リッケンバッカーに興味があるけれど、音質やスペックについては詳しく知らないという人は多いのではないでしょうか?
独特なルックスが印象的なギターですが、サウンドや機能も個性的で、その個性を生かしながら演奏すると圧倒的な存在感を示せるギターです。
この記事のもくじ
リッケンバッカーのギターの特徴
リッケンバッカーはアメリカのカリフォルニア州に本社を置く、エレキギターやエレキベースを製造する楽器メーカーです。
他のメーカーとは異なる個性的なデザインのギターを製造しているのが特徴で、サウンドもオリジナリティ溢れるものになっていますよ。
はじめに、リッケンバッカーの特徴を紹介するので、サウンドや弾き心地を知りたい人は参考にしてみてくださいね。
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ホロウボディ
リッケンバッカーのギターは、多くのモデルがホロウボディを採用しているのが特徴です。
ホロウボディとは内部に空洞があるボディタイプのことで、ストラトやレスポールに採用される空洞のない構造・ソリッドボディとは違った、ふくよかなサウンドを持ちます。
ボディ表面は平らな形状になっているのも特徴で、曲線的な加工が施されるギブソンのES-335(ホロウボディ)とも違った独特なデザインになっていますよ。
エレキギターには少ないホロウ構造を持ち、他のメーカーとは異なる加工、デザインが施されているのがリッケンバッカーのギターです。
フィフス・コントロール
フィフス・コントロールというノブが、トーンやボリューム付近に取り付けられているのもリッケンバッカーの特徴です。
このフィフス・コントロールはフロントピックアップの中低域や音量を増幅させる効果があり、トーンやボリュームと組み合わせると幅広い音色が作れますよ。
増幅させていないときはフラットでコード弾きにピッタリの音色、強くブーストさせたときは中音域が際立ったパワフルな音色になります。
ギター内部に電池やプリアンプを搭載しないパッシブ仕様ながらも、音作りの幅が広いことがリッケンバッカーの魅力です。
ステレオアウトプット
リッケンバッカーの360や620などの一部モデルには、ステレオアウトプットという特殊なジャックが搭載されています。
リアとフロントのピックアップの音を別々に出力できる機能で、シールドを差し込むジャックの隣に専用の穴が設置されていますよ。
使用方法は生産終了品の専用キットやステレオケーブルを使い、2台のアンプに接続するか2インプットに対応したアンプにつなぐ方法が一般的です。
専用機材や2台のアンプが必要になるため、気軽には使えない機能ですが、上手く使うと個性的なサウンドを出せます。
輪郭のはっきりしたサウンド
リッケンバッカーのギターは、全体的に輪郭のはっきりしたサウンドを持っているのが特徴です。
ボディとネックの両方に硬質な木材のメイプルが使われており、サウンドもメイプルの特性が表れたハリのある音質になっています。
輪郭のはっきりしたサウンドが有名なテレキャスターに比べると、高音域はややマイルドで、中音域が強調されたサウンドです。
ロックの伴奏にピッタリのサウンドなので、ギターボーカルやコード弾き中心の演奏をする人はぜひ試してみてくださいね。
リッケンバッカーのギター種類
リッケンバッカーのギターは、人気のホロウボディモデル以外にもいくつかの種類があります。
ボディに空洞のないソリッドボディを持つモデル、ヴィンテージ品を意識したものなどさまざまで、音質やスペック、演奏性から選べるようになっていますよ。
特徴の次はリッケンバッカーの店舗でもよく見かける定番シリーズや、ハイエンドシリーズなどを紹介します。
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300シリーズ
リッケンバッカーの中でもトップクラスの人気を持つ、スタンダードなスペックのギターが300シリーズです。
メイプル材を使ったホロウ構造のギターで、エアー感がありながらも輪郭のあるサウンドを実現。
ブリッジからナットの長さを表すスケールはミディアムスケールと、他社のホロウモデルと同じですが、フレットは多めの24フレット仕様になっています。
ラインアップはスタンダードな「330」や上位モデルの「360」などがありますよ。
600シリーズ
600シリーズはリッケンバッカーが開発した、ソリッドボディを持つエレキギターです。
素材は300シリーズと同様にメイプルを使用していますが、ネック材をボディの端まで伸ばし、2つのボディ材で挟み込んで組み上げられるスルーネック構造になっていますよ。
内部に空洞を持たないためハウリングに強く、音質もよりタイトなサウンドになっています。
