ヘッドレスギターを好きなアーティストが使っていたり、楽器店やネットで見かけたりして気になっている人も多いのではないでしょうか?
奇抜なルックスながらも、実は楽器としての性能もバツグンなので、サウンドと個性の両方を重視するプレーヤーから親しまれ続けていますよ。
この記事のもくじ
ヘッドレスギターとは
ヘッドレスギターとは、弦を巻きつけるペグやロゴなどが付いている「ヘッド」がないエレキギターのことです。
STEINBERGERの創始者ネッド・スタインバーガーの独創的なアイディアから生まれたギターで、80年代の登場以降多くのギタリストに親しまれています。
コントロールノブやピックアップ、ブリッジなど必要なものは残し、電子楽器には不要と考えられる部分を削ぎ落とした、特殊な設計が特徴。
見た目は個性的ですが、エレキギターとしての機能は通常モデルと同じなので、違和感なく持ち替えられます。
また、変形ギターのような弾きにくさもなく、むしろ高い演奏性を持っているのもポイントです。
見た目も演奏性も重視するプレーヤーには特におすすめのエレキギターなので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
ヘッドレスギターのチューニング方法
ヘッドレスギターのチューニング方法は、ブリッジに付いたネジを回すのが基本です。
少し特殊ですが、ブリッジがペグと一体化した構造になっているだけなので、普通のギターと同じ感覚でチューニングできますよ。
また、弦を巻きつけるのではなく、引っ張るだけの構造なので、激しいアーミングでもチューニングが狂いにくいというメリットがあるのもポイント。
初めは違和感があるかもしれませんが、やり方を意識して練習すればすぐに慣れるので、焦らずゆっくりと進めていきましょう。
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ヘッドレスギターのメリット
普通のエレキギターにはない特徴をたくさん持っているのが、ヘッドレスギターの魅力です。
もちろん、人差し指を中心に使ったチョーキングが難しい、木材部分が生み出す独特な鳴りが少ないなどのデメリットもあります。
しかし、そのデメリットを超えるようなメリットも数多く存在しますよ。
次は、ヘッドレスギターの特徴をメリットを中心に紹介します。
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コンパクトで持ち運びやすい
ヘッドレスギターはヘッド部分がなく、ボディもコンパクトなモデルが多いので持ち運びに便利です。
重量も2.5kg前後と、レスポールよりは1kg〜2kgほど、ストラトよりも500g〜1kgほど軽いので長距離の移動も快適。
専用ケースに入れれば見た目もスタイリッシュなので、ギターケースの見た目が苦手という人でも気軽に持ち運べますよ。
定番のレギュラースケールを採用しながらも、コンパクトで軽い設計になっているのがヘッドレスギターの魅力です。
クリアでストレートなサウンド
幅広いジャンルに使える、クリアかつストレートサウンドを持っているのもヘッドレスギターの特徴です。
ヘッドレスギターはヘッドが無く、ボディの体積も少ない構造のため、弦の振動がダイレクトに反映されたストレートなサウンドを持ちます。
また、多くのモデルがノイズに強いピックアップを採用しているので、音質もクリアな傾向があります。
鳴り方や音域のクセが少ないことにより、どんなエフェクターやアンプと組み合わせてもバランスの良いサウンドが得られるのもポイントです。
モダンな仕様を積極的に採用している
ヘッドレスギターの特徴は本体のデザインだけでなく、パーツ・仕様も機能性を重視したものになっていることです。
多くのモデルが激しいアーミングに対応した独自設計のブリッジ、演奏性に優れた薄めのネックといったモダンな仕様を採用しています。
またミドルクラス以上になると、ハムでシングル風の音が出せる「コイルタップ機能」、ノイズや劣化に強い音を出力する「アクティブピックアップ」を採用したモデル。
フレットを斜めに打つことで各弦の張力を最適化した「マルチスケール(ファンフレット)」や、人間工学を取り入れたボディ形状を採用したモデルも登場します。
多機能な設計のため初心者には不向きですが、演奏性や機能性を求める人なら快適に使えるでしょう。
チューニングが狂いにくい
激しいアーミングやチョーキングにも耐えられる、優れたチューニングの安定性を持っているのもヘッドレスギターの魅力です。
ヘッドレスギターは、ナット部分とブリッジ部分で固定した弦を引っ張ることでチューニングを合わせています。
フロイドローズやロックペグ搭載モデルのように、必要最小限の長さの弦を巻きつけることなく活用する構造なので、激しくアーミングしてもチューニングが狂いにくいですよ。
