上あがりたる世よ 降ふらぬ天水あまつみづ
人ひとは龗おかみに乞こひたるに
淡海あわうみより現あらわれ給たまひて 巌いはお破やぶる
瑞山ずいざんの裾すそに主ぬしたる大蛇おろちの同胞はらから住すまひけり
朝あさ影かげは日ひの在あり処かを護まぼり 月影つきかげは敷しき闇やみを護まもり給たまふ
萌もえ野の そより 風かぜ光ひかる田代たしろ
蛙かはづ喜よろこぶ春はる時雨しぐれ
睦むつまやかに朝夕あさゆう暫しばらく打うち語かたらふ
水み無なし川がわ 淀よどむ細流せせらぎ力及ちからおよばぬ 諸共もろともに
弟おととは人ひとを哀あわれみ助たすく 兄せうとは人ひとを心付こころづきなし
上あがりたる世よ 降ふらぬ天水あまつみず
人ひとは龗おかみに乞こいひたるに
淡海あわうみいより現あらわれ給たまひて 巌いわお破やぶる
紅あけに染しむる弟おととは身み罷みまかる
兄せうとは荒さび 泣なき染しみ付つく
命いのちの露つゆ 流ながらひ虹のじ立たつ 雲くもの通かよひ路みち
上aがりたるgaritaru世yo 降fuらぬranu天水amatsumidu
人hitoはha龗okamiにni乞koひたるにhitaruni
淡海awaumiよりyori現arawaれre給tamaひてhite 巌ihao破yabuるru
瑞山zuizanのno裾susoにni主nushiたるtaru大蛇orochiのno同胞harakara住suまひけりmahikeri
朝asa影kageはha日hiのno在aりri処kaをwo護maboりri 月影tsukikageはha敷shiki闇yamiをwo護mamoりri給tamaふfu
萌moe野no そよりsoyori 風kaze光hikaるru田代tashiro
蛙kahadu喜yorokoぶbu春haru時雨shigure
睦mutsuまやかにmayakani朝夕asayuu暫shibaraくku打uちchi語kataらふrafu
水mi無naしshi川gawa 淀yodoむmu細流seseragi力及chikaraoyoばぬbanu 諸共morotomoにni
弟ototoはha人hitoをwo哀awaれみremi助tasuくku 兄seutoはha人hitoをwo心付kokoroduきなしkinashi
上aがりたるgaritaru世yo 降fuらぬranu天水amatsumizu
人hitoはha龗okamiにni乞koiひたるにhitaruni
淡海awaumiiよりyori現araわれware給tamaひてhite 巌iwao破yabuるru
紅akeにni染shiむるmuru弟ototoはha身mi罷mimakaるru
兄seutoはha荒saびbi 泣naきki染shiみmi付tsuくku
命inochiのno露tsuyu 流nagaらひrahi虹noji立taつtsu 雲kumoのno通kayoひhi路michi