深く歪ませても存在感のある音が出せるので、激しいロックを演奏したい人にピッタリのモデルです。
12弦シリーズ
リッケンバッカーの「330」や「360」、イギリス国内向けモデル「1993」には12弦モデルもラインアップされています。
6個のペグとクラシックギターのような縦に弦を巻くスロットヘッドが一体となった構造で、メインの弦と複弦の位置が通常の12弦ギターと逆になる設計になっています。
ナットの幅やヘッドの形などは通常タイプと同じであるため、6弦ギターのような感覚で演奏できるのもポイント。
高い演奏性と12弦ギターのきらびやかなサウンドを併せ持った、個性的な構造のシリーズです。
ヴィンテージシリーズ
ヴィンテージシリーズはリッケンバッカーの50年代後半や60年代の名器を再現した、最上位シリーズです。
360や381などの型番の次に「V」と記載されたシリーズで、右側の63や58といった数字は再現した年代を表しています。
当時の再現モデルなので21フレット仕様や厚めのあるボディ設計など、現行モデルと少し違ったスペックを持っているのも特徴。
現在は「Model 381V69」のみの製造ですが、最高のリッケンバッカーが欲しい人は要チェックのシリーズです。
Cシリーズ
Cシリーズもヴィンテージシリーズと同じく、往年のリッケンバッカーの名器を再現したシリーズです。
こちらも最上位シリーズという位置付けで、製造方法や品質基準も最新のものを採用しています。
Cシリーズの325タイプ「Model 325C64」はビブラートユニットに改良が施されるなど、再現だけでなく演奏性の向上も考えられていますよ。
現行のラインアップは64年製325のリイシューモデル「Model 325C64」と、63年の12弦モデルを復刻した「Model 360/12C63」の2種類です。
リッケンバッカーのギターを使用したアーティスト
リッケンバッカーは、国内外のさまざまなアーティストが愛用しています。
イギリスのアーティストが中心ですが、アメリカのミュージシャン、日本のシンガーソングライターなどの愛用者も多いです。
それぞれが輪郭のはっきりしたコード弾きにピッタリなサウンドを生かし、歌やバンドサウンドを引き立てていますよ。
種類の次はリッケンバッカーのギターを愛用する、素敵なアーティストを紹介します。
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ジョン・レノン
ジョン・レノンはビートルズのギターを担当し、リッケンバッカーが人気メーカーとなるきっかけを作ったアーティストです。
デビュー以前からショートスケールと3つのピックアップが特徴の「325」を使用しており、デビュー後もメインとして愛用しています。
58年製や64年製の使用が有名で、64年製の12弦タイプやローズ・モリス社がオーダーした「325」のマイナーチェンジモデル「1996」も所持していますよ。
「325」タイプは現在Cシリーズのみの生産ですが、ジョン・レノンモデルという愛称で親しまれ、ギタリストの憧れの存在となっているギターです。
ジョージ・ハリスン
ビートルズに所属し、解散後もソロアーティストとして精力的に活動したジョージ・ハリスンもリッケンバッカーを愛用しています。
初めて手にしたモデルは「425」というピックアップを中央に1基配置したタイプで、ジョン・レノンの「325」と合わせるために黒にペイントして使用していました。
その後、63年製の「360/12(12弦タイプ)」を入手し、ライブやレコーディングで12弦ならではの広がりのあるサウンドを披露しています。
当時はエレキの12弦は珍しく、マイナーな存在でしたがジョージ・ハリスンの使用により有名になりました。
椎名林檎
椎名林檎はリッケンバッカーのソリッドボディモデル「620」を愛用するアーティストです。
カラーはミッドナイトブルーで2000年頃のツアーで使用しているほか、5thシングル「ギブス」のMVでも使われていますよ。
また、代表曲「丸の内サディスティック」の歌詞に「リッケン620」というフレーズが登場することも有名。
近年のライブでは使用されていないようですが、彼女をイメージさせるギターとしてファンやロックギタリストから人気です。
リッケンバッカーのおすすめギター
特徴や種類が分かると、実際にどんなモデルが販売されているか気になってしまいますよね。
現代のロックにも対応できるモダンなモデルから、有名アーティストが使っているような名器を再現したモデル、12弦タイプなど色々な商品があります。
どのモデルもリッケンバッカーらしいサウンドが楽しめるので、音質の好みや演奏スタイルを考えながら選んでみてくださいね。
最後に、リッケンバッカーのおすすめギターを紹介します。