ハードなインストやメタルにも対応できるほどの安定性を兼ね備えているので、激しい音楽が好きな人は要チェックです。
ヘッドレスギターのデメリット
優れた機能性と演奏性を持つヘッドレスギターにも、いくつかのデメリットがあります。
セッティングや慣れでカバーできるものも多いですが、専用の小物を購入しないと対処できないものもあるので、購入を考えているなら事前に確認しておきましょう。
メリットの次は、ヘッドレスギターの代表的なデメリットを4つ紹介します。
吊り下げタイプのスタンドやクリップチューナーが使えない
ヘッドレスギターのデメリットは、吊り下げタイプのスタンドやクリップチューナーなどの小物が使えないことです。
モデルによってはクリップチューナーが使えるものもありますが、基本的にヘッドがあるギター向けに設計された小物類は使えないと覚えておきましょう。
また、立てかけタイプのスタンドに関しては、ボディ幅との兼ね合い次第な部分もあるため、使用を考えている場合は事前にサイズを確認しておくのがおすすめです。
弾き心地が独特
ヘッド部分の重さがない分、独特な弾き心地になっているのも人によってはデメリットになるでしょう。
特に楽器の重量を使ってチョーキング・ビブラートする弾き方の場合は、フォームの改善が必要になるため、弾きにくさを感じやすいです。
また、ネック側とボディ側の重量バランスが独特なので、ギターの持ち替えに慣れていない人は違和感を覚えることもあります。
慣れれば快適に演奏できますが、最初の方は弾きにくいと感じる場合もあると覚えておきましょう。
サウンド面の個性は控えめ
ヘッドレスギターは木材部分が生み出す独特な鳴りが少ないため、サウンド面の個性も控えめです。
この個性の少なさは複数のジャンルを1本で演奏するとき、エフェクトを多用するときなどには利点となります。
しかし、楽器としてクセが少ないということは、木材ならではの鳴りや個性を求める人や、特定のジャンルのみを演奏する人にはデメリットとなるでしょう。
汎用性が高く、機能性にも優れている分、器用貧乏になりがちなのがヘッドレスギターのデメリットです。
ケースのラインナップが少ない
通常タイプのギターと比べると、ケースのラインナップが圧倒的に少ないのがヘッドレスギターのデメリットです。
これは、メーカー・モデルによってボディ形状が異なるほか、ストラトキャスターやレスポールと比べてマイナーな存在のため。
もちろんヘッドレス向けのケースもいくつか販売されていますが、デザインのバリエーションが少ないのでケースにもこだわりたい人は不満を感じてしまうでしょう。
ヘッドレスギターを自作する方法
ヘッドレスギターは、市販のギター自作キットを使えば自分で作ることも可能です。
ギター自作キットとはボディとネック、ブリッジ、電子パーツがセットになった、気軽にギター製作を楽しめるアイテム。
電動ドリルやドライバー、ハンダごて、クランプなどを用意する必要があるため少しハードルが高いですが、DIY好きなら楽しみながら製作できます。
塗装も自分好みにできるほか、好みのパーツを組み込むなどのカスタマイズを楽しめるのもポイント。
専門店はもちろん、Yahoo!ショッピングやamazon、楽天など大手通販サイトでも扱っているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
ヘッドレスギターのおすすめ6選
ヘッドレスギターのメリットや特徴を知ったら、どんなモデルがあるのか気になってしまいますよね。
リーズナブルな価格帯の品揃えが豊富なのはもちろん、個性的な仕様のミドルクラスモデル、高性能なハイエンドモデルなど色々な商品が揃っていますよ。
最後に、ヘッドレスギターのおすすめモデルを、スペックや素材の解説を交えながら紹介します。
SPIRIT GT-PRO DELUXE / STEINBERGER
手軽にヘッドレスギターのサウンドを楽しみたい人におすすめなのが、STEINBERGERの「SPIRIT GT-PRO DELUXE」です。
4万円前後とリーズナブルな価格ながらも、ハムバッカー2基とシングルコイル1基のHSH配列を採用し、多彩なサウンドが出せるようになっています。
また、スケールは定番のレギュラースケールで、指板表面が平らな設計(14″R)になっているので演奏性もバツグン。
ネックの耐久性にも優れた、ギター初心者でも安心して使えるヘッドレスギターです。
Spirit by STEINBERGER GT-PRO DELUXE Outfit (Left-handed HB-SC-HB) BK レフトハンド エレキギター
Ultra-Light Electric / TRAVELER GUITAR
