sanagi 歌詞 新東京 ふりがな付

隔離かくりされたこの部屋へやに
充満じゅうまんした黒くろい煙けむりは
既すでに心地良ここちよくて目めに浮うかぶ涙なみだに気きづく訳わけもなくて

追おうものも追おわれるものもどこかに消きえて無なくなっていって
ぽっかり空あいた穴あなにぴったりはまるのももう疲つかれたよ

黒くろい空そら
明あかるいテレビ
切きれかけの電球でんきゅう
そこらへんにありふれる
ものが寂さびしそうに見みえた

消きえてゆく記憶きおくの中なかで
どうでもいいことばかりが
私わたしの'何なにか’になって零こぼれ落おちた

紺こんの絵えの具ぐを塗ぬりたくったような
暗くらい海うみを一人ひとりで泳およいだ
寂さびしいも悲かなしいもわからないような私わたしに
この世界せかいはもったいないだろう

鮮あざやかな心こころで掬すくい取とってよ
そう思おもったころには呼吸こきゅうの仕方しかたを忘わすれた

消きえてゆく記憶きおくの中なかで
どうでもいいことばかりが
私わたしの'何なにか’になって零こぼれ落おちた

止とまらない'何なにか’は私わたしを
そっと包つつみ込こんで
私わたしは少すこしづつゆっくりと
さなぎになった

外そとを見みたいと思おもったわけじゃない
空そらを見みたいと思おもったわけじゃない

外そとを見みたいと思おもったわけじゃない
空そらを見みたいと思おもったわけじゃない