パラソルをかたむけ あの人ひとは笑わらった
"兄にいさんはあの町まちで 元気げんきかしら"と
ただ何なにも言いえずに うなずいた このぼく
大好だいすきなあの人ひとは 兄貴あにきの恋人こいびと
虞美人草ぐびじんそうの花はなが 日ひざしにゆれる
めまいがしそうな 昼ひるさがり
"兄にいさんにないしょ"と ぼくの汗あせぬぐった
ハンカチの移うつり香がが 哀かなしかったよ
夕月ゆうづきを見上みあげて あの人ひとは泣ないてた
"兄にいさんを誰だれよりも 愛あいしてたの"と
絵えのような横顔よこがお いつまでも 見みつめて
もう二度にどと帰かえらない 兄貴あにきを憎にくんだ
虞美人草ぐびじんそうの花はなは いつしか散ちって
ぬくもり恋こいしい 夕ゆうまぐれ
初雪はつゆきが来くる頃ころ あの人ひとは嫁とついだ
つぎの朝あさ ふるさとを捨すてた ぼくだよ
虞美人草ぐびじんそうの花はなが 咲さくたび思おもう
初はじめて愛あいした 人ひとのこと
あれはまだ この世よが 美うつくしく見みえた日ひ
あの人ひとも ふるさとも 今いまは遠とおいよ
パラソルparasoruをかたむけwokatamuke あのano人hitoはha笑waraったtta
"兄niiさんはあのsanhaano町machiでde 元気genkiかしらkashira"とto
ただtada何naniもmo言iえずにezuni うなずいたunazuita このぼくkonoboku
大好daisuきなあのkinaano人hitoはha 兄貴anikiのno恋人koibito
虞美人草gubijinsouのno花hanaがga 日hiざしにゆれるzashiniyureru
めまいがしそうなmemaigashisouna 昼hiruさがりsagari
"兄niiさんにないしょsanninaisyo"とto ぼくのbokuno汗aseぬぐったnugutta
ハンカチhankachiのno移utsuりri香gaがga 哀kanaしかったよshikattayo
夕月yuudukiをwo見上miaげてgete あのano人hitoはha泣naいてたiteta
"兄niiさんをsanwo誰dareよりもyorimo 愛aiしてたのshitetano"とto
絵eのようなnoyouna横顔yokogao いつまでもitsumademo 見miつめてtsumete
もうmou二度nidoとto帰kaeらないranai 兄貴anikiをwo憎nikuんだnda
虞美人草gubijinsouのno花hanaはha いつしかitsushika散chiってtte
ぬくもりnukumori恋koiしいshii 夕yuuまぐれmagure
初雪hatsuyukiがga来kuるru頃koro あのano人hitoはha嫁totsuいだida
つぎのtsugino朝asa ふるさとをfurusatowo捨suてたteta ぼくだよbokudayo
虞美人草gubijinsouのno花hanaがga 咲saくたびkutabi思omoうu
初hajiめてmete愛aiしたshita 人hitoのことnokoto
あれはまだarehamada このkono世yoがga 美utsukuしくshiku見miえたeta日hi
あのano人hitoもmo ふるさともfurusatomo 今imaはha遠tooいよiyo