎み合う」両極端な感情も、やがて時間が流していく。
それが「ソンナモンダ」と軽く表現されることで、哲学的でありながら肩肘張らないユーモアが加わります。
聴く人に「深刻になりすぎなくてもいい」と教えてくれるフレーズです。
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私の人生は
「ほんと、素晴らしいもの。」
言えない日があるのも
自然なグルーヴ
≪GOOD DAY 歌詞より抜粋≫
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人生を「素晴らしい」と断言できない日があってもいい。
それすら自然なリズム、グルーヴの一部だと受け入れています。
音楽的な言葉を使うことで、日常の浮き沈みを「人生のリズム」として捉え直します。
Mrs.GREEN APPLEが「GOOD DAY」で歌う希望
「GOOD DAY」は、不安や葛藤を抱えた現代を背景にしながら、それでも笑って明日を迎えようとするMrs.GREEN APPLE流の応援歌です。小さな優しさを重ね合い、時に弱さを笑い飛ばすことで日常は「GOOD」に変わります。
【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···