重量が約1.4kgと超軽量なヘッドレスギターが、アメリカ発のメーカー・TRAVELER GUITARが手掛ける「Ultra-Light Electric」です。
コンパクトな設計ながらも、ギブソン系のモデルと同じミディアムスケールと22フレット使用を採用することで本格的な弾き心地を実現。
ピックアップは1基のみですが、シングルサイズのハムバッカーを搭載しているのでポップスはもちろん、ロック系のジャンルも快適に演奏できますよ。
気軽に持ち運べるギターが欲しい人はもちろん、練習用の楽器が欲しい人にもおすすめのヘッドレスギターです。
TRAVELER GUITAR トラベラーギター Ultra-Light Acoustic ウルトラライト・アコースティック / Maple メイプル
Q52-LBM 【SPOT MODEL】 / Ibanez
人気ギターブランドIbanezが新たに開発した、多機能なヘッドレスギターが「Q52-LBM」です。
ボディ材には中音域が豊かに響くニャトー材を採用し、ヘッドレスタイプながらも木の豊かな鳴りが楽しめるようになっています。
ネックはローストメイプル系の素材とブビンガをあわせた3ピース構造になっているので、鳴りはもちろん耐久性にも抜群。
また、パーツ類には低音をブーストするスイッチやコイルタップなど、モダンな仕様を取り入れているのでサウンドの幅も広いです。
手が楽器に当たるときのストレスを軽減するコンター加工、弾きやすい12″Rの指板(ギブソン系のエレキと同じ)を採用するなど、演奏性にもこだわられたモデルです。
Q54-BKF 【SPOT MODEL】 / Ibanez
Ibanezの「Q54-BKF」は、近未来のストラトタイプをイメージさせるデザインが印象的なヘッドレスギターです。
基本的な仕様は「Q52-LBM」と同じですが、こちらはシングルコイル2基とハムバッカー1基のSSH配列仕様。
この配列によりコイルタップやスイッチを使わなくても、ピックアップの切り替えだけで幅広いサウンドが出せるようになっています。
また、シングルコイル本来の音が出せるので、カッティング系のフレーズも気持ちよく響くのもポイント。
フュージョンやファンク、R&B、ロックなどをメインに演奏する人にピッタリの、モダンな弾き心地のヘッドレスギターです。
GTRS W800 / MOOER
「GTRS W800」は高コスパなミニエフェクターやマルチエフェクターが人気のメーカー・MOOERが製造するヘッドレスギターです。
本体にスマホアプリと連携できる、マルチエフェクター・アンプシミュレーターを内蔵しているのが特徴。
20万円以上の高価なアンプシミュレーターと比べるとやや性能は劣りますが、これ1台でも多彩なサウンドが楽しめます。
本体のノブを操作することで、手軽に音色の変更ができるのもポイント。
ファンフレットも採用した、近未来的なスペックのヘッドレスギターです。
Boden RAS 6 / Strandberg
人間工学を取り入れた独自のボディシェイプ・ネックシェイプが多くのファンを魅了する、スウェーデン発のメーカー・Strandberg。
このStrandbergのエッセンスがお手頃な価格で楽しめるモデルが「Boden RAS 6」です。
BanG Dream!に登場する朝日六花のシグネチャーモデルの廉価版という位置づけながらも、上位モデルの仕様をしっかりと引き継いでいるのが特徴。
人間工学デザインのネック・ボディはもちろん、ファンフレットや0フレットも採用しているので、Strandbergならではの優れた演奏性を楽しめます。
価格は18万円前後とやや高めですが、Strandbergのエッセンスが存分に楽しめるモデルなので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
ヘッドレスギターは自作できる!個性的なギターで楽しく演奏しよう
ヘッドレスギターは斬新なルックスながらも、機能性に優れた個性的なギターです。
サウンドや演奏性はもちろん、持ち運びにも便利なので自宅練習から、スタジオ練習やセッション、ライブまで幅広く使えます。
定番シェイプのエレキギターと同様に、自作キットを使えばギター製作を楽しめるのもポイントです。
まずは、おすすめモデルや選び方を参考に自分好みの1本を見つけて、個性的なルックスやサウンドを楽しんでみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ヘッドレスギターとは、ヘッドがない構造のエレキギター
- 持ち運びが簡単で、多彩なサウンドが出せるのがヘッドレスギターの魅力
- ヘッドレスギターは、市販のギターキットと工具を用意すれば自作できる
- 本家STEINBERGERのモデル以外にも、色々なモデルが販売されている