他人ひとにきかれりゃ お前まえのことを
年としのはなれた 妹いもうとと
作つくり笑顔えがおで 答こたえる私わたし
こんな苦労くろうに ケリつけて
たとえひと間まの 部屋へやでよい
母ははと娘むすめの 暮くらしが欲ほしい
いくらなじんだ水みずでも年頃としごろの娘むすめのいる
左褄ひだりづま住すみにくうございます
浮名うきなを流ながした昔むかしもありましたが…
ああ あのひと私わたしを残のこして死しんだ あの人ひとを恨うらみます
厚あつい化粧けしょうに 憂うれいをかくし
酒さけで涙なみだを ごまかして
三味しゃみにせかれて つとめる座敷ざしき
あれが子持こもちの 芸者げいしゃだと
バカにされても 夢ゆめがある
それはお前まえの 花嫁姿はなよめすがた
女おんなの盛さかりはアッという間まです若わかい妓きの時代じだい
もう私わたしはうば桜ざくら 出でる幕まくないわ
でも もう少すこし この花街はなまちに私わたしを置おいて下ください
せめて あの娘こにいい花聟はなむこが見みつかりますまで
何度なんど死しのうと 思おもったことか
だけど背せで泣なく 乳呑児ちのみごの
声こえに責せめられ 十年じゅうねん過すぎた
宵よいに褄つまとる 女おんなにも
きっといつかは 幸福こうふくが
来くると今日きょうまで 信しんじて生いきた
他人hitoにきかれりゃnikikarerya おo前maeのことをnokotowo
年toshiのはなれたnohanareta 妹imoutoとto
作tsukuりri笑顔egaoでde 答kotaえるeru私watashi
こんなkonna苦労kurouにni ケリkeriつけてtsukete
たとえひとtatoehito間maのno 部屋heyaでよいdeyoi
母hahaとto娘musumeのno 暮kuraしがshiga欲hoしいshii
いくらなじんだikuranajinda水mizuでもdemo年頃toshigoroのno娘musumeのいるnoiru
左褄hidariduma住suみにくうございますminikuugozaimasu
浮名ukinaをwo流nagaしたshita昔mukashiもありましたがmoarimashitaga…
ああaa あのひとanohito私watashiをwo残nokoしてshite死shiんだnda あのano人hitoをwo恨uraみますmimasu
厚atsuいi化粧kesyouにni 憂ureいをかくしiwokakushi
酒sakeでde涙namidaをwo ごまかしてgomakashite
三味syamiにせかれてnisekarete つとめるtsutomeru座敷zashiki
あれがarega子持komochiのno 芸者geisyaだとdato
バカbakaにされてもnisaretemo 夢yumeがあるgaaru
それはおsorehao前maeのno 花嫁姿hanayomesugata
女onnaのno盛sakaりはrihaアッaxtuというtoiu間maですdesu若wakaいi妓kiのno時代jidai
もうmou私watashiはうばhauba桜zakura 出deるru幕makuないわnaiwa
でもdemo もうmou少sukoしshi このkono花街hanamachiにni私watashiをwo置oいてite下kudaさいsai
せめてsemete あのano娘koにいいniii花聟hanamukoがga見miつかりますまでtsukarimasumade
何度nando死shiのうとnouto 思omoったことかttakotoka
だけどdakedo背seでde泣naくku 乳呑児chinomigoのno
声koeにni責seめられmerare 十年juunen過suぎたgita
宵yoiにni褄tsumaとるtoru 女onnaにもnimo
きっといつかはkittoitsukaha 幸福koufukuがga
来kuるとruto今日kyouまでmade 信shinじてjite生iきたkita