言語も次元も超える、バーチャルシンガー理芽
理芽は日本のバーチャルシンガーです。KAMITSUBAKI STUDIOに所属しており、バーチャルアーティストグループ「V.W.P」のメンバーとして活躍中。
音楽的同位体「裏命(RIME)」プロジェクトでもその特徴的な歌声は活かされており、幅広い場所で躍進を続けています。
儚くも芯のある歌声は勿論、「日本語、英語、韓国語の歌が好き」というプロフィール通り多言語での歌唱の評価が高く、次元だけでなく言語すら超える歌姫としてその名が知られています。
代表曲「食虫植物」は大ヒットを記録。
他にも専門学校HALのCMソングとして採用された「ピルグリム」など、様々な人気曲が存在しています。
言うにも抱えるにも重たい、憎くて愛しい恋心
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食べなくちゃ 食べなくちゃ
嫌なこと忘れさせて?
いかないで、ねぇいかないで?
君の体温と、心、臓。
≪食虫植物 歌詞より抜粋≫
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「食虫植物」はそんな歌詞で始まります。
どれも断片的な情報です。
しかし、ここから鮮明に、好意を寄せる相手が離れていってしまうこと、その空白を食べるという行為により逃避する主人公の輪郭が浮かび上がります。
この曲の主人公は、欲しい愛を得ることができない飢餓感を食事という他のもので代用しようとしているのかもしれません。

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アイ アイ アイラブユーと
アイ アイ アイヘイチュー
君のすべてがあたしならいいのに
≪食虫植物 歌詞より抜粋≫
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好きだけれど憎くてたまらない。
それは、自分を好いてくれない思い通りにならなさに対する苛立ちなのかもしれません。
もしくは、相反する感情を抱きながらそれでも「君」を自分のものにしたいという複雑な感情を抱いているのかもしれません。
そして、「あたしのものならいいのに」ではなく「あたしなら」という言葉選び。
より心の隅々まで理解し、より深くまで己のものにしたいというような、溺れるほどの執着を感じます。
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愛されたい、愛されたい
愛されたいのは機密事項!
≪食虫植物 歌詞より抜粋≫
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どうしようもなく空いた心の隙間を抱えていながら、主人公は想いを伝えることはできません。
叶わない恋だからでしょうか。
それとも、愛されたいという強すぎる感情は「重い」と思われてしまうからでしょうか。
どちらにせよ、このまま抱き続けても未来のない、報われない恋なのだと察することができます。
愛の飢えを別のもので埋める、満たされない循環

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吐かなくちゃ、もう吐かなくちゃ
さめざめ泣いても終電だ
可愛くない、可愛くない
可愛くないから、消えたい?
≪食虫植物 歌詞より抜粋≫
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空白を食べ物という代用品で埋める主人公。
しかし食べ過ぎてしまえば「かわいくない」自分になってしまう。
あの人に好かれたい、あの人が好きなあの子みたいになりたいから食べたものは吐き出さなければいけない。
そうすれば再び飢えがやって来る。
また食べる。
そんな悪循環の中で、主人公は飢え続けることしかできないのです。

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満たされたい、満たされたい
満たされないから、嫌い。
愛されたい、愛されたい
愛されたいのは、地球規模!
≪食虫植物 歌詞より抜粋≫
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この曲のタイトルは「食虫植物」。
食虫植物とは名前の通り、ハエや毛虫など小さな虫を捕食する植物のことを指します。
二枚貝のような葉で挟みこむことで獲物を捕まえるハエトリグサや、袋状になった葉の中に溜まった消化液で獲物を解かすウツボカズラが有名です。
わざわざ土や光からではなく生物から栄養を得るのは、彼らが砂地など栄養の少ない土地に生える植物だからです。
本来得られる筈の栄養を望めず、そのため異なる方法で生存する。
その姿は、欲しい愛情を得ることができず、過食嘔吐を繰り返すことしか出来ない主人公の姿に重なります。
しかし、決して植物ではない主人公の心の穴はそんなものでは満たされないのです。
行き場のない愛の飢えを歌う「食虫植物」

「食虫植物」は、満たされない愛の飢餓感に苛まれる主人公を食虫植物に例えた一曲です。
主人公は食虫植物のようでいて、しかしそのものにはなれない。
環境に適応した植物とは異なり、主人公の愛の飢えはたった一人の愛する人から向けられる愛情でしか満たされません。
満たされないことを理解していて、消えたい。
いつまでもこの飢餓感が消えることなどないなら、いっそいなくなってしまいたい。
気だるげでアンニュイな本楽曲には、そんな日々へ悲鳴を上げることにも疲れてしまったような、そんな倦怠感が漂っています。
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