アサギマダラ 歌詞 ASAGI ふりがな付

木染月こぞめつきの頃ころ 母ははも知しらぬ身みとなりけり 生うまれ立だち
鬼女きじょ蘭らん食くらひて小ちいさき童わらはは夢路ゆめじを辿たどる

冬ふゆながら春はるを思おもひ遣やる 御祖みおや舞まいひし碧落へきらく心こころに任まかせて

旅立たびだつ 群むらめかす胡蝶こちょう 帰かえらぬ道みち 忘わすらゆましじ
雲くもの彼方あなたを見渡みわたせば花はなも風かぜもいとあはれなり 然しかるに夢見ゆめみ騒さわがし

蜘蛛くもの網いの如ごとき罠わなに掛かかりけり 纏まつはる物狂ものぐるひ
馨かぐわしき紫蘭しらに毒どく染しみたる衣きぬ脱ぬぎ掛かく ゆらり

杭くひぜより垂しだる ふたふたと 下愚かぐは我われの命いのちを奪うばひて楽たのしぶ

朽くち果はてつ 願ねがひ満みちて給たまへ 土つちに帰かえらむ事ことも叶かなふまじ
僅わずかなる命いのちあらば我わが心こころは諸共もろともに飛とび交かひなむ うれを滅ほろぼして

生いきながら捕とらはれて千切ちぎれたる躯からだ
あな 露つゆの世よを過すぐすとも死ししてなほ我われ生いき巡めぐりて

浅葱あさぎの風かぜ吹ふく晩夏ばんか
斑まだらの空そらに霞かすみたるは閃ひらめく羽はね