「プロポーズ」で爆発的ヒット、ボカロP「内緒のピアス」とは
内緒のピアスは情緒的な表現で人気を得るボカロPです。2021年9月に「シャボン」という楽曲でデビュー。
21作目となる「プロポーズ」で大ヒットし、それ以降も「エピローグ」「バースデイ」など切なく重苦しい執着を描いたラブソングを中心に人気を集めています。
合成音声は可不を中心に、巡音ルカやflowerなども使用。
繊細な歌声の合間に挟まれるがなりなど、曲調に合った迫力のある調声に定評があります。
内緒のピアスは現在も精力的に活動を続けている今注目のアーティストです。
今後の活躍にもご注目ください。
内緒のピアスが描く恋と愛と執着
「プロポーズ」という言葉を聞いてまず思い浮かぶイメージはどんなものでしょうか。
愛する相手に想いを伝え、永遠を誓う…そんな幸せな瞬間を想起する人がほとんどなのではないでしょうか。
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例えば君が
明日死ぬなら
僕は今から
笑って飛び込めるだろう
≪プロポーズ 歌詞より抜粋≫
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ボカロ曲「プロポーズ」はこんな歌詞で始まります。
はじめから王道のイメージを覆す、不穏さを感じる愛のかたちのストーリーが語られます。
君が命を落とすことがあるなら僕もそれを追うだろう。
大抵の人が本能的に持っている死に対する恐怖よりも、愛する相手のもとへ向かうことができるという幸福が勝っているような、そんな危うさがあります。
プロポーズというタイトルも相まって「病める時も健やかなる時も、死が二人を別つまで」という結婚の誓いを思わせる歌詞です。
しかし、この歌の「僕」にとっては死すら二人を別つ障害にはならない。
燃え上がるような恋であり、深い愛情であり、恐ろしさすら感じる執着です。
甘くて怖い、狂気的なまでの独占欲

ボカロ曲「プロポーズ」の魅力はやはり、甘い愛情の中に滲む狂気でしょう。
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仕方がないと
わかっているけど
この愛しさを
独り占めしたいよ
他の誰かの
頭の中に
君がいるなら
笑顔で潰して回ろう
≪プロポーズ 歌詞より抜粋≫
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愛する人の居場所が自分ではない誰かの心の中にあるなら、笑顔でそれを壊すことができる。
自分自身の命を投げ打つどころか他人を潰すことすら厭わない。
しかも、笑顔を浮かべたまま。
それこそが「僕」の愛の形に他ならないからなのかもしれません。
それは純愛の皮を被った狂気的な執着です。
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歯止めのない妄想と暴走
言えないことも全部 したいよ
可愛いその表情で僕のことを殴って 壊して
≪プロポーズ 歌詞より抜粋≫
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倒錯した妄想の暴走。
それを「君」は望んでいるのでしょうか。
これらすべては「僕」から向けられたものであり、決して愛する人からの言葉は語られません。
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君は ずるい ずるい ずるい ずるい ずるい 人だ、
聞いて 聞いて 聞いて 聞いて 聞いて 聞いてよ
お願い 優しく抱いて 優しく抱いて 優しく抱いて
≪プロポーズ 歌詞より抜粋≫
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サビで繰り返されるこの歌詞も切実さと紙一重の重たい感情を感じさせると同時に、一方通行の間柄であるという想像を掻き立てます。
常に相手が離れていくことを恐れ、不安のまま叫ぶような歌。
「僕」と「君」とは果たして真に愛し合っている関係なのか。
それとも「僕」の独りよがりなのか。
「僕と君」の関係と「プロポーズ」というタイトルの意味

「プロポーズ」は「結婚を申し込む行為」そのものを指します。
つまり恋人同士ではなくても成立する行為です。
本来自分と同じだけの愛情を寄せ合った恋人同士で行うものである結婚の申し込みですが、お互いの感情が異なっても、友人が相手でも、他人ですら自由なこと。
この曲の「僕と君」は一体どうなのでしょうか。
そんな疑念も含めて「プロポーズ」は危うく狂気的で、しかしそれでも深く重たい愛情の生み出す狂気的な美しさに溢れています。
内緒のピアスは不穏さをはらんだラブソングを多数公開しているボカロPです。
「プロポーズ」の雰囲気が好きな方は他の楽曲もぜひ聞いてみてください。