アニメ『【推しの子】』ED主題歌はなとりが担当!
2026年1月14日(水)から、第3期の放送が始まるTVアニメ『【推しの子】』。アイの死をきっかけに、それぞれの道を歩み始めたアクアとルビー、そしてB小町の成長が描かれる中で、物語は核心へと踏み込んでいきます。
エンディングテーマを手がけるのは、シンガーソングライター・なとり。
なとりは、今回の楽曲「セレナーデ」について、次のようにコメントしています。
「この度、「セレナーデ」という楽曲を書き下ろさせていただきました。「アクア」という人間を理解しようとするたびに、どうしようもない暗闇の底に落とされたような感覚がありました。せめて、彼だけにはこの音楽が流れている時間だけでも幸せに眠っていてほしいという願いを込めて作った楽曲です。たくさん、聞いてください。」
「セレナーデ(serenade)」とは、夜に恋人へ捧げる、静かな愛の歌を意味する言葉です。
では、アクアの心情に寄り添って書き下ろされた本楽曲「セレナーデ」は、誰に対する愛を歌っているのか。
歌詞をもとに、その想いをひも解いていきます。
なとりが手がける主題歌「セレナーデ」の歌詞の一部が明らかに
YouTubeチャンネル「TVアニメ【推しの子】公式チャンネル」にて公開された第1弾PVでは、エンディング主題歌「セレナーデ」の一部が初解禁されています。歌詞
僕に触れないで 祈るセレナーデ
僕なしでうまく幸せになってね
これよりもずっとを何を手放しても
羽が生えたって信じていたい
罰をください
「僕に触れないで」は、アクアが自分一人で復讐を遂げようとし、愛する人を自分から遠ざけたい姿を象徴しています。
「僕なしでうまく幸せになってね」という言葉からは、自分の存在が相手の不幸の原因になるなら離れるしかないという、愛ゆえの決意と痛ましい優しさが滲みます。
ここまでのフレーズを踏まえると、この楽曲で歌われる「セレナーデ」は、恋人への愛というよりも、妹・ルビーへの祈りの歌として解釈できます。
アクアが突き進む復讐の道は、危険で暗く、決して光の差すものではありません。
その闇を、愛する妹に背負わせたくない。
そんな切なる願いが表れているようです。
そして、「これよりもずっとを何を手放しても 羽が生えたって信じていたい」という一節。
この「羽」は、単なる飛翔や自由の象徴ではなく、死や救済の比喩として読むことができます。
つまりアクアは、たとえこの命が終わっても、ルビーが救われる世界を信じたいと祈っているのです。
その直後に続く「罰をください」という言葉は、まさにその祈りの帰着点。
自分が罰を受けることでルビーが救われることを願う、贖罪の祈りにも似た自己犠牲的な愛のかたちが浮かびます。
作中では、ルビー自身も母親・アイの死の真相を追う中で、純粋さを失いながら復讐に囚われていきます。
アクアは、そんなルビーの罪や痛みさえも、自分が背負いたいと願っているのでしょう。
歌詞
最善もない あなた あなただけ
世界がまだ忘れてくれなくても
きっとまだ あなた あなただけ
願い疲れても歌うよセレナーデ
願い疲れても歌うよセレナーデ
「最善もない」という言葉は、復讐に取り憑かれたアクアが、どんな選択をしても誰かを傷つけてしまうという現実を悟っていることを示します。
それでも、「あなた=ルビー」だけは救われてほしいと願っているのです。
そして最後の「願い疲れても歌うよセレナーデ」というフレーズで、心の底からルビーを想う、アクアの優しさが切なく響きます。
なとり「セレナーデ」が描くアクアの祈り
アクアの複雑な想いを丁寧に描き出す、なとり「セレナーデ」。自分を犠牲にしてまでも、ルビーの幸せを願いたい。
そんな彼の姿には、私たち自身の「誰かを大切に思う痛み」とも重なり、聴く人の心に静かに寄り添います。
TVアニメ『【推しの子】』第3期は、2026年1月14日(水)より放送開始。
エンディング映像とともに流れる「セレナーデ」が、どんな余韻を残してくれるのか、今から待ちきれません。
フルバージョンが公開された際には、より詳しく歌詞を考察します。