330 Mapleglo
リッケンバッカーのギターで、最もスタンダードなスペックを持つギターが「330 Mapleglo」です。
「Capri(カプリ)」という名称で親しまれるモデルで、ボディとネックにはメイプル、指板は塗装が施されたローズウッドが使用されていますよ。
ピックアップはメーカーオジリナルのシングルコイルピックアップを搭載し、パワフルな中音域と伸びやかな高音域を生み出しています。
演奏性や耐久性にも優れているので、リッケンバッカーをはじめて手にする人にもおすすめの高品質なギターです。
325C64 Jetglo
ジョン・レノンが愛用した64年製のリッケンバッカー「325」を復刻したモデルです。
3つのピックアップやショートスケール、21フレットなど当時の仕様を再現しており、カラーリングも白と黒のジョン・レノンが使用したモデルと同じになっていますよ。
指板表面のカーブ(ラディアス)はヴィンテージFenderに近い7.5インチと握りやすい形状、テールピースにはアーム付きのビブラートユニットを搭載しています。
税込み価格は50万円以上と高価ですが、ジョン・レノン好きは要チェックのギターです。
Model 381V69 Fireglo
69年製の「381」を復刻した、ヴィンテージシリーズのモデルが「Model 381V69」です。
「381」は角張った「330」と丸みを帯びた「360」の中間のようなフォルムが特徴で、ボディは他の300シリーズよりも厚めに設計されています。
ピックアップはパワーの低いヴィンテージタイプ、フレットは21と330よりも3フレット少ないため、その分ピックアップもネック寄りに移動していますよ。
クリアで抜けが良く、エアー感もあるサウンドが魅力の高品質なエレキギターです。
Model 620 Jetglo
600シリーズの現行モデルとして販売されているギターが、リッケンバッカーの「Model 620 Jetglo」です。
コンパクトなソリッドボディと高出力なピックアップが特徴で、激しいロックにも対応できる仕様になっていますよ。
ナット幅やネック形状もスリムな設計、スケールはフレットの間隔が短めのミディアムスケールを採用。
手が小さい人でも握りやすく、コードも押さえやすい演奏性に優れたギターです。
Model 1993 Plus Jetglo
「Model 1993 Plus Jetglo」は、The Whoのギタリストのピート・タウンシェンドの要望により誕生したモデルです。
「330/12(12弦タイプ)」のイギリス国内向けモデル「1993」のヴィンテージ品をベースに、部分的なアップグレードが施されているのが特徴。
弦の間隔を広く設計し直し演奏性を向上させたほか、Cシリーズと同じ補強材も使用されています。
イギリス仕様のFホールと、3つのヴィンテージピックアップが特徴的な12弦ギターです。
Model 330/12
「330」の12弦タイプとしてレギュラーラインで製造されているのが「Model 330/12」です。
基本スペックは「330」と同じですが、12弦仕様になっているため広がりのあるきらびやかなサウンドになっていますよ。
ソリッドタイプの12弦と比べると温かみのある音、ES-335の12弦モデルと比べると高音域がハッキリした輪郭のあるサウンドになっています。
他の12弦エレキとは違う、エアー感とハリを併せ持った個性的なモデルです。
リッケンバッカーのギターはジョン・レノンが愛したブランド!自分に合ったシリーズを選ぼう
リッケンバッカーは、ジョン・レノンが愛したブランドとして有名です。
他のブランドとは一味違った個性的なサウンドが魅力で、現在でもビートルズに影響を受けたバンドを中心に色々なアーティストから親しまれています。
オールラウンダーなタイプではありませんが、コード弾きやアルペジオではバツグンの存在感がありますよ。
シリーズごとに得意とするサウンドも違うので、演奏スタイルや音質、弾きやすさなどを考えながら自分に合ったシリーズを探してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- リッケンバッカーは輪郭のはっきりした音や、個性的な構造が魅力のギター
- リッケンバッカーにはスタンダードな300シリーズやソリッドタイプの600シリーズ以外にも、ハイエンドモデルや12弦タイプなどがある
- ビートルズをはじめ、国内外の色々なアーティストがリッケンバッカーのギターを使用している
- リッケンバッカー初心者にはシンプルな「330」や「620」がおすすめ
- 憧れのアーティストと同じスペックのギターが欲しいなら、ヴィンテージシリーズやCシリーズをチェックしてみよう