漂泊者 歌詞 DUSTCELL ふりがな付

ありふれたいつも通どおりの生活せいかつ
皿さらから赤あかい果実かじつが不意ふいに
こぼれ落おちた 転ころがってった
汚よごれに塗まみれて駄目だめになった
口下手くちべた同士どうしの会話かいわ
私わたしにはどこか居心地いごこちが良よかったんだ
記憶きおくと体温たいおん
一人ひとりでどうやって生いきてきたかを覚おぼえてない

焦あせるたび解とけてった愛情あいじょう
正ただしさを取とり零こぼすことばっかだ
不器用ぶきようだ

窓越まどごしに映うつる眠ねむらない空そらの移うつり変かわりのように
ずれていった仄暗ほのぐらい方ほうへ
深ふかく無為むいに沈しずみ込こんだ
夜よるの縫ぬい目めもわからないほど
もう本当ほんとうは何なにもかも全すべて消けして
不覚ふかくのままただただ溺おぼれたい
慰なぐさめでも それでいいよ

取とれないよ もうさ
染しみは奥おくに潜もぐり込こんでいた
余韻よいんを黙だまらせて
耳鳴みみなりが悩なやみの種たねだから
思慮しりょ 計画けいかく 本当ほんとう
意味いみがないよ 意味いみがないよ
あなたが私わたしなしで大丈夫だいじょうぶとわかるのも悲かなしいよ

文脈ぶんみゃくがバラバラになって
言葉ことばたちがたゆたうなら
全部ぜんぶ並ならび替かえたくて
意味いみのない文字列もじれつへと

足掻あがいて もがいて
埋うめ合あわせたって
得心とくしんがいかない
馬鹿ばかだ 弱よわすぎる

寄よる辺べも持もたずに瞬またたく星ほしをなぞる
縫ぬい付つけるように
傷きずや穴あなを星座せいざで塞ふさいで
区切くぎり分わけてしまいたいよ

忘わすれたいこと/忘わすれないこと
麻酔ますいすらもきかぬ感傷かんしょうは
水みずの澱おりの底そこへただただ沈しずめて
終おわりにしよう それでいいよ

海沿うみぞいを手てを取とり歩あるいたこと
脊髄せきずいの奥おくまで震ふるえたこと
目蓋まぶた裏うらに仕舞しまっとくよ
いつしか宝石ほうせきになるように
想おもい出での色いろはきっと限かぎりなく
透明とうめいに近ちかい 消きえそうなほど
無意味むいみの中なかに確たしかに光ひかっている

続つづく青あお 動うごく鼓動こどう
命いのちを綴つづる 世界せかいを捲めくる
ひとつのおわり ひとつのはじまり
振ふり返かえらず さよなら私わたし