氷雨ひさめが窓打まどうつ
そのたびごとに
やっとハイハイ
出来できる児こが
親おやの手て 求もとめて
怯おびえちゃせぬか
それが気きになり
キリキリ胸むねが痛いたみます
帰かえろうか 帰かえろうか
磯節いそぶしのきこえる湊町みなとまち
ふだんは頑固がんこで
無口むくちな父ちちが
孫まごは立派りっぱに
このワシが
育そだててやるから
我わが家やの敷居しきい
二度にどと またぐな
覚おぼえておけと言いってきた
帰かえろうか 帰かえろうか
磯節いそぶしのきこえる湊町みなとまち
この春はる 坊ぼうやを
預あずけた時ときに
母ははがいったわ
泣なきながら
おんなを捨すてとは
いわないけれど
情じょうにおぼれず
どこかで
けじめつけなさい
帰かえろうか 帰かえろうか
磯節いそぶしのきこえる湊町みなとまち
氷雨hisameがga窓打madouつtsu
そのたびごとにsonotabigotoni
やっとyattoハイハイhaihai
出来dekiるru児koがga
親oyaのno手te 求motoめてmete
怯obiえちゃせぬかechasenuka
それがsorega気kiになりninari
キリキリkirikiri胸muneがga痛itaみますmimasu
帰kaeろうかrouka 帰kaeろうかrouka
磯節isobushiのきこえるnokikoeru湊町minatomachi
ふだんはfudanha頑固gankoでde
無口mukuchiなna父chichiがga
孫magoはha立派rippaにni
このkonoワシwashiがga
育sodaててやるからteteyarukara
我waがga家yaのno敷居shikii
二度nidoとto またぐなmataguna
覚oboえておけとeteoketo言iってきたttekita
帰kaeろうかrouka 帰kaeろうかrouka
磯節isobushiのきこえるnokikoeru湊町minatomachi
このkono春haru 坊bouやをyawo
預azuけたketa時tokiにni
母hahaがいったわgaittawa
泣naきながらkinagara
おんなをonnawo捨suてとはtetoha
いわないけれどiwanaikeredo
情jouにおぼれずnioborezu
どこかでdokokade
けじめつけなさいkejimetsukenasai
帰kaeろうかrouka 帰kaeろうかrouka
磯節isobushiのきこえるnokikoeru湊町minatomachi