これはこの世よのことならず
賽さいの河原かわらの物語ものがたり
親おやにはぐれた嬰児みどりごの
人ひとのあはれと泣なき止やまぬ
現世うつしよの唄うたを乗のせて
廻向えこうの風かぜが吹ふきつける
一ひとつ積つんでは父ちちのため
二ふたつ積つんでは母ははのため
三みっつ積つんでは人ひとのため
Om
それはあの世よのことなれば
賽さいの河原かわらに鬼おにぞ住すむ
死出しでの山やま路じは暮くれなずみ
子こ取とろ子こ取とろと羽虫はむし鳴なく
現身うつせみの涙なみだで出来できた
輪廻りんねの河かわが打うち寄よせる
一ひとつ積つんでは父ちちのため
二ふたつ積つんでは母ははのため
三みっつ積つんでは人ひとのため
Om
右みぎも左ひだりも 分わからぬ
霧きりと硫黄いおうの 荒野こうやを
鬼おにに追おわれて 子供こどもは逃にげる
石いしを蹴散けちらし どこに行いくのだろう
遊あそび疲つかれた 子供こどもは
石いしの蒲団ふとんに くるまり
水みずに呑のまれて 湖みずうみの底そこ
醒さめることない 夢ゆめを見みるのだろう
賽さいの河原かわらに積つんでは崩くずれる
賽さいの河原かわらに積つんでは崩くずれる
これはこのkorehakono世yoのことならずnokotonarazu
賽saiのno河原kawaraのno物語monogatari
親oyaにはぐれたnihagureta嬰児midorigoのno
人hitoのあはれとnoahareto泣naきki止yaまぬmanu
現世utsushiyoのno唄utaをwo乗noせてsete
廻向ekouのno風kazeがga吹fuきつけるkitsukeru
一hitoつtsu積tsuんではndeha父chichiのためnotame
二futaつtsu積tsuんではndeha母hahaのためnotame
三mixtuつtsu積tsuんではndeha人hitoのためnotame
Om
それはあのsorehaano世yoのことなればnokotonareba
賽saiのno河原kawaraにni鬼oniぞzo住suむmu
死出shideのno山yama路jiはha暮kuれなずみrenazumi
子ko取toろro子ko取toろとroto羽虫hamushi鳴naくku
現身utsusemiのno涙namidaでde出来dekiたta
輪廻rinneのno河kawaがga打uちchi寄yoせるseru
一hitoつtsu積tsuんではndeha父chichiのためnotame
二futaつtsu積tsuんではndeha母hahaのためnotame
三mixtuつtsu積tsuんではndeha人hitoのためnotame
Om
右migiもmo左hidariもmo 分waからぬkaranu
霧kiriとto硫黄iouのno 荒野kouyaをwo
鬼oniにni追oわれてwarete 子供kodomoはha逃niげるgeru
石ishiをwo蹴散kechiらしrashi どこにdokoni行iくのだろうkunodarou
遊asoびbi疲tsukaれたreta 子供kodomoはha
石ishiのno蒲団futonにni くるまりkurumari
水mizuにni呑noまれてmarete 湖mizuumiのno底soko
醒saめることないmerukotonai 夢yumeをwo見miるのだろうrunodarou
賽saiのno河原kawaraにni積tsuんではndeha崩kuzuれるreru
賽saiのno河原kawaraにni積tsuんではndeha崩kuzuれるreru