いまの若い世代にはわからないから注釈がいるよね!と話題になっている歌があります。
爆発的にヒットした宇多田ヒカルの「Automatic」です。
ことの発端はこの方のツイート。
「7回目のベル※1で受話器※2を取った君 名前を言わなくても声ですぐ分かってくれる※3」
— くろみや (@kuromiya9638) 2016年6月10日
※1 昔の着信音や呼び出し音のこと。この場合は呼び出し音。
※2 昔の電話についていた、通話時に本体から取り外し耳に当てる部分。
※3 昔の電話は着信時に相手は表示されなかった。
「Automatic」の発売は1998年12月ですので、すでに20年近く前になります。
この楽曲がテーマに使われていた「笑う犬の生活」も、今となっては伝説のコント番組といえますね。
さて、今回話題になったことで、「受話器」が既に死語になりつつあると認識されそうですが、この「受話器」という言葉は多くの歌詞に登場します。
中島みゆき「悪女」
「受話器をはずしたままね 話し中」
昔の電話は受話器が電話機本体から外れていたら話し中となり、電話は着信しませんでした。
キャッチホンなども効果がありません。そもそも受話器を意図的に外すということは、「私いまは取り込み中で忙しいから、電話してこないで」という意思表示ですし、-彼氏と一緒の時に邪魔されたくない-という時には、こうすることができました。
最後に受話器繋がりでもう一つ
BOOWY「ハイウェイに乗る前に」
「Telephone box コインは入れずに 受話器置いたぜ」
もはやいろいろ古くて伝わらないかも知れません。
Telephone boxは直訳すると電話ボックスです。電話がボックス・・・? 一昔前の公衆電話は人が入れるハコになっているのが主流でした。夏は暑くてとても長電話なんかできるもんじゃありません。
コインは入れずには、公衆電話はコイン(10円)でかけていました。テレフォンカードではありません。あ、テレフォンカードが既にわからないか・・・・
受話器置いたぜ。こちらは受話器を電話機の上に正確にそっと置いてみた。ということではなく、受話器を電話機に戻したということです。え?それなら電話できる状態にしたということです。結局何を歌いたいの?この曲 と思われたことでしょう。
これは、「電話しようと思って、受話器を取ったけど、考えて思いためらって、コインを入れる前に受話器を戻した」という、葛藤を表現しているんですね。
あなたも電話にまつわる物語を、歌詞の中からさがしてみてはいかがでしょうか?