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サカナクション「いらない」歌詞の意味を考察!ドラマ「こちら予備自衛英雄補?!」主題歌で歌う自己に対する葛藤と受容

同郷の加藤浩次が初監督を務めるドラマ『こちら予備自衛英雄補?!』の主題歌として書き下ろされた、サカナクションの『いらない』。拒絶しながらも求めてしまう矛盾した心を描いた歌詞の意味を考察します。

約1年ぶりリリースのシングルは加藤浩次初監督ドラマの主題歌に

2026年2月11日、サカナクションの約1年ぶりの新曲『いらない』が配信リリースされました。

菊池風磨主演、加藤浩次が初のドラマ監督を務める1月期放送の中京テレビ・日本テレビ系ドラマ『こちら予備自衛英雄補?!』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。

『こちら予備自衛英雄補?!』は、“クセだらけの能力”を秘めていた7人の男女がコンプレックスで地球を救う、前代未聞のヒーロー×密室コメディー作品。

北海道小樽市出身という同郷の縁で交流が続くなか、加藤からのオファーに応えて『いらない』が制作されました。

「いらない」というタイトルにはどのような想いが込められているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
▲サカナクション-いらない【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

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サイコな感じで踊った
唾吐く仕草に似ていた
暗い部屋 転がる黒いヘッドフォン
ただ足踏みするように踊った
確かに瞼は閉じてた
恐ろしいくらいにのめり込んでるよ
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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「暗い部屋 転がる黒いヘッドフォン」の描写は、主人公が置かれている状況と心情の陰鬱さを表していると思われます。

主人公はそこで「サイコ(狂気的)な感じで踊った」とあり、常軌を逸しているほど一心不乱に踊っている様子が見えてきます。

踊るという行為は楽しくポジティブなイメージがありますが、それが「唾吐く仕草に似ていた」表現されているのが印象的です。

主人公が踊りを攻撃的に感情を吐き出すものと見なしていることが伝わってくるでしょう。

続く部分では瞼を閉じて「ただ足踏みするように踊った」ともあり、確かに外界を遮断し集中して踊っているのに、少しも前に進まず停滞していると感じているようです。

踊る自分を俯瞰的に見ている表現は、心と身体が解離していて自分でもうまくコントロールできていない状態を指しているのでしょう。

そうしているうちに冷静さを欠いてしまい、「恐ろしいくらいにのめり込んで」しまいます。

“あの子”は自分自身のいらない部分


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ほらサイコなあの子も踊った
真っ暗闇 心がゴワゴワ
馴染んでくビートがまるでリンスのよう
ただ重なる二人は知ってた
もどかしいこの世に嫌々だ
迷子になるほどねじ曲がってる
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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この部分では、主人公と同じように踊る「サイコなあの子」が登場します。

一緒に踊っているのであれば気分は晴れそうにも思いますが、そこはまだ「真っ暗闇」です。

また、自分のことは踊っている様子を「サイコ」と表現しているのに対し、「あの子」のことはその存在自体を「サイコ」と見ています。

主人公にとって「あの子」は、相容れない存在のようです。

「心がゴワゴワ」というフレーズは、心に引っかかる不快感を絶妙に表現していますね。

しかし、ヘッドフォンから流れるビートが徐々に馴染んでいき、心を解きほぐしていくさまは「まるでリンスのよう」。

初めは「あの子」を受け入れられなかった主人公ですが、音楽に合わせて踊っているうちに共鳴し、踊りも心も重なり合うのを感じます

二人はこの世の中がもどかしくねじ曲がっていて、そこで自分たちが迷子になっていることを知りながら嫌々生きています。

踊りは、諦めず懸命に生きる彼らが感情を表現するための手段なのかもしれません。

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君のことなんていらない
なのに感じてる
まだ揺れてるよ

君のことなんていらない
なのに探してる
知らないうちに
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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主人公は「君」、つまり「あの子」に「いらない」と繰り返し拒絶します。

しかし、「なのに感じてる」「なのに探してる」と無意識に求めている自分にも気づいています。

「まだ揺れてるよ」ともあり、一緒に踊ったときの感覚が忘れられないのでしょう。

主人公が拒絶しながらも求めてしまう「あの子」は、自分自身の中にいるもう一人の自分と解釈できます。

こうありたいと思うようにできず突っ走る「サイコ」な自分が邪魔で「いらない」と思う一方、そうした一面に心を惹かれる瞬間がある。

自分の二面性に苦しみつつ、自然と引き寄せられる気持ちに戸惑う様子が見て取れます。

行き着いた“全てを知りたい”という気持ち


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まだサイコな雰囲気で踊った
どうやら今夜もまだまだ
スパイ映画 観るくらいに僕は絶好調
でもおかしくなるほどあの子が
頭の裏側でバタバタするから
どうにか抑え込みたくて
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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踊ることで感情を吐き出す術を得た主人公は「絶好調」と言っていますが、これはカラ元気としか思えません。

「おかしくなるほどあの子が 頭の裏側でバタバタする」のも、主人公の本当の感情や痛みに気づいているからでしょう。

どうにか抑え込んでまともでいたいと思いますが、本当は不調を抱えているため吞み込まれていきます。

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僕のことなんていらない
なんて言わないで
目が血走るよ

僕のことなんていらない
なんて言われたら
火花が散るよ
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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僕のことなんていらない なんて言わないで」という言葉は、社会と自分自身に対するメッセージのようです。

不器用な自分を社会に受け入れてほしいと思うのは当然のことです。

また、受け入れにくい一面も自分の一部だから受け入れたいと感じるのも自然なことでしょう。

少しずつ「僕」と「君」が一つになっていっているような感覚を覚えます。

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君の全てを知りたい
僕は全てを知りたい
≪いらない 歌詞より抜粋≫
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ついに主人公は「君の全てを知りたい」と認めます。

「君の全て」を理解するということは、自分自身の複雑な面をありのまま受け入れるということ。

簡単なことではありませんが、受け入れる決意をしたときに初めて自分自身の本質が見えてきます。

そして、それによって生き方や他者との関わりにも変化が生まれてくるはずです。

自分の“いらない”と思うような部分を受け入れる大切さが学べます。

サカナクションの独特な世界観を堪能しよう!

サカナクションの『いらない』は、誰しも感じる自分自身へのネガティブな見方を示しながらも、受容することの価値に気づかせてくれる楽曲です。

MVは80年代を思わせるネオンに囲まれた不可思議なレストランを舞台に、山口が謎の女性に二人羽織をされて操られる様子を捉えています。

独特な世界観を持つMVと歌詞から、自分自身に対する見方をじっくりと考えてください。

2005年に活動を開始し、2007年にメジャーデビュー。 日本の文学性を巧みに内包させる歌詞やフォーキーなメロディ、ロックバンドフォーマットからクラブミュージックアプローチまでこなす変容性。 様々な表現方法を持つ5人組のバンド。全国ツアーは常にチケットソールドアウト、出演するほとん···

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