童謡「一年生になったら」はいつできた?

童謡『一年生になったら』は、幼稚園の卒園式や小学校の入学式など、小学一年生を迎える前に多く歌われる楽曲です。
多くの人が「一年生が始まる」という期待に胸をワクワクさせながら歌った記憶があるかもしれませんね。
親御さんは「子どもが楽しい小学校生活を送れますように」と、願いながら聴いていたことでしょう。
『一年生になったら』は、1966年に発表された童謡です。
作詞はまど・みちお、作曲は山本直純です。
まど・みちおは、詩人・作曲家として有名な人物。
作詞を手がけた童謡には『ぞうさん』、『やぎさんゆうびん』、『ふしぎなポケット』、『あわてんぼうの歌』などがあります。
まどは104歳で亡くなりましたが、90歳を超えても創作活動を継続していました。
山本は日本を代表する作曲家・指揮者として多くの楽曲を手がけました。
映画『男はつらいよ』、大河ドラマ『武田信玄』、バラエティ番組『8時だョ!全員集合』、音楽番組『ミュージックフェア』のテーマソングなど、数多くの代表作があります。
髭とメガネがトレードマークの自由奔放なキャラクターで、タレントとしても人気がありました。
シンガーソングライターのさだまさしと交流があり、さだのライブでは山本とのおもしろいエピソードを数多く披露。
さだの代表曲『親父の一番長い日』では、山本が編曲を行っています。
一年生になる喜びと期待

『一年生になったら』は、新一年生になる喜びと期待が描かれた楽曲。
「たくさんの友達ができるといいな」という夢が、無邪気な子ども目線で語られています。
歌詞の意味を紐解きます。
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いちねんせいに なったら
いちねんせいに なったら
ともだちひゃくにん できるかな
ひゃくにんで たべたいな
ふじさんのうえで おにぎりを
ぱっくん ぱっくん ぱっくんと
≪一年生になったら 歌詞より抜粋≫
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一年生になる喜びと期待で胸がいっぱいです。
幼稚園とは違った生活が始まり、クラスメイトも増える。
100人とは比喩的表現で「たくさんの友達と出会えるといいな」という想いです。
歌詞に富士山が出てくるのは、遠足の楽しい風景を想像させます。
みんなで仲良くお弁当のおにぎりを食べたい、そんな気持ちが伝わってきますね。
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いちねんせいに なったら
いちねんせいに なったら
ともだちひゃくにん できるかな
ひゃくにんで かけたいな
にっぽっんじゅうを ひとまわり
どっしん どっしん どっしんと
≪一年生になったら 歌詞より抜粋≫
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2番の歌詞では、かけっこの様子が見受けられます。
休み時間の遊びや運動会の様子が描かれているのでしょう。
日本を一周できるかな?という子どもらしい無邪気な挑戦がかわいらしく感じます。
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いちねんせいに なったら
いちねんせいに なったら
ともだちひゃくにん できるかな
ひゃくにんで わらいたい
せかいじゅうを ふるわせて
わっはは わっはは わっはっは
≪一年生になったら 歌詞より抜粋≫
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友だちみんなと楽しく過ごしたいという願望です。
それは、みんなで笑い合って世界を揺さぶるほどの規模です。
1番では富士山、2番では日本、3番では世界と、どんどんスケールが大きくなっていることがわかります。
友だちと出会うことで、自分自身の視野がどんどん広がっていく可能性を描いているのではないでしょうか。
友だちと過ごすことで自分の世界が広がる、人間として大きく成長できる、そんなことを歌詞に込めているのではないでしょうか。
「ぱっくん ぱっくん ぱっくんと」、「どっしん どっしん どっしんと」、「わっはは わっはは わっはっはと」と、同じ言葉をリズミカルに重ねている点が、子ども心を刺激します。
一年生を前にした幼稚園生がみんなで歌いやすく、体で表現しやすいことも魅力的です。
まど・みちおが描きたかったこと

まど・みちおの作風は、ユーモアにあふれると共に、小さなものに寄り添い、誰も取り残さないという信念に満ちています。
人間はもちろん、石ころや小さな虫、植物など、あらゆるものに目を向け、どれも大切な命として慈しむ人物です。
まどの作風を思えば『一年生になったら』で描かれるのは、「クラスや学校で誰とでも仲良くしなければならない」という強制的な想いではありません。
一年生になる子どもの視点で歌われた「友達が100人=たくさんできたらいいな、できたら楽しいだろうな」という純粋な願いです。
人それぞれ個性があり、活発な子もおとなしい子もいるでしょう。
そうした一人ひとりを包み込み、「誰も取り残さず、みんなが仲良くできたらいいな」という優しい願いを込めた歌詞には、子どもを温かく見守る、まどのまなざしが感じられます。
子どもの期待や夢を素直に歌った『一年生になったら』は、これから始まる新一年生の生活が「楽しく喜びに満ちたものになるように」という、作者の深い願いから生まれた歌なのではないでしょうか。
歌い継がれる童謡・新一年生へのあたたかいエール
『一年生になったら』は、幼稚園の卒園式や小学校の入学式などで歌われる童謡です。子ども視点で「友だちが100人=たくさんできたらいいな」という願いと期待が描かれています。
作詞したまど・みちおは、子どもたちの学校生活が楽しいものになるように、と願いを込めて創ったのではないでしょうか。
卒園、入学シーズンに多く歌われる『一年生になったら』は、子どもたちの未来が幸せでありますように、という想いと共に、これからもずっと歌い継がれていくことでしょう。
