1. 歌詞検索UtaTen
  2. コラム&特集
  3. その他
  4. 合唱曲

合唱曲「信じる」歌詞の意味を考察!信じることに込められた思い

2004年度第71回NHK全国学校音楽コンクールのために制作され、その後も長年学生たちに歌われている合唱曲『信じる』。“信じる”という真っ直ぐな歌詞のメッセージに託された意味を考察します。

谷川俊太郎が綴る詩の解釈とは


合唱曲『信じる』は、作詞を谷川俊太郎、作曲を松下耕が担当し、2004年度に行われた第71回NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)中学校の部の課題曲として制作されました。

Nコンが終わってからも校内合唱コンクールをはじめ、様々な機会に歌われることが多い人気曲です。

谷川俊太郎は詩に「信じる行為そのもの」を表現し、詩を読んで感銘を受けた松下耕は「誰もが口ずさんでくれる曲を書きたい」という思いから制作されました。

一部では怖いという声もありますが、実際のところどのような思いが込められた楽曲なのでしょうか。

さっそく歌詞の意味を考察していきましょう。

----------------
笑うときには
大口をあけて
おこるときには
本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに
理由はいらない
≪信じる 歌詞より抜粋≫
----------------

1番の「笑うときには大口あけて おこるときには本気でおこる」というフレーズには、人が人らしく生きることを表しているように感じます。

「自分にうそがつけない私」とあるように、自分自身の感情に正直に振る舞う様子が見えてきます。

一見当たり前のことのように思えますが、現代では人の顔色を伺って思っていることを素直に表に出すのを躊躇う瞬間が少なくないでしょう。

だから、人目を気にせず大口を開けて笑い楽しむことや気持ちを誤魔化さずに本気で怒ることは大切です。

主人公はそうできる自分自身を信じると断言します。

「信じることに理由はいらない」というフレーズには、大人になってからこそハッとさせられるのではないでしょうか。

身を守るために何でも疑ってかからなくてはいけないような今の時代、信じることは理由が必要なものになってきています。

そのせいで自分自身さえ信じるのが難しくなることもありますが、本来信じることはもっと単純で強い思いのはずです。

だから「信じることに理由はいらない」、素直に感情を表現できる自分という存在をただ受け止めて信じていいのだと訴えかけてきます。

人が見失いがちな信じることの本質を思い出させてくれます。

歌詞が怖いといわれる理由と本当の思い

----------------
地雷をふんで
足をなくした
子どもの写真
目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを
私は信じる
信じることで
よみがえるいのち
≪信じる 歌詞より抜粋≫
----------------

この楽曲が怖いといわれるのは、おそらく2番の歌詞から受ける印象によるものでしょう。

1番では笑ったり怒ったりと、誰にとっても身近な日常の感情にスポットを当てていました。

一方、2番では突然「地雷」というワードが登場し、メロディも不穏なものに一変

このイメージの落差に衝撃を受けた人が怖いと感じていると思われます。

しかし2番の歌詞も、単に怖いと撥ねつけずにじっくり考えるべきメッセージが込められています。

「地雷をふんで 足をなくした子ども」という表現から、戦争の風景が思い起こされるでしょう。

その様子を「写真」で見ている主人公は、当時より戦争が遠い存在になった現代に生きています。

思わず目を背けたくなるような凄惨な写真ですが、主人公の目線の先には「目をそらさずに 黙って涙を流したあなた」がいます。

現実と向き合い、命について考え純粋に悲しみを表現できるその人は、主人公がそうありたいと願う自分自身の姿と重なるのでしょう。

そして美しい心に触れたとき、他者を信じる気持ちが湧き上がってきます。

「信じることでよみがえるいのち」のフレーズは、他者を信じることで普段は意識しない命そのものを意識するという意味だと解釈できるかもしれません。

信じることにより他者と絆を結び、それが命と向き合い自分自身を信じることに繋がっていく。

そうした美しい連鎖によって人は生かされているのではないでしょうか。

信じることは生きること

----------------
葉末の露がきらめく朝に
何を見つめる
子鹿のひとみ
すべてのものが
日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは
生きるみなもと
≪信じる 歌詞より抜粋≫
----------------

「葉末の露」は、草木の葉の先に露が乗っている情景を指します。

また、露がすぐに消えてしまうことから、人の命や世の無常と儚さを例える言葉としても古くから用いられています。

このことから「葉末の露がきらめく朝に 何をみつめる小鹿のひとみ」という歌詞には、朝の清々しい自然の風景と共に人間には制御できない世の理の重みが垣間見えるでしょう。

いつも同じように見えても、「すべてのものが日々新しい」状態に変化しています。

それを寂しく悲しいものと捉えることもできれば、常に新しく良い状態に好転していると捉えることもできます。

目の前の状況は同じでも、考え方次第で世界の見え方は大きく変わってくるでしょう。

主人公は「そんな世界を私は信じる」と語っています。

それは、信じることが「生きるみなもと」だからです。

信じることと生きることは密接に繋がっていて、信じるからこそ人は生きていけます。

自分と他者、そして世界の在り方を受け入れ信じる行為が命を表しているのだから、この時代にも信じることを決して諦めてはいけないという真っ直ぐなメッセージを感じます。

いくつになっても噛み締めたい味わい深い歌

合唱曲『信じる』は、人生において信じることがいかに重要なことかを教えてくれる楽曲です。

言葉は短いですが、そこには人が人として生きていくために欠かせない深いメッセージが込められています。

年齢を重ねるごとにこの歌詞を振り返り、気持ちを新たにしていきたいですね。

この特集へのレビュー

この特集へのレビューを書いてみませんか?

この特集へのレビューを投稿

ニックネーム
性別
年代
  • ※ニックネーム・性別・年代は初回のみ入力できます。
  • ※レビューは全角10文字以上、500文字以内で入力してください。
  • ※他の人が不快に思うような内容や個人情報は書かないでください。
  • ※投稿後の編集・削除はできません。
UtaTenはreCAPTCHAで保護されています
プライバシー - 利用契約