ハーバービュー 歌詞 蒼山幸子 ふりがな付

深夜しんやのロビーは
妙みょうな静しずけさ
秒針びょうしんだけが
息いきをしている

ハーバービューのこの
ホテルの出口でぐちは
潮しおの香かおり以外いがい
まるで夢ゆめみたい

缶かんコーヒーひとつ
適当てきとうに買かって
寂さびれた街まちの
海岸かいがん沿ぞいまで

確たしかに天使てんしが微笑ほほえんでいた
あの日ひのこと
考かんがえながら

数かぞえても数かぞえ切きれない
思おもい出でがあるはずなのに
風穴かざあなは閉とじないみたい
空そらを齧かじるひかりが動うごく

あの月つきの裏側うらがわ
あなたの言葉ことば
見みえないものばかりの人生じんせいね
次つぎに会あえたら 何なにを言いおうか
今いまも思おもいつけないまま
息いきを潜ひそめて 火照ほてった体からだ
このまま馴染なじませていたい
わたしがもしも消滅しょうめつしても
気きにも留とめないような この闇やみに
今夜こんやはそう そんな気分きぶん

灯台とうだいからまた
ひかりがひとつ 続つづいて消きえる
ひんやりしてきた 額がくの奥おくに
誰だれも触ふれない これまでのこと
これからのこと

あの月つきの裏側うらがわ あなたの心こころ
見みえないものばかりの人生じんせいを
抱だきしめたなら 何なにが見みえるか
今いまは思おもいつけないまま
力りょくを抜ぬいて 火照ほてった体からだ
このまま馴染なじませていたい
わたしがもしも消滅しょうめつしても
気きにも留とめないようなこの闇やみに

朝日あさひが射さしたら
モーニングして
夢ゆめを覚さまそう
それからどこへ
出掛でかけるか決きめよう