ラプラス・ダークネス参加で話題!ポップな見た目に隠された「黒い甘さ」
DECO*27の新曲『マシュマロ』が、2025年10月9日(木)にリリースされました。ホロライブ所属のラプラス・ダークネスがコーラスとして参加していることでも、大きな話題を呼んでいます。
リリース前に公開された、ポップでキュートなビジュアルからは想像もつかなかった、ロックで激しい曲調に、驚いたファンも多いのではないでしょうか。
「ゴーストルール」や「ヒバナ」を彷彿とさせるMV演出や歌詞表現にも注目です。
ここからは、その歌詞に込められた複雑な心理や関係性をひとつずつ紐解いていきましょう。
最初から壊れていた愛

----------------
始まった感さえもない
貼り替えた格好の妄想
会いたい構ってお願い?
最高のエンドだぜ ドンマイ
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
冒頭から描かれるのは、恋の始まりすら実感できないような関係性。
「貼り替えた格好の妄想」という言葉は、互いに本心を隠し、理想を演じ合う姿を示している。
「会いたい構ってお願い?」という甘い言葉に対して、「最高のエンドだぜ ドンマイ」と突き放すような冷たさ。
その温度差こそ、二人の愛が最初から歪んでいることを象徴しています。
マシュマロのように柔らかく見えて、内側ではゆっくりと崩れていく。
そんな不安定な恋を描いた始まりの一節です。
----------------
ダウトダウト 夢に酔って
ありもしないこと 言いたいばっか
あーだこーだ話女いたって
痛すぎんぜホント 病んハピのモンスター
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
「ダウトダウト 夢に酔って」で描かれるのは、現実を見ずに自分の都合のいい嘘を付く「君」への冷ややかな視線。
「喚いたって」を「話女いたって」とい表現しているところから、相手を見下すような感情がにじみ、もうまともに向き合う気さえ失われていることがわかります。
「病んハピのモンスター」とは、病んでも構ってもらえると勘違いしている、まるで「脳内お花畑」とも言える「君」を皮肉った造語。
「僕」がそんな君に対して抱く感情は、愛しさよりも嫌悪です。
----------------
Call 911
香るマウント Gas
咽る Verse 感度 SOS
Loveの残飯 叶わぬ割り勘
僕がヴィランなんて 嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
英語を多用したこのラップパートは、まさに恋が崩壊寸前の「緊急事態」。
「Call 911」というフレーズが、切迫した空気を生み出しています。
「香るマウントGas」は、優位に立ちたがる「君」の虚勢を比喩した一節。
言葉で飾り立てても、実際は毒ガスのように息苦しく、関係をむしばんでいく。
「Loveの残飯」「叶わぬ割り勘」からは、すでに愛が冷えきり、不公平な関係に疲弊する僕の姿が見えます。
「僕がヴィランなんて嫌」という叫びには、「被害者ぶる君」に押しつけられた悪役役割への拒絶が滲みます。
----------------
だんだん君が死んでいく
君が嘘の味でよかったなぁ
大感電馬鹿らしいフェイク
溶けて君の顔が判ったよ
Say Woah
僕が食べたのは偽物だったの
Say Woah
僕の「好きだ」も全部嘘だったよ
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
「だんだん君が死んでいく」は、君が実際に死ぬのではなく、僕の中でその存在が終わっていくことを示しています。
信じていた愛が嘘だと気づいた瞬間、心の中の「君」は崩壊していくのです。
「溶けて君の顔が判ったよ」は、ようやく仮面の下の本性を見抜いたという痛烈な気づき。
甘いはずの「マシュマロ」が、実は偽物の味だった。
その苦い真実に気づいた僕は、「僕の『好きだ』も全部嘘だったよ」と、愛していた自分さえ否定してしまう。
相手だけでなく、自分の愛も嘘だった。
そんな絶望的な結末が突きつけられています。
愛が腐っていく、僕の中の嫌悪と冷笑

----------------
交わって酸化する
Lie
切り取った醜悪な咆哮
これだって言ったもん勝ち
反論はどうしてかナンセンス
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
「酸化」は、錆(さび)や劣化をイメージさせ、「醜悪」はストレートに不快さを表す言葉です。
君が嘘をつき、声高々に喚くせいで、僕は君の「正義」の中でヴィランにされてしまったという現状を、痛烈に皮肉っているようです。
----------------
そうかそうか そんなもんか
冷えた勝負 場外持ってって
あーだこーだ話女いたって
痛すぎんぜホント 病んハピのモンスター
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
「冷えた勝負」「場外持ってって」という言葉からは、もうこの恋が試合にもならないほど冷め切っていることが分かります。
もはや愛ではなく、消耗戦です。
----------------
だんだん君を知っていく
君の愛を吐いてよかったなぁ
大団円ごっこ揶っている
焦げた君の灰で嘲笑ったよ
Say Woah
僕は君を信じていなかったの
Say Woah
僕は君のすべてが嫌だったよ
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
「だんだん君を知っていく」ことで逆に愛が冷めていくという皮肉。
「焦げた君の灰で嘲笑ったよ」という描写は、かつての恋を焼き尽くし、その灰の上で冷笑する僕の姿を鮮烈に描きます。
「大団円ごっこ」という言葉が示すように、ハッピーエンドを演じることさえも虚しい茶番。
本当は信じてもいなかった、最初から嫌いだった。
それを今さら認めるのは、苦しみを超えて「悟り」に近い境地に達したような感情です。
----------------
だんだん君が死んでいく
君が嘘の味でよかったなぁ
大感電馬鹿らしいフェイク
溶けて君の顔が判ったよ
Say Woah
僕が食べたのは偽物だったの
Say Woah
僕の「好きだ」も全部嘘だったよ
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
再び繰り返されるこのパートは、決定的な別れの再演です。
同じ言葉が二度響くことで、「君」という存在の完全な消失が強調されます。
一度目の「君の死」は感情の終わり。
二度目は、「記憶からの消去」。
偽物を食べた痛みを反芻するように、僕はもう一度その苦しみを舐め直しているのです。
----------------
Call 911
香るマウント Gas
咽る Verse 感度 SOS
Loveの残飯 叶わぬ割り勘
僕がヴィランなんて 嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌
Say Woah
僕は君を信じていなかったの
Say Woah
僕は君のすべてが嫌だったよホント
≪マシュマロ 歌詞より抜粋≫
----------------
再びラップ調のフレーズが現れるのは、感情の最終爆発。
「僕は君のすべてが嫌だったよホント」という吐き捨てるようなラストには、愛を見限った「僕」の冷酷な真実が刻まれています。
DECO*27「マシュマロ」が描く苦い愛の終焉

DECO*27の『マシュマロ』は、嘘にまみれた恋愛の中で抱く複雑な感情を巧みに描いた楽曲です。
可愛らしいタイトルとは裏腹に、ダークで鋭い雰囲気に包まれ、ロックなサウンドと相まって、刺々しい世界観を演出しています。
ぜひ歌詞とMVに注目しながら、楽曲が描く痛烈な感情の余韻に浸ってみてください。