人喰いオオカミとエリーゼ 歌詞 カノエラナ ふりがな付

この村むらには噂うわさがあった
満月まんげつの夜よるだけに現あらわれる
人喰ひとくいオオカミの話はなし
鋭するどい牙きば 滴したたる唾液だえき
血走ちばしったその大おおきな瞳ひとみに
恋こいに落おちた

村人むらびとは私わたしを嘲笑あざわらった
父とうさんも母かあさんも泣なき喚わめいた
ごめんね なんて言いえなかった
だって初はじめての恋こいだったから

私わたしはエリーゼ
月夜つきよに照てらされたオオカミさん
いけないと解わかっていたけれど
全すべてを捨すて 此処ここに来きた
私わたしはエリーゼ
最期さいごは食たべてもいいから その瞬間しゅんかんまで
私わたしお嫁よめにしてくれませんか

あの村むらから少すこし離はなれ
森もりの奥おくの小屋こやで暮くらしている
人喰ひとくいオオカミと私わたし
後悔こうかいなんて出来できない程ほどに
何なにもかもを超こえた二人ふたりは
愛あいし合あった

オオカミは私わたしを食たべなかった
それどころか 離はなさないと言いって
甘あまくて あつい 口付くちづけで
心こころを喰くらいつくした

私わたしはエリーゼ
闇やみに紛まぎれ人ひとを忘わすれた
ドロドロに溶とけて絡からみ合あった
幸しあわせ 二人ふたり 永遠えいえんに
私わたしはエリーゼ
狩かりに行いく彼かれを見送みおくって また眠ねむるの
遠とおくの方ほうで聞きこえた銃声じゅうせい

村人むらびとは彼かれを銃じゅうで撃うった
父とうさんも母かあさんも笑わらっていた
助たすけに来きた と差さし伸のべられた
手てを食くい千切ちぎった

私わたしはエリーゼ
月夜つきよに照てらされたオオカミ
いけないと解わかっていたけれど
この舌したは 味あじを知しっている
私わたしはエリーゼ
こんなに おいしいのに かれは どうして…
愛あいを知しった 人喰ひとくいオオカミとエリーゼ